Paul McCartney
Flaming Pie

東芝EMIより 絶賛発売中! TOCP-50200 税込 2,548円
第1弾シングル Young Boy / Looking For You
東芝EMIより 好評発売中! TOCP-40040 税込 1,223円
第2弾シングル The World Tonight
東芝EMIより 10 月 16 日発売 TOCP-40073

ポールのニューアルバム、ついに日本盤リリース!

ポールの4年ぶりのスタジオ録音のニューアルバム FLAMING PIE、 ついに5/17、日本盤がリリースがされた。
イギリス発売は 5/12 といわれていたが、すでに日本ではゴールデンウィーク明けに 輸入盤が登場している。アメリカは 5/27(当初は 5/13 と言われていたが少し延びた) と伝えられていて、日本でも 5/17 発売とアナウンスされた。 (当初は日本先行発売で東芝EMIが 5/8 にリリースする、 とアナウンスされたが、次に東芝EMIの web page などで 5/12 に変更されて アナウンスされ、最終的に 5/17 になった) なお、シングル Young Boy も同様に当初の 5/8 から 5/12 、そして 5/21 に変更に なっている。

アルバム制作の過程

スタートは Anthology プロジェクトから

アルバムのタイトル Flaming Pie は、ジョンが(ふざけて) 「ビートルズの名前の 由来は、あるとき Flaming Pie(燃えさかるパイ)に乗った男が『お前たちは ビートルズだ』と言ったからなんだ」と答えたことがあることに由来している。

こんなエピソードからも伺えるように、今回のアルバムは、'94年からの The Beatles Anthology の制作中に並行して制作が進行していた。
曲のストック自体は Anthology プロジェクト前からスタートしており、 この過程では Anthology プロジェクトでビートルズの作品を多く聞き返したことが 刺激になったとのこと。

プロデューサー Jeff Lynne の起用

実際のレコーディングに際しては、Anthology プロジェクトでビートルズとしての新曲 Free As A Bird と Real Love をプロデュースした Jeff Lynne を多くの曲で 起用している。
当初、Anthology プロジェクトで Free As A Bird を Jeff にプロデュースさせる話に なった際、Jeff が George (Harrison) のアルバム Cloud Nine をプロデュースして 以来 George との仕事が多かったことから、ポール自身は George 色の強い曲に なってしまうのではないか、と危惧したそうだ。 しかし、その心配は徒労に終った。 仕上った作品の出来は Paul にとって、今回のアルバム収録曲のプロデュースを Jeff に依頼するのに十分なものだったのだ。

RAM に似たレコーディングスタイル

レコーディングは、ほとんどポールの自宅スタジオで行なわれており、 ほとんど全ての楽器の演奏もポール自身がおこなったとのこと。 これに、気心の知れた友人(しかし豪華!)がゲスト的に参加する、という '70年代はじめのポールのアルバム RAM に近い形になっている。 ゲスト参加しているのは、ポールのアルバムのみならず、ビートルズのメンバーの ソロアルバムには欠かせない元ビートル Ringo Starr がドラムで参加しているほか、 Little River Band の Steve Miller がギターで、そしてプロデューサーの Jeff Lynne 自身もギターで参加している。
また、これは東芝EMIの洋楽制作第2部 からの情報だが、 アルバムでは、Ringo の息子 Zak Starkey もドラムをたたいている、 との情報もある。Zak は Ringo の All Starrs ツアーで '95 年に日本にも来ているが、 最近では The Who のツアーでドラムを担当するなど、活躍している。 さらに、Heaven On A Sunday では、ポールの息子 James とポールとのギターの 掛け合いも聞くことができる。

アルバムにはポール自身によるライナーノーツが付属

今回のアルバムには、ポール自身によるライナーノーツが付く。 これは、Anthology CD に非常に詳しいライナーノーツを付けた際、 アナログレコード時代の、「ライナーを隅から隅まで読む」楽しみを思い出したことに よるものだそうで、ポール自身が1曲づつにライナーを書いているほか、 ポールの奥さんで写真家でもある Linda が曲ごとに撮影した写真も掲載され、 全部で 24 ページものブックレット形式になったとのこと。

シングルカットは EMI のマネージングディレクター試聴会で決定

シングルカット曲は、イギリス、アメリカ、ドイツ、日本の各国の EMI の セールスマネージングディレクターを招いて行なわれたミーティングで アルバム全曲を通して試聴した際、全員の気に入った曲の意見が上位では 完全に一致したため決定した、とのこと。
結局、アメリカでは、よりロック色の強いナンバーである The World Tonight が 1st single になることになったが、それ以外の国では Young Boy が 1st single に なることになった。
今回のアルバムからは 4 枚のシングルカットが予定されており、 Young Boy、The World Tonight、Somedays、Beautiful Night がリリースされ、 5月から12月にかけて順次リリースされる予定、と伝えられている。 アメリカ以外の国では、7月7日にセカンドシングルとして The World Tonight が リリースされ、日本盤は10月初旬にリリースが予定されている。

