日本語通信カード

このオプションはFM77AV系に主流が移りきったあとで発売された、ちょっと変わったオプションです。当時、パソコン通信がはやり始めたのですが、FM-7はRS-232Cを標準で持っていなかった上に、漢字ROMもオプション、FDDもオプションでした。ところが、拡張スロットは2個しか無く、いっしょに使うにはFDDをFM-8用の拡張インタフェースに接続する物を用いるしかありませんでした。そこで、漢字ROMとRS-232Cを一枚のカードに納めたのがこの「日本語通信カード」です。

特徴

このカードの特徴は、RS-232Cと漢字ROMをいっしょに納めただけではありません。なんと「辞書ROM」搭載だったのです。大学生とは言えお金の無かった私が、このカードの購入に踏み切ったのは、ここに理由があります。
このカードは、CPU(6809)が載っていて、カード上でかな漢字変換を行うことが可能でした。このため、F-BASICも機能拡張された物が付いていて、簡易ターミナルとしても使えるようになっていました。また、640×200の解像度でも40×20行の表示が出来るようにもなっていました。
これ以外の特徴として大きいのは、なんとこのカードFM77AVには使えないと言うことです。もう、16ビット機に主流が移行しようかと言う時期に出たオプションとしては、思い切った事をするなぁと感心したものです。しかも、旧機種専用のオプションなんて、普通のメーカなら考えられません。もっとも、FM77AV20/40系には日本語カードというオプションが用意されていたので、これを装備したからと言ってAVが7に劣るわけではありませんが(でも、確か初代AVには日本語カードはなかったんだよね)・・・

思い入れ

当時、2万5千円程度で入手したと思います。パケット通信(アマチュア無線行うパソコン通信)をやりたかったのですが、使えるパソコンを持っていなかったところに発売されたのがこのカードでした。その後PC-286VEというEPSONの98互換機を購入するまで、FM-7と日本語通信カード、FSTERMというOh!FMに掲載された通信ソフトを使用してパケットを楽しみました。
この、日本語通信カードは、FM-7用のオプションの中では最高傑作といえると思います。

ついでに

FM77AV20/40には、日本語が扱えるBASICがありましたし、日本語通信カードにもF-BASIC3.0Jというものが付いていました。しかし、ソフトバンクのOh!FMでは、独自にF-BASIC3.0εという漢字が表示できるものを掲載していました。おもしろそうだったので私も入力して遊びました。

写真

ちょっとピンぼけ。そのうち撮り直します。
日本語通信カードの全景

日本語通信カードの左半分。CPU、ROMが見えます。この日本語通信カードのROMは、差し替えています。なんで差し替えがあったのか覚えていませんが、確か無償で交換してくれたはずです。
日本語通信カードの左半分

日本語通信カードの右半分。中央の大きい石が漢字ROMだと思います。その左上に見えるのがシリアルI/F用の石。
日本語通信カードの右半分

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