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本ページは1998年当時の平日朝に放送されていたJ-WAVEの番組『Singin' Clock』(大槻りこさん、倉島直子さんナビゲート)のコーナー【Today's File】の内容を、J-Wave好きの私個人がテキスト化したものです。
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ペラ

オペラハウス

オペラの中の馴染みの音楽

オペラ歌手の伝説

???

ブラーボー!



今週は春から秋にかけて日本のエンターティメント界に新しい風を 運び込んでくれること間違いなしの総合芸術『オペラ』についてお送りします。 オペラと聞くだけでインプンカンプン、よく分かんな〜いと考えてしまう オペラバージンの方にも分かり易い説明と具体的な歌手や作品の話など、 興味津々な話題でお送りしますから、どうぞ金曜日まで欠かさずに聞いて下さい。
 
1日目はオペラハウス
初日の今日は、まずこれがなくちゃ始まらないオペラを上演するための器 『オペラハウス』についてです。まだかまだかとオープンが待たれるのが、 初台にこの秋オープンします日本初のオペラ専用劇場を持つ新国立劇場です。 既にお隣りのオペラシティ・タワーの方は昨年からオープンしてますから、 近くまでは行ったことがあるという方も多いかも知れません。

劇場のほう、どの位出来上がったのか事務局に問合せました。お話伺ったところ、 既に建物は完成、今オペラハウスの内装を進めているところだそうです。10月の オープンまで半年ほどありますから現時点では内部見学は出来なかったんですが、 その代わり日本初のオペラハウスたる、そのプランについてはしっかり調べました。

まず第一の疑問。オペラハウスって普通のコンサートホールとどこがどう違うんや? という疑問。オペラ用の劇場になくてはならないものを順番に申しますと、

その第一はオーケストラ・ピット。
オペラは歌い手の声だけでなく伴奏もすべて『生』。 そのために舞台にそってオーケストラ・ピットがあることが絶対条件です。

第二にオペラにはとっても広い舞台が必要です。
普通私たちがコンサートなんかで 目にする舞台ありますよね? あれを主な舞台とすると、それと同じ広さの舞台が 左右と奥に、さらに3面あることが必要なんです。ちょうどアルファベットのTの 字の様に主の舞台を真ん中にします。左右が袖舞台、奥が奥舞台という風に配置 されています。と言いますのもオペラにはお芝居の要素も含まれますから、その お芝居に必要な舞台装置、いわゆる大道具類を場面が変わる度に出したり 引っ込めたりしないといけないんです。で、この素早い舞台装置の交換のために 袖舞台が大活躍するという訳です。また奥舞台の方は舞台に遠近感を出したり シーンに変化を持たせたりと、見応えのある舞台造りに欠かせないものです。

因みにこのオペラ劇場のサイズなんですが、舞台全体の面積は2,195平方メートル。 畳の広さで計算すると約1,333畳分! さっっっぱり想像できませんが。 この広さ、客席より舞台の方が広いという贅沢な造りなんです。これなら大掛かりな 舞台装置や女性歌手のあのド派手な衣装も舞台の上でせせこましく感じることなく 迫力いっぱいに動き回れるという訳です。

でも舞台の方が客席よりも広いとなりますと、客席の居心地の方が 心配になりますよね? 客席の方もこのオペラ劇場にはこれまでの日本にはなかったスペシャルなことが あります。それは今までの劇場では客席の通路から通路までの横並びの一列の席は 連続12席までが限界だったんです。消防法の規制があったんですね。でもオペラの 場合、舞台と客席の一体感、空間全体の密度を高めるために、客席はつながって いるのが理想的。それをちゃんと実現したんです。消防法の問題は左右に非常口を 多目に設けるという条件で、特例で連続20席の客席がこちらでは実現しています。

そして最後に...私たち観客には分からないところなんですが、オペラ劇場の もっとも大切な部分、それがリハーサル室や道具類の収納スペースなど舞台裏の 充実度の問題なんです。
まぁ多くの人が係わってます。楽器、道具に加えて稽古の 時間まで多大な時間と物を必要とするのがオペラ。そのためには舞台裏のスペースが しっかり確保されている事が最重要課題でもあるんです。実はこれが今まで日本の 劇場で本格的なオペラが上演し辛かった最大のポイントでもあります。

例えば海外から有名なオペラの引越公演を呼んだとします。でもオペラは普通毎日 続けて上演しませんから、当然次の公演日まではそのホールはそれ以外のプログラム 例えばアーティストのコンサートやTV収録に使うことがあります。そのとき悲しいかな 専用の収納庫がないと、せっかく組み立てたド派手な舞台装置を一旦壊し、また 公演日の前の夜に徹夜で組み立てるという慌ただしいことが起こってしまうんですね。

ですからこの劇場が出来たことで、ようやく日本でもこうしたムダが解消され、 舞台に係わる裏方のスタッフもよりスムーズに仕事が出来る筈です。次の公演まで 大道具をそのまま保管する収納庫の他、もちろん稽古場も充実していまして、 オペラ劇場と同じ大きさのリハーサル室...贅沢ですね〜。またオーケストラ用、 合唱用のリハーサル室もそれぞれ確保されているという事です。
このオペラ劇場は何よりオペラの出演者たちに使い勝手のよい設計となって いるんです。

