- 「火葬場」
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一同火葬場に到着。
火葬場で再び焼香。これで本当に最後のお別れ。このときも母親は落ち着いた様子で、息子としては安心だった。
焼却炉の前運ばれると、すでに火葬中の人の遺影がいくつもならんでいた。みな父親同様高齢者である。しかし父親のようなスナップ写真の遺影は皆無(笑)。みな”いかにも”な感じの遺影写真。どちらがいいかは人それぞれの感じ方だろうが、息子たちとしては参列者にも評判が良かったこともあり、この写真でよかったと思った。
火葬が終わるまではしばし軽食と雑談。とりとめて故人の話が出るわけでもない、雑談な感じは過去何度も経験したとおり。久々に会う同年代の親戚たちとも、たまにはこういう時以外でも会おうと話はするが実現したことはないのだった。
火葬場なので飲食物の販売に限界はあるのだろうが、事前に注文した以上のものは出ず、余っても返金されるわけではないという、いかにも市営らしい融通の利かない売店。はやる売店ではないかもしれないが、コンビにでもいれればもっといいサービスが出来るだろうに。
一時間あまりの後、終了のアナウンスに呼び出され一同納骨場所へ集合。過去には火葬して骨以外のものが残った人もいたが、父親の遺骨は、ペースメーカは跡形もなく燃え去り、股間の人工関節が残っていた。こんな大きなものが体の中に入っていたとは驚きだった。
参列者が二人でひとつの骨を箸でつかんで骨壷へ入れるのがこの辺の慣わし。参列者に一通り順番が回ると、残りは係員の人が最後の粉末まで含めて丁寧に骨壷の中へ。
再び、霊柩車とマイクロバスで葬儀会場へ戻る。この後は”お清め”となるが、ここで誤算が。お清めへの参加者が予定より多くなってしまった。長男が自分の分を提供することで間に合わせたが(値段だけは)安くない食事とはいえ、まったく余分がないのはこのサービス業(笑)としてはこの業界ならではか。