最近入手したジャズCD
Blue condition/Bobby Caldwell
スタンダード曲をポピュラー歌手がJAZZッぽく歌ったもの。Street of Dream,
You Go To My Headなどの渋い曲が入っているので買ってしまったが、やっぱり
これはJAZZではない。リンダロンシュタットのスタンダード集を買った時と同じ
感じがする。編曲が軟弱なせいばかりとは言えないが。。採点☆☆★。
Frank Sinatra with Red Norvo Quintet Live in Australia,1959
シナトラがコンボをバックに歌ったライブ。同じ趣向でパリで録音されたものも
あったがこちらのほうが質が良さそう。得意の曲をズラリと並べているが、ライブ
特有の何が起こるか想像できない楽しみにはやや欠ける。採点☆☆☆★
Ahmad Jamal/I Remember Duke,Hoagy &Strayhorn
1950年代前半のギターを加えたトリオも60年代前半までのトリオもまさにサトル
という表現がピッタリだったのにこのトリオは何か普通のJAZZになってしまって
聞く前の期待は裏切られた気がする。もちろん普通のJAZZとしてはgoodなのだが。
採点☆☆☆
The Misty Miss Christy/June Christy
ジューンクリスティにはピートルゴロの編曲が良く合う。クリスティの高踏的な歌
にはルゴロの高踏的編曲が合う。クリスティでなければこの編曲では歌えないし
ルゴロでなければこの編曲は書けないだろう。抜き差しならぬ取り合わせ。
採点☆☆☆☆★
Doc Cheatham and Nicholas Payton
92才のチータムと23才のペイトンという2人のトランペッターの共演だが、評価は
難しい。チータムのトランペットは存在することに最大の意義のある化石のような
ものに違いない。これを褒めないことは世の情理を理解しない輩となってしまう。
困った。せめてDixieではなくSwing Formatでやってくれていれば。採点☆☆☆
Count Basie Meets Oscar Peterson
ベイシーとピーターソンの共演2作目(だと思う)。50年代にあまりソロをとらなかっ
た頃のベイシーはもっと、もっと音を節約していたし、50年代前半ピアノでブローして
いた頃のピーターソンはもっと音を沢山使っていた。1978年にはいずれの特徴も薄く
なってしまっている。ベイシーは1930年代前半に戻ってしまったしピーターソンも
1960年代後半からBill Evansの影響でこじんまりとなってしまった。残念。
採点☆☆☆★
Lee Wiley/At Carnegie Hall,1972 Premier Release
リーワイリーの1972年のニューポートジャズフェスティバルでの歌唱である。冒頭に
エディコンドン(g)が出て伴奏者の紹介をするが自分は演奏していない。ハケット(cor),
ウィルソン(p),ピッツアレリ(g),デュビビエ(b), ラモンド(ds)の伴奏陣も含めて生きている
のはラモンドくらいのものだろう。歌は意地悪バアさん風でもあり、不安定なところも
あるが、一流の伴奏陣のサポートでさまになっている。10曲は1952年のストーリーヴィル
でのリハーサル。これも貴重。採点☆☆☆★
Herman Chittison/P.S. with Love
1964年と1967年のピアノソロ。1930年代の録音を聞いても特徴的なところは感じられ
なかった2流ピアニストと思っていたが、全然認識を新たにした。全く独特のハーマン節
を聞かせてくれる。こんな重要なピアニストがさして評価されずに居たとは世界は広い。
採点☆☆☆☆★
Dizzy Gillespie and his United Nation Orchestra
1989年のライブであるがこのガレスピー楽団は特別仕様である。サイドにPaquito D'Rivera(as)
Slide Hampton(tb),James Moody(as,te,fl),Airto Moreira(perc.),Flora Prim(vo),
Steve Turre(b-tb,shells)などが揃ってガレスピー好みのラテンっぽい曲を演奏する。
こいつらが演るからさまになる。採点☆☆☆☆
Gene Krupa/Drum Boogie
グッドマン楽団から独立したクルーパはビッグバンドを率いたが、これは1940-41年に
コロンビアに吹き込んだ名演集。クルーパのドラムは30年代のグッドマン時代よりやや
おとなしくなった気がするが、バンドの演奏はエルドリッジ(tp)の活躍もあって上々。
アニタオデイが聞かれないのは寂しいが別のセットにまとまっているから仕方ない。その
ぶんアイリーンデイが聞かれる。採点☆☆☆☆
Ann,Man!/Ann Richards
ケントン楽団3代目のアンリチャーズは先輩クリスティ、コナーと比べると小粒の感じは
否めない。スタイル的にはスイング時代に戻ってしまった、又は普通のポピュラー歌手に
なってしまった感じすらある。クリスティの取っ付き難さもコナーの奔放さも失せてしま
い、その結果聴きやすくなった。採点☆☆☆
John Coltrane/Star Dust
1958年のコルトレーンは初リーダー作Coltraneの流れそのままのプレーをしている。
ストックフレーズの洪水でアドリブだけを聴いているとColtraneだかStar Dustだか
分からない状態になってしまう。でも優秀。採点☆☆☆☆★
May 5, 1997