アリス/チューリップ INTERVIEW





INTERVIEW A面にアリス、B面にチューリップのインタビューを収録したEPレコード。販売促進のための宣伝材料としてレコード店に配られたものらしい。「心の旅」がヒットする前のためかアリスのB面扱い、内容も他愛の無い話で自信も感じられない。
インタビューは昭和48年3月30日、東芝第1スタジオで収録されている。約7分30秒。








♪魔法の黄色い靴
「ほらね僕の靴は君をつれてくるよ(ハモる)」
財津「チューリップです」
全員「こんにちは」
財津「これはチューリップのおしゃべりレコードです。
   ここは東芝第一スタジオ。大きなスタジオの真中にポツネ〜ンとちっちゃな机がありましてね。それを5人の若者、みんなのアイドル、チューリップが囲んでおります。
   えー、僕の右、財津和夫の右にはですね、えー、白いシャツを着て看護婦さんみたいな格好をしてますけどね、ひげを生やして虫歯をちらりと見せましてね、金色の眼鏡をかけております吉田彰が座っております。」
吉田「はい。」
財津「返事がいいですね〜君は、年の割に。えー、その隣には七色のジャケットを着て、キンキラキンですね〜」
安部「そう、これはラメのね、レインボゥ」
財津「ああ、レインボー」
安部「そう!」
姫野「後光がさしますね、なんとなく」
財津「そういうジャケットを着ている、リードギターの安部俊幸です。」
安部「よろしく。」
財津「その横にはね、今日は着物を着てますね、あなたは。」
上田「そうですね、カスリですね。」
財津「カワイイね。」
上田「寝巻きなんですよ、これ。」
財津「いやしかしそれ、似合ってるよ、その着物。
   あのー、それでドラムは叩かないだろうけど、ドラム担当の上田雅利です、ねえ。」
上田「そうです、よろしく!」
財津「それから最後に僕らのアイドル、チューリップ4人のアイドル..」
姫野「そう!」
財津「姫野達也君です。」
全員「かわいいー!」
財津「しかしね、あのほら最近僕たちね東京の仕事ってどんなのがある?」
姫野「そうねえ、あの最近コンサートが多いけど、」
安部「そうね」
姫野「割と民音とか労音とかの仕事が多くなってねいろいろ全国にいきますね。」
安部「地方に行ってね、いろいろね」
姫野「で今度まだ行ってないところにまだこれからもバンバンいきたいね」
安部「行きたいねー、もう隅々へいきたいね」
財津「あのねほら、かなり隅々まで回ったけどねあそこは行ってないね、山陰だけはね。」
安部「山陰と四国だけなんですよ、行ってないのはね」
財津「行きたいねあそこもね。    それから、まあ、できればね、将来は、ね、イギリスへね、」
全員「わーっ」
財津「行けるよ行けるよ!いこうな。
   ええ、それから最近東京の生活にはみんさん慣れたでしょう?。僕はもうカラッと慣れましたけど。東京の人間にもうなりきっちゃたからね。
全員「ハハハッ」
財津「姫野と上田はいま四谷に住んでるんだろ、おまえ」
上田「うん、住んでますよ」
財津「どんな?」
姫野「最近ですねちょっと余裕が出てきたせいかね、僕たち二人とも犬が好きなんですよね。それでね犬でも飼おうかなって相談してるんですよ、最近。」
上田「なかなかでもね、飼えないですよね」
財津「丁寧語使いますね、あなたはね。私、財津和夫を立ててるんですね。」
上田「ハハハ、そういうわけじゃないけどね...」
姫野「ハハハ、馬鹿にしてるんですよ」
財津「犬飼ってるの?」
姫野「いやね、飼おうかなと思ってるんですけど、」
上田「飼えないんですよ」
財津「うるさいわけ、周りが?」
姫野「そう」
上田「そう、大家さんとかがですね...」
財津「ああそうか、あそこ壁が落ちて薄いからな、壁がな。」
安部「動物が飼えない..」
上田「違うんですよあそこ、公共アパートなんですよ!...」
財津「それからあの、吉田と安部が一緒に住んでるんだよね。」
安部「そう一緒人住んでるんですけどね、白金というところに住んでるんですよ。」
吉田「高級住宅地!」
安部「もうみんな回り金持ち、うち貧乏!」
全員「ハハハ」
財津「(歌いながら)回り金持ち、うちビンボ〜、こういう感じね。」
