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本ページは1998年当時の平日朝に放送されていたJ-WAVEの番組『Singin' Clock』(大槻りこさん、倉島直子さんナビゲート)のコーナー【Today's File】の内容を、J-Wave好きの私個人がテキスト化したものです。
本ページの情報についてJ-WAVEは何ら責任を持つものではなく、掲載情報により被害を被った場合もJ-WAVEには一切責任がないことをご了承ください(私にも責任取れません)。また情報は放送当時のものであることをご了承ください。

ットでホット
帽子のルーツ
日本人と帽子の深い関係
映画の中の帽子
プロが被る帽子
フォーマルな席での帽子

明日は節分、明後日は立春、暦の上では春の始まりとは言うものの、実質的には これからが一年中で一番寒さの厳しい季節です。そんな時に役に立つのが 暖かい帽子。という訳で今週のテーマは『ハットでホット』、帽子を特集します。
 
1日目は帽子のルーツ
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初日の今日は帽子のルーツのお話しです。

おしゃれの小道具という事ではなく、帽子本来の目的、防寒・防暑つまり暑さや寒さ そして日除け等から頭を守る物だと定義すると、その意味での帽子のルーツは 古代ギリシャに逆のぼる事が出来るそうです。

当時のギリシャ人は旅をする時あるいは夏の暑い時期に散歩をする時に、柔らかい布 あるいは草で編んだ日除けを頭に乗せて使っていたという記録が残されているんです。 これはペタソスと呼ばれている物だそうで、このシンプルな日除けが帽子のルーツ だとされています。

古代ギリシャと言えば数学者のピタゴラス、哲学者のアリストテレスだとか、 もしかしたらあの辺の偉人たちも帽子を被ってウ〜ンとうなっていたのかも 知れません。

そう言えばギリシャという国、聞くところによると とても陽射しの強い土地だそうです。だからこそ日除けが必要だった という事なんでしょう。

その後、時代と共に帽子の目的や機能は変化してい行きます。時には階級や宗教的な 権威を現すシンボルになったり、ファッションの重要な小道具になったりしてきます。 特に中世の頃のヨーロッパではカツラタイプの大掛かりな帽子も登場しました。

あのマリー・アントワネットやルイ14世、はたまたモーツァルトからベートーベンまで、 あの頃の人物は皆んな大袈裟な派手派手しいカツラを被っていまして、 それがファッションのポイントだったんです。

中にはポンパドール婦人のように部屋の天井にまで届くかなと思う程の高さのカツラ、 さらには巨大なリボンの付いた帽子、そんな風貌のファッション・リーダーまで 現れていたそうです。ファッションを追及する為には多少の苦労もいとわない、 いつの時代も一緒ですね。

でも今までのお話しは欧米のものです。日本では一般に帽子を被るようになったのは 明治の始め、鹿鳴館が出来て政府によって洋装が奨励された頃だと 言われてるんですけれども、実はヨーロッパとは違う形で日本の帽子、被り物の歴史は もっともっと古いと言われてるんです。

そこで明日は日本の帽子の歴史を辿ってみましょう。どうぞお楽しみに。

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2日目は日本人と帽子の深い関係
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良く日本人は帽子を被り始めてからまだ歴史が浅いので、それで帽子のおしゃれが下手、 こんな事が言われてしまうんですが、確かに西洋風の帽子を被るようになったのは 明治の初めで、外国に門戸が開放されて様々な文化が入って来てからの事です。

まず皇室が洋装、そして帽子を採用して一般には大正末期、関東大震災の後あたりから 普及し始めた訳ですから、その意見は正論ですよね。 でもそれはあくまでも西洋風の帽子に限った話で、実は日本人は昔から 頭に何かを被る事は大好きだったという意見もあるんです。

それは一体何かと言いますと、まず鉢巻き。 受験生でしてらっしゃる方もいると思いますが、この鉢巻き、日本の歴史に登場する 一番古い被り物なんです。

須佐之男命(スサノオノミコト)だとか天照大御神(アマテラスオオミカミ)だとか、 そうした神さまが活躍する神話の世界でも描かれてるんですけれども、 一般的に日本人の髪の毛って直毛ですよね? で、戦いの時に髪が邪魔にならないようにつる草を紐のようにして頭に巻く”かづら” つまり鉢巻きのような物をしていたと言われているんです。これも言わば被り物の一種 ですよね?

そして飛鳥時代、あの聖徳太子が当時の中国に習って冠を被る習慣を作ります。 あの日本史の時間に習ったあの官位十二階の制度です。これは朝廷内における階級を 冠の色で区別する方法なんですけれども、位の高い順から紫・青・赤・黄・白・黒 それぞれの濃淡で12色あって、朝廷に上がる時には必ず自分の位の色の冠を 被らなくてはならなかった訳です。 あの有名な聖徳太子の肖像画でも確かに冠被ってますよね?