この他にも、もちろん色んな注目すべきポイントはあるんですが、とにかく 百聞は一見に如かず、これだけ長々言っても見てみないと分かりませんから、 10月のオープン以降はとにかく安い席でも一回はオペラを見に出掛けてみませんか? それまでまだ半年ありますから下見がてら、お隣りのオペラシティ・タワーに遊びに 行ってみるなんてのもいいかも知れません。

タワーの下の階と53、54階には展望レストラン街があって、既になかなかの賑わい だそうです。

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2日目はオペラの中の馴染みの音楽
今日は、聞いてみると”あっこの曲知ってるわ”というオペラの中のお馴染みの 音楽をご紹介しましょう。

よく知ってる曲で元はオペラのために作曲された曲、実はたくさんありまして、 知らず知らずに今まで聞き流していたなんて事も多いんですが、今日はその中でも Today's Futureらしく飲食にまつわるシーンからご紹介してみましょう。

まずオペラの中の飲食シーンと言えば、イタリアの大作曲者として知られます ベルディの書いたオペラ”椿姫”の第一幕に出てくる『乾杯の歌』。
※こういう時テキストだけだと物足りないですねぇ
パリの歌流会の花形ビオレッタが夜な夜な繰り広げる宴会で、快楽に乾杯!と歌う 歌です。

お次ぎもやはり乾杯の歌なんですが、オペラはオペラでもこちらは軽いタッチの オペレッタ”こうもり”の中の音楽です。 ”椿姫”といい”こうもり”といい、あぁ知ってる知ってると続いてませんか? そういう曲が。
この”こうもり”...題名を聞くとコメディのイメージからは程遠いんですが、 内容は仮面舞踏会に出掛けた浮気者の夫婦が騙し騙されという男女の恋の 駆け引きをテーマにした粋な物語です。

そしてこのパリ生まれの物語のおもしろさの虜になったのが、作曲の依頼を受けた ヨハン・シュトラウス二世でした。あのウィンナーワルツで知られる大作曲家です。 作曲を引受たシュトラウスはこの台本に夢中になり43日間家に閉じこもりっきりで 作曲に熱中したという逸話も残っており、その甲斐あってこの作品”こうもり”は ウィーンで大反響を呼びました。1874年の初演以来、2年間に200回も上演される という、ちょっとオペラの世界では考えられないヒット作となったほどです。
この中でクライマックスで歌われるのが、シバリエ殿の健康を祝してと題された 乾杯の歌。この”こうもり”の中でただ一曲だけを選ぶとすれば誰しも必ず 聴いたことのある序曲でしょうか?

ところでオペラでは劇の性格上テーブルについたまさに飲食のシーンというような シーンは少なくて、飲み食いと言えばこの”椿姫”や”こうもり”のように 乾杯のための音楽がほとんどです。
ただ直接的に飲んだり食べたりしなくても、 場面が居酒屋のシーンであることから印象的なのは、そうです黒いドレスが似合う 赤いドレスが似合う、なんと言ってもビゼーの”カルメン”。

それから飲食シーンではないものの食べ物にまつわる音楽としてあまりにも耳馴染み になってしまった、”カステラ一番、電話は二番、3時のおやつは〜”という あのCMソングです。この有名すぎるくらい有名なメロディ、実はオペレッタの巨匠 オッフェンバックが書いた”天国と地獄”の中のカンカン踊りのメロディでした。 運動会でもよくかかってますね?これ。
この曲が作られたのは19世紀後半のパリ。
このカンカン踊りのお陰で当時そのスタイルが確立されつつあったオペレッタは 爆発的人気となって市民に親しまれていったそうです。

如何がでしょう?ほとんどの曲、皆さんもう耳馴染みだったんじゃないでしょうか? こうやって聴いてみますと意外にオペラの音楽にも親しみが持てますよね? 初めてオペラを観にいくなら、こうした予め知っている曲、口ずさめる曲が入って いるプログラムを選ぶと、より親しみが沸くかも知れません。

さて明日は、歴史にその名を残すオペラ歌手たちの伝説や神話を取り上げますので お楽しみに。

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3日目はオペラ歌手の伝説

すみません。2週つづけての脱稿です。朝起きれない...



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4日目は????
すみません。2日つづけての脱稿です。どうしたんだろう...