ドキュメンタリービデオ In The World Tonight

最近のポールのアルバムでは恒例となったアルバム制作を納めたドキュメンタリー ビデオも制作されており、世界30カ国での放送が組まれていると伝えられている。 タイトルは In The World Tonight で、監督は The Beatles Anthology を担当した Geoff Wonfar。(そういえば、George も The Beatles Anthology の制作チームに 自身のドキュメンタリーを作って欲しいと言っていた)
時間は1時間弱。 基本的には、アルバム作成中のスタジオでの素顔のポールを追ったモノで、 撮影はふたりのクルーだけで行なわれた、とのこと。
日本では、WOWOW が 6 月 15 日午後 10 時から放送した。 当初、WOWOW では、この番組はスタジオライブ番組で、 アビーロードスタジオでのスタジオライブフィルム、とアナウンスしており、 4/12 付のサンケイスポーツ紙等が伝えたところによると、 このフィルムには Ringo も参加していて、バックにオーケストラが参加した曲もある、 と報じられていたが、結局は「アーティスト側の意向で内容が変更になり」 ドキュメンタリー作品になった、と番組冒頭で紹介していた。 この結果、去る 4/11 に彼の会社 MPL のロンドンオフィスの屋上で Young Boy と The World Tonight を演奏したライブシーンは納められなかった。 この突発屋上ライブのあとのインタビューでは、ポールは「前に一度やったことが あるからね」などと答えていたそうだが、前にやったときには警察の方から 「厳重注意」されてたでしょ!>ポール

いまのところツアーの予定はなし

なお、現在のところ、このアルバムリリースに伴うツアー、およびライブの予定は 無い、とのこと。 ポールのオフィシャルファンクラブ誌「Club Sandwich」などではおなじみの、 ポールの広報担当である Geoff Baker によると、'91年の MTV Unplugged から メンバーが固定しているポールのバンドは、現在も同様のメンバーで構成されているが、 現在はメンバー個々の活動を展開中とのこと。 また、次の機会に全員が参加するかどうかもなんとも言えないそうだ。
いずれにせよ、前回のアルバム Off The Ground が事実上 Paul McCartney Band の アルバムとして制作されたのに対し、今回のアルバムは純粋にポールのソロアルバム として制作されていることもあるのだろう。

最新情報


Catalog Data

Paul McCartney / FLAMING PIE
Jap: ToshibaEMI/Odeon TOCP-50200 2,548yen 97/May/17
  1. The Song We Were Singing
  2. The World Tonight
  3. If You Wanna
  4. Somedays
  5. Young Boy
  6. Calico Skies
  7. Flaming Pie
  8. Heaven on A Sunday
  9. Used To Be Bad
  10. Souvenir
  11. Little Willow
  12. Really Love You
  13. Beautiful Night
  14. Great Day

Paul McCartney / Young Boy
Jap: ToshibaEMI/Odeon TOCP-40040 1,223yen 97/May/21
  1. Young Boy
  2. Looking For You
イギリスでは予定通り 4/28 にファーストシングルとして CD シングル 2 種が リリースされ、以下のような収録曲になっている。
Paul McCartney / Young Boy (CD1)
UK: Parlophone CDRS-6462 97/Apr/28
  1. Young Boy (3:52) Written & Produced by Paul McCartney
  2. Looking For You (4:48) Written by Paul McCartney, Produced by Paul McCartney & Jeff Lynne
  3. Oobu Joobu - Part 1
    1. Some Folks Say Oobu 0:25
    2. Oobu Joobu Main Theme 0:30
    3. Fun Packed Show 0:09
    4. I Love This House 3:44
    5. Clock Work 0:08
    6. Paul McCartney Talks About "Young Boy" 3:46
    7. Oobu Joobu We Love You 0:13
    8. Oobu Joobu Main Theme 0:56
Paul McCartney / Young Boy (CD2)
UK: Parlophone CDR-6462 97/Apr/28
  1. Young Boy (3:52) Written & Produced by Paul McCartney
  2. Broomstick - 5:07 Written by Paul McCartney, Produced by Paul McCartney
  3. Oobu Joobu - Part 2
    1. Wide Screen Radio 0:10
    2. Oobu Joobu We Love You 0:07
    3. Oobu Joobu Main Theme 0:33
    4. Brilliant, What's Next? 0:04
    5. Atlantic Ocean 6:33
    6. Paul McCartney Reminisces (background music "Classical Guitar") 1:22
    7. Bouree 0:19
    8. Oobu Joobu We Love You 0:12
    9. Oobu Joobu Main Theme 0:57
このように、ポールが95年に米国 Westwood One で企画・制作したラジオ番組、 OOBU JOOBU の様な構成になっており、番組中で使用されたジングルをそのまま使用、 中に '84〜'87年ごろの未発表曲をはさんでいる。
なお、残念なことに、日本盤(1枚の予定)の収録曲は Young Boy と Looking For You の2曲のみで、Oobu Joobu のパートは含まれていない。 このような DJ スタイルの部分の対訳こそ、日本のファンが望んでいるものだと 思うのだけれども…