その後、平安時代です。その冠の形も美しく整えられまして、朝廷に上がる時以外も おしゃれの一つとして日本人男子、冠を手放さなくなります。 あの源氏物語なんかでも光源氏が美しく冠をつけてお姫様のもとを訪れますよね。

で、そんな冠をいつも被っていると当然暑い!特に汗の吹き出し易い額、髪の生え際は夏 蒸れる程になってしまうんです。 そこでその不快感を取り除く為に額の上を剃り上げるようになった、 これが世界でも珍しいヘアースタイルの始まりです。

前頭部中央の髪の毛だけを剃り上げるというスタイルなんです。 やがてこれがチョンマゲへと進化していくという訳なんですけれども、 私だったら帽子を何とかしようと思うんですけれども、 髪の毛を剃っちゃうっていう感覚も、なかなか大胆ですよね?

その後も戦国時代には兜を被って、 江戸時代には頭巾とか菅笠なんて被り物も登場します。 確かに西洋の帽子とは違いますが、日本人の被り物の歴史もなかなかのものです。

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3日目は映画の中の帽子
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今日は映画の中に登場する印象的な帽子の話です。

帽子がトレードマークと言ってピンとくるのは、あの『インディ・ジョーンズ』です。 大学で考古学の講義をしている時は、落ち着いたグレーのスーツ姿の紳士 なんですけれども、いざ発掘に出掛けるとなると、登場するのがあの年代物の本当に 使い込んである革の帽子なんですよね。

カゥボーイ・ハットとまでは いかないんですけれども、つば広のシンプルな帽子を被って何故かムチを持ってまして、 冒険の旅に出発するんです。最近の大統領役もなかなかいいんですけれども、やっぱり 私の中ではハリソン・フォードはインディ・ジョーンズの姿がめちゃカッコ良く映ります。

これと同じような形のアウトドア・ティストの帽子と言えば 『クロコダイル・ダンディ』です。 彼の場合は、自分の仕留めたクロコダイルの革をハット・バンドにしている というのがポイントです。オーストリアからニューヨークに出て来ても、この帽子だけは 手放せない、クロコダイル・ダンディの証明のような存在でしたよね?

それからアメリカ人の言えばベースボール・キャップです。 スパイク・リー監督の作品でも印象的ですし、例えば『ダーティハリー1』では サンフランシスコ・ジャイアンツの帽子でしたよね?それから『恋人たちの予感』、 ビリー・クリスタルはニューヨーク・ヤンキースの帽子でした。こんな感じで 主人公のごひいきチームもさり気なく分かってしまう、そんな効果もあります。

因みにある調査によるとアメリカでは年間2〜3億のベースボール・キャップが 作られているというんですね。ハンバーガー、ジーンズと同じくアメリカ文化の象徴 という感じです。

続いては女性の帽子姿。

例えば『俺達に明日はない』のフェイダナウェイ、1930年代のアメリカで過激に銀行を 荒らしまくったボニーとクライド、それぞれスーツに帽子をばっちり決めて 記念写真を撮るんですが、その時のフェイダナウェイは黒いベレー帽姿でした。 規律と意志の強そうな表情に合ってましたよね。

そしてもうひとつ、『マイ・フェア・レディ』のオードリー・ヘップバーンです。 上流階級のレディになるべく、彼女がダービィ観戦に行くシーンありましたよね? イギリスではダービィには紳士は山中帽にタキシード、そしてレディはロングドレスに 華やかな帽子というのが伝統的な決まり事たんですが、ヘップバーンもふわふわの 羽のついた帽子を被って日傘を持って、しとやかにお出掛けしてました。 華やかな笑顔に似合う帽子でしたよね?彼女の顔じゃなかったら、もしかして 似合わないんじゃないかと思います。

他にもハリウッド・ミュージカルのスター、フレッド・アステアのシルクハット、 そしてチャップリンの山中帽と、映画の中ではたくさんの帽子が登場します。 個性を強調出来るんでしょうか、帽子って。

今年の冬も街中で本当に帽子流行ってますけれども、私も御多分に漏れず良く被ってます。 毛糸の黒い帽子なんですけれども、やっぱり防寒にも最適です。寒い日は家の中でも 被ってます私。ちょっと変ですか?



