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本ページは1998年当時の平日朝に放送されていたJ-WAVEの番組『Singin' Clock』(大槻りこさん、倉島直子さんナビゲート)のコーナー【Today's File】の内容を、J-Wave好きの私個人がテキスト化したものです。
本ページの情報についてJ-WAVEは何ら責任を持つものではなく、掲載情報により被害を被った場合もJ-WAVEには一切責任がないことをご了承ください(私にも責任取れません)。また情報は放送当時のものであることをご了承ください。

本の夏

蚊取線香

蚊帳

じんべい

ござ

ラムネ



先週の終わりに今週はマイ・バーベQだよと予告していたんですが梅雨が明けました。 今この日本そして東京に夏が来ています。そこでテーマを変更させて頂きまして、 今週は日本の夏をテーマにお送りします。
夏本番、夏本番と言っても最近は季節感を感じる事も少なくなってきてるようですよね? いつの間にか猛暑がやって来て気が付くと涼しくなってる、 そんな風になんとなく夏を過ごしてませんか? でもそれじゃせっかくの夏の楽しさが半減してしまいます。 そこで日本の夏をテーマにお送りする今週のToday's File。 日本古来の夏の風物史をピックアップします。 思いっきり夏を感じて頂こうという企画です。
 
1日目は
第一日目の今日ピックアップするのは、そうあの渦巻き、蚊取線香です。 日本の夏には欠かせないあの蚊取線香の謎に迫ります。

キンチョーによりますと蚊取線香が誕生したのは今から何と102年前、明治18年の事 ですね。 アメリカから入って来ました除虫菊がキンチョーの創業者によって日本に普及しました。 当初は渦巻き式ではなくお線香のような棒状のものだったんですって。 でもそれでは数十分で燃え尽きてしまうのと 運送中に折れ易いという事から渦巻き式が生まれたんです。

蚊取線香の成分はと言いますと、蚊を殺虫するピレスロイドという有効成分、 その他 木の粉、こむぎ、トウモロコシの澱粉などが含まれているそうです。

ぐるぐるっと巻かれた渦巻きの方向、何で左巻なのかなって思う方も多いと思うんで すが、 地球の自転に合わせているという説もあるようなんですけれどもね、 それはまったく根拠のないお話しで キンチョーの製品は左巻なんですが、 他社の製品は右巻の製品出てますので決まりはないとの事です。

今から102年前に出来た一世紀以上もの歴史を持つこの蚊取線香。 その歴史の間には色んなタイプのものが開発されて来ました。 従来のタイプはおよそ7時間持続するんですが、 3時間持続する小巻タイプそれから色がグリーンではなくブラックで毛毬? の少ない微炎?タイプ。それから置いても吊り下げても使用出来るタイプと様々あり ます。 蚊だけではなく蠅にも効く蠅取線香も発売されているそうです。

そして最近では煙の少ない電気式の蚊取線香に押され気味かなって気もするんですけ れども、 実は蚊取線香の方が早く効くという事なんです。 先ほどお話ししました蚊取線香の有効成分ピレスロイドはおよそ250度になったとこ ろで揮発するんですが、電気式ではここまでの温度には達しないそうなんです。 そして煙が薬剤の拡散に役立つ為に、 蚊取線香は電気蚊取りよりも早くそして広範囲に効くという訳なんですね。 火が出るから危ない、それから煙が嫌という方もいらっしゃるかも知れませんが、 あの煙と火にはちゃんと訳があったんですね。

レトロな趣のパッケージ、あれもいいですよね? それからフタを開けたときに香ってくるあの香り。どこかノスタルジックな感じがし ます。 この夏は蚊取線香で日本の情緒に浸ってみてはいかがでしょうか?

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2日目は蚊帳
今日ピックアップするのは蚊帳です。懐かしい響きですね、蚊帳。

子供の頃蚊帳を使ってた方もいらっしゃるのではないでしょうか? 私は昔お婆ちゃんのうちで良く使ってました。 蚊帳の歴史は非常に古くて日本書記に記載されている程なんです。

元々は蚊帳と書いて”ぶんちょう”と読んだそうなんですが、 日本で使われ始めたのは応仁?天皇の時代、 中国から渡来した技術者によって紹介されたとの事です。 その頃の蚊帳は”すずし?”で出来ていて内蚊帳と外蚊帳の2種類があったそうなん です。 内蚊帳というのは上から吊り下げて寝床の周囲のみを覆うもの。 そして外蚊帳は室内全体を覆うものだそうです。

まぁでもかなりの上流階級の人たちしか使えなかったんでしょうかね? 庶民に浸透したのはもう少し先の事です。 室町時代になると庶民が利用できるようになりました。 竿を使って天井から吊るすスタイルです。 ですから毎日しまわずに昼間は竿に掛けてたくし上げていたんです。

