5.海外における宮崎・高畑アニメ事情 〜作品編〜

 宮崎・高畑アニメは、世界各地でどのように紹介されているのかを作品別に整理しました。みんなから聞きかじったことをわらわらと書いています。

【新・ルパン三世】
 御存知のように、「新・ルパン三世」シリーズでは、宮崎監督が2本の演出を手がけられていますよね。この2本「死の翼アルバトロス」と「さらば、愛しきルパン」は、ビデオとして発売されています。

【未来少年コナン】
 イタリアでは、イタリア語吹き替えされたビデオが発売されています。TVシリーズということもあり、アメリカを含め翻訳が行われていない国では、あまり知られていないようです。

【カリオストロの城】
 「カリオストロの城」は、英語吹き替えでビデオが発売されています。 私は英語を聞き取ることができないので、ミシガン大学のとやまりょうこさんに解説していただきましょう。彼女は、レンタルビデオ屋さんで、「Castle of Cagliostro」を借りて見たら、あまりのことに、頭が吹っ飛んでしまったということです。その投稿を見て、私もひっくり返りました。

    [日本版]
     クラリス:  私を連れてって...ドロボーはまだできないけれど、きっと
            おぼえます。
            わたし、わたし...おねがい!
            一緒に行きたい。
     ルパン:   クラリス!
            ばかなことを言っちゃあいけない。また、闇の中に戻りたいの
            かい。やっと、おひさまの下にでられたんじゃないか。

    [英語版]
     クラリス:	一緒に行きたい。あなたに二度と会えないなんて私、耐えられ
            ない。愛しているの。どうしようもないくらい。ああ、ウルフ。
            私が子供だったときでさえ、私はあなたを愛していると気がつ
            いていたわ。あなたは、きらめく鎧を着た私の騎士様なのです。
     ウルフ:   俺は、兄のように君を愛しているよ。いつか、真実の愛がやっ
            てくる時が来るさ。

どっかーん。勇気のある人は、どうぞ。

【風の谷のナウシカ(マンガ)】
 アメリカの「ナウシカ」は、Viz Communication社が、現在、日本版の第7巻にあたる部分を翻訳しています。日本のコミックス全7巻を5つのパートにわけ、各パートをそれぞれいくつかの部分に分割して、月刊で発売しています。現在は、今年の7月から始まった最終のパート5が毎月刊行されており、来年の2月に発行予定の第8巻で完結を迎えます。

【風の谷のナウシカ】
 ナウシカは、という会社がライセンスを獲得して、「Warriors of the Wind」という”悪名高い”英語版の吹き替えビデオを販売しています。どれほど、悪名高いかは、『拝啓 宮崎駿様』のところで、みんなの生の声を聞いていただきましょう。私がMLに入ったときに、英語版のことを聞いたら、「怒り出してしまうだろうから、あれだけは見ちゃいけない」という忠告(いっぱい)や、「ボクはあのビデオを持っているんだけど、見るのを我慢している。でも、見たい...」というちょっと哀しいお便りをもらいましたっけ。
 英語の呼び方も「風の谷のナウシカ」は「Nausicaa of the valley of Wind」、ビデオのことを「Warriors of the Wind」と、完全に別物扱いしています。
 このビデオは、ドイツ語にも翻訳されています。ドイツのファンにとっては、英語版からでなくて、日本語版からの翻訳だったらよかったのにという嘆きの声が聞こえてきそうです。
 1995年7月30日に、イギリスでナウシカの完全版が英語字幕版で上映されました。これは、宮崎駿氏の監修のもとに作成された由緒正しい(?)もので、アメリカのファンは、とてもうらやましそうでした。

【天空の城ラピュタ】
 ラピュタの英語吹き替え版は、Carl Macek氏によって作成されています。観た人の印象によると、翻訳はよくできていたようですが、カットされた部分があったという情報もあります。 イギリスでは、テレビで2回放映されたそうです。米国では、いくつかの大学やアニメコンベンションでのみ上映されました。そのうちの一つは、1986年にアリゾナ州フェニックスで開催されたNASFICの会場で上映されました。この上映会は、ナウシカのマンガの英訳を始めたToren Smith氏が行ったものでした。まだ、どの配給会社も権利を獲得しようとはしていないようです。映画館での上映も小規模ながらあったという情報もあります。