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5日目はブラーボー!
昨日まででオペラ劇場のことオペラ歌手のことなど、かなりディープにご紹介 しましたから随分とオペラに親近感を持って頂けたんじゃないでしょうか? せっかく日本初のオペラ劇場も出来ることだし私も一度見に行ってみようかしら なんて思ってらっしゃる方がいれば嬉しいんです。
私ももうすっかりハマりまして昨日レンタルビデオ屋さんに行きまして、 『カストラート』のビデオを借りてずぅ〜っとハマってたんですけれども。

という訳で今日はオペラの総集編、ここを押さえれば怖いものなしのオペラ通に なる方法をみっちりお教えします。

まず根本的な問題としてオペラが分からないという思い込みについてなんですが、 クラシックだ総合芸術だと言っても結局はオペラも音楽を楽しむもの。 ポップスが分からないとか演歌が分からないという人がいないように、オペラも 分かる分からないという基準で考える必要はありません。

娯楽なんですから 早い話が好きか嫌いか、おもしろかったかおもしろくなかったか、これに尽きます。 ですから一度行って”退屈や。すぐ寝ちゃった” という経験のある人も、それはそれでOKです。
オペラに限らず、歌舞伎は好き だけどバレエは退屈とか、ミュージカルはおもしろいけどクラシックコンサートは 眠くなる、と言ったように好き嫌いおおいに結構なんです。 ただクラシック界の最高峰の歌手たちが豪華な衣装を身にまとい、絢爛豪華な 舞台装置の中で、生のオーケストラをバックに歌を歌いまくるのがオペラですから、 ちょっとでも興味があればお値打ち度は高く好きになる可能性は大と言えるでしょう。 まったく別世界がありますから。

入門編としては、一回見ただけで急いで判断せずに、歌手によって演目によって またオーケストラによって中味はがぜん違ってくることを予測した上で、せめて 数回は見て好きか嫌いか合うか合わないか判断しても遅くはないんじゃないでしょうか? よく、行った人が行ってない人に”いやぁ〜、おもしろくないと思うよ”と言うのを 真に受けるより、あなたが実際に行っての相性、あとその日のフィーリング というのもありますからね。

ところでオペラには行ってみたいけど、きちんと正装して行かなくちゃと思うと 気が重くてと気をもんでらっしゃる方。確かにそうです。長〜い袖くらいまである 手袋したりとか、ビラビラの扇子を持って行かなきゃいけないんじゃないか、 というのもありますが、もちろん欧米でオペラといいますと、映画『月の輝く夜に』 でしたっけ?にも出てきてました様に、紳士はタキシードに蝶ネクタイ、 女性はイブニングドレスといういでたちの方々が多いんですが、 これは必ずそうしなければいけないというものでもないんです。

日本で歌舞伎見物に出掛けるご婦人方をちょっと想像してみて下さい。 たまのお出掛けだから和服を着ていく方もいれば、月に一度の慣れた芝居見物 といった感じで軽い外出着ていどの装いの方も少なくないですよね? しかも日本でのオペラと言いますと、週末でもない限り職場から直行し 帰りは電車に乗って帰るパターンが多い訳ですから、昼間の生活とあまりにも 掛け離れた服装はむずかしいのが現実です。男性なら背広にネクタイ、女性なら スーツ姿などで充分じゃないでしょうか。

因みに本場イタリアはベローナの野外劇場などで屋外オペラを見るときは、皆さん 座布団や雨が降ったとき用の傘まで持参してラフな格好で出掛けるそうです。 見る場所、プログラムなどに合わせて着ていくものを選ぶようになれば、本当の オペラ通と言えるのかも知れません。

最後に(ここが決め手となるんじゃないですかね)、オペラへの称賛のことばです。 ブラーボー!ブラーボー! 
ちょっと入れ知恵しちゃいます。このブラーボーという言葉はイタリア語で ”見事。素晴らしい”などを意味する誉め言葉です。 ゴッドファーザーでもオペラを見たあとブラーボー!っと立ち上がって 皆な拍手してましたよね?  ロンバケでキムタクにブラーボー!と言っていた審査員もいました。

え〜、このブラーボー!は何型かと言いますと、実はイタリア語で男性型女性型 という風に性別によって言葉の語尾が変わってくるんです。 で、このブラーボー!は何型かと言いますと、男性型なんですね。
これが仮に女性の歌手を讚えるときは、ブラーバー! と語尾が『バ』に変化します。

じゃぁ主役の男性女性両方の歌手が素晴らしかったときは? と言いますと、 複数型がありまして、ブラービー!となるんです。ボとバとビ。これだけじゃ 分かんないですけど(笑)。 さすがに日本でここまで意識してる人は少数派ですが、本場ヨーロッパでは もうこれはごく当たり前のことだそうです。

そうなるとこのブラーボー!の一言で その日の出来不出来が分かってしまうというシビアなことが起こります。

例えば男性歌手の出来が最悪で、女性歌手つまりプリマドンナだけを誉めたい時は、 舞台に2人が並んでお辞儀をするとき立ち上がってわざと片方を指して、 ブラーバー!という声援が飛んだりするそうです。もちろんその逆もある訳で、 本場になると観客のレベルも上がって色んなことが起こるものです。その分 刺激されて演者たちもどんどん成長していくんだと思うんですが、皆さんもこの ブラーボー! ブラーバー! の声援を使い分けるようになったら、もう怖いものなしの オペラ通と言えるでしょう。

ブラーボー! は男性、ブラーバー! は女性、複数型はブラービー!

胸をはって恋人やお友達を誘ってエスコートしてみては如何がでしょうか?

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