蚊帳の取り外しにも縁起担ぎがあったそうなんですよ。 吊るすのは4月の吉日、取り外すのは8月の吉日で、 この日も陰陽師が選んでいたそうなんですね。

戦国時代に入ると麻を使った蚊帳が出始めて商品化も進みました。 それにつれて形も簡素化して竿の替わりに綱が使われるようになったんです。 私が知ってるのはこの綱を使っている形だったと思うんですが。 そして鮮やかなカラーの蚊帳も登場しました。 ところが蚊帳を生産する作業は非常に手間暇の掛かるもので、 女性がひとつの蚊帳を作り上げる事というのは 男性が一代で家を建てるのに匹敵するくらいの事だったんだそうです。

また綿や紙で出来た蚊帳も登場して一段と普及に拍車が掛かりました。 このように長い間、人間を蚊から守ってきた蚊帳なんですが、 1960年代を境に家庭から段々消えていってしまいました。 蚊取線香などが普及しまして手軽に蚊を退治できるようになってしまったし、 それから蚊帳を出したりしまったりというのが結構面倒なんですよね。 でもやっぱり蚊帳には何となく情緒があります。 素材が綿のものは冬に防寒にもなるそうなんで夏だけではなく一年中使えそうです。 お部屋の雰囲気作りにも一役買ってくれそうですね。

現在ではもちろん蚊帳作られてますよ。 東急ハンズなどのインテリアショップでも売ってます。 それから通信販売のカタログにもおしゃれな蚊帳が載ってたの発見しました。 興味のある方一度チェックしに見に行かれてはどうでしょうか?

今では蚊帳という言葉自体も使われなくなりましたよね? こうして歴史を紐解いてみるとちょっと寂しい気もします。 私自信蚊帳の中に入るのがとても好きでした。 何だか守られているっていうんでしょうかね?安心感があって良く眠れるんです。 今は使う事はないにしてもこういう伝統は語り継いでいきたいものです。

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3日目はじんべい
蚊取線香、蚊帳とご紹介してきましたが、今日お話しするのは”じんべい”。

女性の間では夏に浴衣を着るのがちょっとしたブームになっていますが、 じんべいは男性、なかなかブームとまではこれまでなっていませんよね。 お店で見掛けることも最近では少なくなりました。若い方たちはひょっとしたら じんべいという言葉も知らないかも知れませんよね?

それではまず”じんべい”の説明からいきましょう。
”じんべい”と言いますのは男性や子供が着る夏着。 両脇を紐で結んで着る一重地立ての着物の事です。

ふた昔前くらいまでは ”じんべい”を着て元気に遊んでる子供がまだいたそうなんですけれども、 元々”じんべい”は江戸時代に誕生したものなんですが、 紐で結べるために脱ぎ着が簡単だし帯がいらないのですごく涼しいですね。 つまり暑さをしのぐ為に昔の人が知恵を絞って考えたものなんです。 浴衣を着ると分かるんですが、帯のあたりってけっこう暑いじゃないですか? その点”じんべい”は風の通りもいいし、 ゆったり着られるのでリラックス出来そうです。

では何で”じんべい”という名前が付いたのかと言いますと、 武家が用いていた甚羽織に形が似ていた事から、 甚羽織が訛って”じんべい”になったという事なんですが、 一説では甚べえさんという人が作ったからそのまま”じんべい”と呼ぶようになった とも言われてるんです。

どっちが正しいんでしょうかね?未だに定かではないんですが、 関西の方では袖なしの羽織の事も”じんべい”と呼ぶそうなんで、 前者”甚羽織説”の方が有力かも知れませんね。

江戸時代から夏の涼しさを演出してきた”じんべい”、 今ではあんまり着る機会もないんですけれど、 例えば下町の居酒屋の粋なご主人が着ていたりすると格好いいですよね? それから、男性はじんべいで女性は浴衣姿、 日本酒を挿しつ挿されつ”おとととと”なんか言いながら、いいですよね? これ私の理想の夏の姿です。

男性の皆さま!一度でいいので是非着てみて下さい。 びっくりする程似合うはずですよ。 日本人はやはりこういうものにしっくりいくんですよね。



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4日目はござ
今日ご紹介するのは”ござ”です。 タタミの上で生活してきた日本人にとっては切り離せない存在ですね。

ご存知の通り”ござ”というのは井草で織った敷物の事。ムシロとも呼ばれてました。 現在ムシロと呼ばれているものはワラで出来たものの事なんですが、その昔は井草の他 竹、萱などで織ったものをムシロと言ったそうで、 ムシロやござを総称してタタミと言ったそうなんです。 枕草子にも”ござ”が登場するんですが、 その頃は高貴な方たちが座る所に敷かれていたそうなんです。