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4日目はプロが被る帽子
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今日は一般的な帽子ではなくて、プロフェッショナルの為の帽子です。

例えば警察官の方、パイロットさん、郵便配達のおじさんにステュワーデスさんに コックさんたちが被っている帽子の事なんですが、あれはファッションと言うよりも それぞれの仕事それぞれのプロである事の象徴するシンボルというべき物ですよね。

看護婦さんの白いナースキャップに私も一時憧れた事があるんですけれども、 白衣にナースキャップそして優しい笑顔。大人になった今も 病院で看護婦さんのお世話になるとあの姿が天使に見えてくるんですけれども、 ナースキャップを含めて看護婦さんのユニフォームのルーツを辿ると、やはりあの ナイチンゲールに行き着くそうなんです。

彼女がクリミア戦争で負傷した兵士たちの看護にあたったのは1855年頃です。当時は特に 看護婦さんの服装は決まってなかったんですけれども、彼女は清潔を第一に 看護の改革を始め、その中で”看護婦は必ず白いエプロンを着ける事”という決まりを 作ったんだそうなんです。

そして今のナースキャップと形がちょっと違うんですが、 白い帽子を自分の看護学校の生徒たちに義務付けたという言われているんです。 これが白いナースキャップのルーツという訳です。

そして現在では 看護婦を目指す人にとって、ある程度の学習期間を終えてこのナースキャップを頂ける 帯帽式というセレモニーが誇らしくて思い出に残る行事となっているんだそうです。

それからプロの帽子で特にユニークなのは、フランス料理のシェフが被っている あの背の高いコック帽。髪の毛が落ちて来ないようにしている帽子っていうのは 分かるんですけど、何であんな風に背の高いものでなければいけないのか?と、 非常に不思議なんです。

実はこれ18世紀に、天下の名シェフと呼ばれたアントン・カーレムという人物の 気まぐれから出発したものなんだそうです。

ある晩の事です。彼のレストランにシルクハットの王様のような背の高い白い山高帽を 被ったお客さまがやって来ます。それを見たアントンシェフが ”かっこいいなぁあの帽子”と、ひどく気に入ってしまいまして、それで早速次の日から 同じような白くて背の高い帽子を調理場で被るようになったんですね。

ちょっと変な人な感じもしますが、でも当時最高のシェフと評判だった、この アントンさんが始めた事です。この帽子がコックさんたちの間で瞬く間に流行し始めて それがコックさんのシンボルになったという嘘のような本当の話です。

気まぐれなおしゃれ好きのシェフのお話し、さすが?フランスですね。




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5日目はフォーマルな席での帽子
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北風の吹くこの季節、スキー場では特に帽子、重宝しますよね?ブ厚いセータもう一枚 着るよりも帽子被った方が暖かさ格別、頭って冷えるんです。

そんな訳で帽子にまつわるエピソードご紹介しているんですが今日は最終日です。 フォーマルな席での帽子の話をご紹介しましょう。 私がですね、イギリスあたりの上流階級のパーティに招待されるなんて事は この人生でほとんどないに等しいんですけれども、でもいざという時に慌てないように 基本的なマナーだけは知っておきましょう。

例えばフォーマルな席では室内でも女性は帽子を脱がないのがマナーだって聞いた事が あるんですけれども、これは正しいかどうか? 答えは”正解”です。 但しフォーマルな様相に合わせて、実は帽子を被るべきか被らないのがいいのか 細かいルールがあるんですね。

一番正式なフォーマル、イブニングドレスの場合は帽子がなし、 これが正式な約束事です。 そしてカクテル・パーティやアフタヌーン・パーティつまり長い裾を引きずるような ドレスではないフォーマルの場合は、帽子のおしゃれが許されています。

そう言えば皇室の方々も、晩餐会にはロングドレスで帽子なし、それから園遊会とか VIPを空港にお迎えする時などは華やかな帽子を合わせてらっしゃいますよね。 因みに昼間はプリム、つばのあるもの、それから夕方はプリムの無いもの、 つば無しの帽子というのが決まりです。 その範囲の中では室内でも女性は帽子を取らなくてもいい というルールが生きてくるという訳なんです。 なかなかフォーマルのパーティ出ようと思うと大変そうですね。

因みにそんなフォーマルでの物も含めて帽子を上手に被るコツ、これは全身が写る鏡で 全身のバランスをチェックしてコーディネイトする事なんですって。合わせる服装は もちろんなんですが、自分の頭というか顔の大きさと帽子の大きさをきっちり 見極めないと”帽子が歩いてるよ”なんて言われちゃう悲惨な事になりかねません。

だからプロのスタイリストさんに言わせると、本当はデパート等の帽子売場にも 全身が写る鏡を置くべきなんだそうですね。 首から上が素敵でも全身を見ると”何だか変”、そんな事がないように、でも あまり怖がらずに帽子のおしゃれ楽しんで下さい。

さぁ先ほど言いました、フォーマルな席での帽子のルール、ちょっと難しかったので ここでおさらいしましょう。

イブニングドレスを着ている時は帽子はナシ。そしてロングドレスではないような フォーマルドレスの場合は帽子ありでOK。このお約束事を守っていれば、室内での帽子は 被っていて大丈夫という事ですね。

これでいつ上流階級のパーティに招待されてもOKという事です(いつ来るのやら)。 パリやミラノの最新コレクションでも帽子を使うデザイナー多かったみたいですね。 服だけではちょっとあっさりし過ぎていて、調味料のための帽子、帽子ひとつで 強い女かわいい女演出できるそうです。

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