安部「あのですね、近所にですねドライブ・インがあるんですよ。こうカッコいい。もうガラス張りの素敵なドライブ・インなんですけどね、名前が生いしてます、シロカ〜ネっていうんです。」
全員「ハハッ」
財津「白金台のシロカ〜ネ」
安部「そうですね」
上田「壁は白いのかね」
姫野「(博多弁で)おもしろかね。」
安部「でますねやっぱり博多弁」
財津「あのねえ、そういえばねえ僕たちもねえ、こういう生活をし始めたけどねえ、昔はね、福岡時代はねえ、荒(すさ)んだだったねえ〜」
上田「貧しいというかねえ〜」
財津「凄惨というか荒んというかねえ」
上田「人のパンもちぎって食べるという感じでねえ」
財津「しかしほら懐かしいじゃない、5人そろってほらあのー、ほら喫茶店で演奏したあとね、金がなかったじゃない全然。うどん、うどんをね女の子にね、女の子に金ちょと借りて、30円ずつ貸してくださいって、狐うどんを食べたじゃない。」
安部「でもあの頃30円の生活費でよくやってましたね〜」
姫野「信じられないね」
財津「しかしねやっぱり、あれだよやっぱり、ガッツだよあれはな。チューリップのな、心意気だよ〜」
安部「九州男児の?」
財津「おもしろいよね、しかしね、東京はね」
安部「近頃はでもいい生活してますね、財津さん」
上田「そうですね〜」
姫野「着るもんが違いますね」
安部「お顔の艶もよろしくて」
上田「すごいですね、かなり」
財津「しかし毎日ステージなんかほら、楽しいじゃない。あのほら、福岡時代なんてあんまり反応無かったじゃない」
安部「うんそうね」
財津「あのほら、みんなほら、なんていうかなこーチューリップ、あっ、楽器が弱かったせいもあるかな」
安部「そう音的にも色々ね」
財津「静かに聞く感じだったよね、あの頃俺達のやってた音楽はね。でも最近でほらグワーンやってるじゃない。」
安部「舶来の楽器も増えました」
財津「すごねやっぱりね。聞く人も最近グォグォーのってるしね。」
上田「うれしいよね」
財津「だからほら最近顔の色艶いいだろ?」
財津「あのね、ところでね、あの俺達のね、音楽の将来というかね、これからなにをやっていこうかね大事なことだと思うんだけど」
安部「そうね」
財津「ほら、みんな一生懸命やってるけどね日本の音楽ってこーなかなか外国に輸出できないじゃない。」
上田「まだ”スキヤキ”ぐらいだよね」
財津「スキヤキ、坂本九さん!」
財津「しかしね、俺達も絶対ほらやりたいよな」
安部「もちろん、やりたいね」
財津「いろいろやってるじゃない、俺達みたいなグループもなあいろいろ」
安部「そうね」
財津「あれをほら、ぐっとトップに躍り出てね、そんでグーとトップ、一番最初にほらアメリカなんかになぐり込みかけてね、こうローリング・ストーンズと共演して、ローリング・ストーンズを前座にだしたりさ」
安部「そうね」
全員「いいね!」
財津「いいやな。しかしね、日本もね、もっともっとそういう意味であのほら、聞く人なんか、あの音楽、ね、メロディーラインのほらなんというか、難しい、難しさというか、リズムの難しさとか、ハーモニーの難しさとかそういうものを理解してくれるようにね、みんなが」
安部「僕たちの年代は無理でしたけどね、近頃の若い人たちはすごいですよでも」
姫野「小学生あたりでもすごいですよね」
財津「ほらテレビなんかもういでじゃない、タンタンタンタンすごいリズムあるもんね」
財津「こなしてるもんね」
姫野「この間ね、アマチュアをみてね、ロックンロールやってるのねそれで。でも自作詞でつくるもんね、今ね。」
財津「俺達がね、俺がね最初、たとえば高校生時代か、あの頃作ってた音楽はね..」
姫野「スリー・コードでね」
財津「そう。(歌い出す)星が〜」
全員「降る〜」
財津「しかも最後これだもんね、ズビズバッバー。この前聞いたのほら..」
安部「チッチーでしょ」
財津「この前ほらあったじゃない、ボサノバやってるね..」
姫野「かなりいけてたね、あれね」
財津「中学生のね完全なアマチュアだけどね、いいよね、あんなのね。しかし本当ね。そういうね、いまからだと思うよ、俺。よし、ガンバろうぜ!」
全員「ガンバろう!」