「コンタクト」について



先日暇があったので、映画の「コンタクト」のビデオを見ました。 主人公の女性の科学者エリー・アロウェイ(ジョディ・フォスターが演じています)がヴェガからのデータ送信を電波望遠鏡で捕え、 そのデータに含まれていた設計データをもとに作った移動装置で恒星間の宇宙旅行に挑戦する話です。 途中、変な日本の部屋や風習が出てくるのが科学理想主義の主人公の考え方から見て異質なのでちょっと興ざめですが、 それでも自分のあるべき姿について考えさせられる映画でした。

映画の冒頭、主人公の小さかった頃無線であちこちと話をして遊んでいたところの場面は、 昔僕が小さかった頃にあちこちの宇宙の図鑑を眺めて片っ端から馬鹿みたいに(本当に馬鹿みたいにです)星を覚えたり、 親に買ってもらった望遠鏡(口径 5 cm の小さな屈折式のものですが・・・)で土星や月を見て遊んでいた自分を思い出して、 非常に懐かしく思いました。 自分が生きているうちに宇宙の他の星に行けるだろうか、とか宇宙人ってどんな感じなんだろうか、 などと考えたり、 他の太陽系にたどり着くには光速でも信じられないくらい時間がかかる事を知って悲しんでいたり、 随分いろいろと考えていました。 あの頃からもう20年以上経ちますが(年が分かる)、 それでも今でもはっきりとあの頃考えていた事を思い出すことができるんです。

映画の主人公のアロウェイ博士は、はっきり言って変人の部類に入ってしまうかもしれません。 世の中の普通の生活より宇宙からの送信をとらえることに熱中しているところは、そう言われても仕方ないでしょう。 でも、一時期宇宙に憧れていた人間として、ここまで純粋に自分の信念を貫ける主人公に感動すると共に、 自分は一体何をしてきたのか、何をしていくのか、そんなことを随分考えさせられました。 自分の本当の生き方がどうあるべきなのかの選択は誰でも難しいものですが、 一つ一つの生き方それぞれに得られるものと失うものがあると冷静に考えたとしても、 こうアロウェイ博士の生き方は決して悪い生き方じゃないと思いました。

それにしても今の生き方は・・・。うーん、あまりにも現実的な生き方で困ってしまう。



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