【柳川掘割物語】
 日本を紹介するビデオに取り上げられ、英語版も作られたそうです。

【となりのトトロ】
 トトロは、ラピュタと同様、Carl Macek氏によって英語吹き替え版が作られています。この吹き替え版は、1993年に劇場で公開され、その後、1994年7月に Fox Videoから発売されました。「トトロ」は、「ナウシカ」とは違って、カットは一切ありませんし、登場人物の名前もそのままです。
 トトロのテーマソング「さんぽ」は、英語に訳されて歌われています。思わず元気よく行進しちゃいそうな歌い方で、ステキに仕上がっています。 トトロのビデオには、初版特典としてトトロのぬいぐるみがついていたそうです。

【魔女の宅急便】
 「ラピュタ」「トトロ」に続いて、1989年頃にやはりCarl Macek氏による英語吹き替え版が作成されています。吹き替えの出来はいいとの評判です。特に、キキがはつらつとしていて、聞いていて気持ちがいいです。
 トトロと違って、ユーミンのタイトルソングは、最初も最後もそのままです。 この英語吹き替え版は、JALの太平洋便の機内で上映されました。その後、いくつかのアニメコンベンションでも上映されています。いい吹き替えができているだけに、トトロの次は魔女宅がビデオ発売されるのじゃないかと、期待も高まりましたが、海外のファンの望みは未だかなえられていません。

【紅の豚】
 今年の夏の「耳をすませば」の特別番組(日本テレビ系)でも紹介されたように、今年フランスで「紅の豚」が劇場公開されました。他の映画に比べると公開はごく小規模なものでしたが、海外での劇場公開としては快挙といえるでしょう。
 英語版は、またまたCarl Macek 氏が「JALの機内に限って」上映するために作成されたものがあります。

【平成狸合戦ぽんぽこ】
 フランスのアヌシー国際アニメーション・フェスティバルで、前年の「紅の豚」に引き続いて、宮崎・高畑作品が1995年の大賞を受賞しました。
 通常、宮崎・高畑アニメが日本でビデオリリースされると、日本語のセリフを理解することができない人でも、ビデオを楽しむことができるように誰かが日本語の脚本を英語に翻訳してくれます。でも、この作品は、まだ翻訳されていません。だから、LD買っても、今だに何を言っているかわからないそうです。そうですよね、あの脚本は日本人じゃないと翻訳はかなり難しいような気がします。ラフカディオ・ハーンあたりから勉強しないと。
 「ぽんぽこ」は、これまで次のような場所で上映されています。 ☆ パリの映画祭(1995/6/17) フランス語字幕 ☆ サンフランシスコ国際映画祭(1995/4 or 5) ☆ シアトル国際映画祭(1995/5 or 6)

【耳をすませば】
 今年8月に公開されたこの映画は、当然海外でも注目され、1月のビデオ、LDリリースに熱き期待が寄せられています。
 2月はきっと「耳をすませば」の話題でもりあがることでしょう。みんなビデオじゃなくて、LDを買いたがるんで、1月31日のLDリリースまで我慢している人が多いのです。

【On Your Mark】
 宮崎氏のアクションものだということで、海外でもかなり興奮した人がいました。「耳をすませば」のリリースが決まると、「On Your Mark」は中に入っているのか、いないのかでやきもきしていましたっけ。日本に出張して見たDavidさんは、「On Your Mark」が入っているのではと期待して、劇場売店でチャゲアスのミュージックテープまで購入したそうです。御存知のように、アニメは入っていませんでしたとさ。

【もののけ姫】
 次なる期待は「もののけ姫」。宮崎氏の監督長編冒険ロマンと、期待はいやがおうにも高まるんですが、いかんせん、議論するだけの情報がないのでした。