一方、アメリカでも The World Tonight がシングルとしてリリースされ、 注目のカップリングは、イギリスの Young Boy の CD1(CDRS-6462) と同じく、 Looking For You と Oobu Joobu Part1 になっている。

イギリスでは続いて 7/7 に セカンドシングルとして CD シングル 2 種が リリースされた。

Paul McCartney / The World Tonight (CD1)
UK: Parlophone CDRS-6472 97/Jul/7
  1. The World Tonight (4:03)
  2. Used To Be Bad (4:08)
  3. Oobu Joobu - Part 3 (9:48)
    1. Intro Chat (0:09)
    2. Oobu Joobu Main Theme (0:48)
    3. Squid (6:25)
    4. Paul McCartney Talks About "The World Tonight" (1:23)
    5. Link (0:05)
    6. Oobu Joobu Main Theme (0:59)
Paul McCartney / The World Tonight (CD2)
UK: Parlophone CDR-6472 97/Jul/7
  1. The World Tonight (4:03)
  2. Really Love You (5:14)
  3. Oobu Joobu - Part 4 (7:06)
    1. Intro Chat (0:06)
    2. Oobu Joobu Main Theme (0:37)
    3. Link (0:18)
    4. Don't Break The Promise (3:39)
    5. Paul McCartney Talks About Reggae (1:25)
    6. Link (0:04)
    7. Oobu Joobu Main Theme (0:57)

収録曲紹介

  1. The Song We Were Singing(McCartney) [3:50]
    ポールと元 E.L.O. のジェフ・リンのプロデュース。
    John に捧げた曲と言われていて、Anthology での Free As A Bird の レコーディングにインスパイされた曲と言われている。
  2. The World Tonight(McCartney) [3:50]
    ポールとジェフ・リンのプロデュースのロックンロールナンバー。 アメリカでの 1st シングルで、映画「Father's Day」の主題歌としても 使われている。
  3. If You Wanna(McCartney) [4:32]
    ポールの単独プロデュース。リトル・リバー・バンドの Steve Miller が参加。 マイナー調のミディアムロックナンバー。
  4. Somedays(McCartney) [4:23]
    ポールの単独プロデュース。アコースティックな味付けのバラッド。
  5. Young Boy(McCartney) [3:55]
    ポールの単独プロデュース。リトル・リバー・バンドの Steve Miller が ギターソロを担当。イギリス・日本など、アメリカ以外での 1st シングル。
    ミディアムテンポのポップナンバーで、お得意のテンポチェンジなどもある。 こちらも映画「Father's Day」で使われている。
  6. Calico Skies(McCartney) [2:33]
    ポールとビートルズのプロデューサーだったジョージ・マーティンのプロデュース。 ポールのアコースティックギターのテクニックが光る1曲。
  7. Flaming Pie(McCartney) [2:34]
    ポールとジェフ・リンのプロデュース。 アルバム収録曲中では、もっともジェフ・リン色が出た曲。
  8. Heaven on A Sunday(McCartney) [4:25]
    ポールとジェフ・リンのプロデュース。
    Flowers In The Dirt の Distructions に通じるところがある、 アートの香りのするナンバーに仕上っている。 ポールの息子 James とポールとのギターの掛け合いも聞くことができ、 アコースティックがポール、エレキがジェームズ。
  9. Used To Be Bad(McCareney) [4:08]
    ポールの単独プロデュース。リトル・リバー・バンドの Steve Miller との ジャムセッション風のラフなロックンロールナンバー。
  10. Souvenir(McCartney) [3:34]
    ポールとジェフ・リンのプロデュース。 ロッカバラード風の曲だが、ミドルの部分にサイケ色が出ている。
  11. Little Willow(McCartney) [2:56]
    ポールとジェフ・リンのプロデュース。 すてきなアコースティックバラード。
  12. Really Love You(McCartney - Starkey) [5:18]
    ポールとジェフ・リンのプロデュース。
    Beautiful Night のレコーディング後、Ringo とのジャムから完成した曲。 ドラムはもちろん Ringo。
  13. Beautiful Night(McCartney) [5:03]
    ポールとジェフ・リンのプロデュース。 数年前に曲自体は完成していたが、今回 Ringo がドラムで参加したことで完成。 アルバムの中でもファンの間で最も好評のよう。ドキュメンタリービデオでも 後半大きく時間を割いて取り上げている事から、シングルカットの可能性大。
  14. Great Day(McCartney) [2:07]
    出だしがまんま Big Burn Bed な小品。実際に曲がかかれたのは70年代初頭 とのこと。

関連リンク

The FLAMING PIE Gazzette
アメリカでのアルバム発売元、Capitol Records が開設していた Flaming Pie の専用ページがさらにパワーアップ!Photo Gallery や Real Audio による サウンドファイル、ポールのメーリングリストの紹介などがあります

MPL Communications Paul McCartney Page
ポールの楽曲出版会社、MPL Communications のポールのBiography pageです。 Discography や Offcial Fanzine、FAQ などが揃っています

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Update - September 29 1997