現在の”ござ”は縦に綿の糸、横に井草を使って織り上げられています。 質のいい”ござ”というのは厚みがあって織り方が密な物とされているそうです。 また通常”ござ”は無地のものが多いんですけれども 模様を折り込んだ花ござというのもあります。 タタミ表を再利用して”ござ”を作ることもあるそうなんです。

”ござ”の主な生産地は広島、岡山、福岡、大分など。 岡山県には何とござ織り歌というのがあるそうなんです。どんな歌なんでしょうかね? それ程地域に密着した産業という事なんでしょう。

そして”ござ”は座るためだけの物ではなく、田植えなどの時に着るもの それから帽子などにも形を変えて応用されていました。 色んなシーンで活躍してたんですね。

でも”ござ”は何と言っても通気性がいいというところが一番の特長です。 触った感触ヒンヤリとしてますよね?暑い季節にはとっても気持ちがいいんですよ。 フローリングで生活してる方、私を含めてずいぶん多いと思うんですが ”ござ”をちょっと取り入れると視覚効果も手伝って涼しく過ごせるかも知れません。

今ではおしゃれなものも出てます。 ”ござ”と言うよりもラグ?と言った方が似つかわしい商品、 それから井草で出来た座布団。枕そして私が現在使っているスリッパ。 これはね、履くとヒンヤリして気持ちがいいんですよ。 まぁ、などなどたくさん揃ってます。

”ござ”は大きいもので一畳大のものから四畳半、六畳、八畳のものまで様々です。 ラグ?風のものなら正方形のものもあります。 例えばフローリングの部屋でテーブルの下に井草のラグを敷くだけでも カラッと涼しい雰囲気になるんじゃないでしょうか? 子供の頃からずっとタタミで生活していた方は特に感触に触れるだけで何となくホッ とするんじゃないでしょうか?そしてあの匂いにも。

日本情緒と涼しさがいっぺんに手に入る”ござ”、 もう一度見直してみてはいかがでしょうか?




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5日目はラムネ
最後となります今日は”ラムネ”です。 独特のビンに入った、あのシュワァッ〜と爽やかなラムネのお話しです。

ラムネというのは 炭酸水に甘味料を加えてレモンなどの風味を付けた炭酸飲料の事ですね。 でもなぜラムネっていう名前なんだろう? って私ずっと疑問に思ってたんですが、 レモネードが訛ってラムネになったと言われているそうなんです。 意外と単純ですね。

ラムネが日本に入ってきたのは1853年のペリー来航の時という説と、 1860年に長崎にやって来たイギリス人が伝えたという説があるようなんです。

この頃欧米ではソーダ水が良く飲まれていて、 オランダ人が良く持ち込んでいた為にオランダ水とも呼ばれていた事もあったんです。 オランダ水は慰留地に住む外国人らに主に飲まれていました。 日本に入ってきたと言っても日本人が飲むようになるまでには結構 時間が掛かったんです。

日本人が飲み始めたのは明治時代の初期。
その当時のビンは先端が尖っていてまるでキュウリのような形だったために キュウリラムネなどとも呼ばれて大変人気を集めました。

キュウリのようなビンて一体どんなものなのか想像し難いんですけども、 今でもやはりラムネの特長と言いますとあのガラス玉の入ったビンですよね? あのビンは1843年にイギリス人によって考案されて、 日本では明治30年頃から使われるようになりました。 ガラス玉がガス圧によって上に持ち上げられて栓をするという仕組みになっています。 栓を開けるとポンッ!という音がする事からポン水と呼ばれた事もあるんです。 ポン水の方が馴染み深いという方もいると思いますが。 小気味いい音がして泡が吹き出すあの瞬間がたまんないんですよね?

明治時代の後半から昭和20年代に掛けて庶民の間で大流行したラムネなんですが、 その後コーラなどが普及した為にラムネの人気は次第に下降して行きました。 でもですね、ラムネには色んな逸話があるそうですよ。 コレラが流行した時の新聞に ガス入り飲料がコレラ予防に効くという記事が載った為に、 ラムネがコレラ除けの飲み物として生産が追い付かない程売れた という話が残っています。 でもその為に悪質業者が粗悪品を販売した為、 ラムネのイメージはダウンする事になってしまったんです。 ラムネの歴史は悲哀に満ちてるんですね。

現在でも縁日や観光地で良く見掛けるラムネ。
ガラス玉が入ってないビンもあるようなんですが、味は昔のままです。 まぁ味を楽しむだけではなくて、ラムネって手にしている時 ちょっとだけ昔の思い出が頭をよぎったりしませんか? どこかで飲む機会があったら是非是非 今日のお話しを思い出してゆっくり味わってみて下さいね。

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