外国為替相場決定理論は、古典学説と現代理論の大きく二つに分類される。
古典学説には、国際貸借説と購買力平価説と為替心理説とがある。現代理論はまた、フロー・アプローチとストック・アプローチ(資本市場アプローチ)とに分類される。フロー・アプローチには、国際収支アプローチとツィアン・ゾーメン・モデルとマンデル・フレミング・モデルとがある。
国際収支アプローチとツィアン・ゾーメン・モデルは部分均衡モデルとよばれ、マンデル・フレミング・モデルは一般均衡モデルとよばれる。ストック・アプローチはさらに、マネタリー・アプローチとポートフォリオ・バランス・アプローチにわけられ、前者はマネタリスト・モデルとオーバーシューティング・モデルにわかれる。
マネタリー・アプローチは資産の代替性が完全であり、これは国内外の資産を区別しないことを意味する。ポートフォリオ・バランス・アプローチは資産の代替性が不完全であり、これは国内外の資産を区別することを意味する。
国際貸借説とは、輸出・対内投資が示す供給曲線と、輸入・対外投資が示す需要曲線で表される。購買力平価説の購買力平価(PPP)は 絶対的PPPと相対的PPPがあり、前者は、
後者は、
である。
為替心理説には、質的要因と量的要因がある。前者には特定商品に対する購買力、債務支払能力、通貨量の変化、財政政策、為替安定政策、期待などがあげられる。後者には経済収支、資本移動から生じる為替需要などがあげられる。