横河電機戦 観戦記

駒沢オリンピック公園総合運動場のメイン施設となる陸上競技場。
その名の通り、東京オリンピックでサッカーの決勝戦が行われた、由緒正しき競技場である。
中学、高校と毎年のように体育祭で利用していたので、懐かしさを覚える……はずだったんだけど。
おっかしいなぁ、確かフィールドもトラックも土だったよなぁ。リレーとか騎馬戦したはずだし。
最近改修したのかなぁ、それとも利用したのは第二球技場か補助競技場だったのかなぁ?

喪章
選手が左肩につけていた喪章は、先日亡くなられた阪倉コーチの母君様へ哀悼の意を表してのものです。

横河電機の布陣
GKは山岸。最終ラインは右からジョルジ川村、渡辺、五十嵐、依田。
中盤はボランチが高橋と八十、右に小泉、左に石本。前線はエジソンと新加入の登内。
申在範は本田技研ルミノッソ狭山時代に経験のある左サイドバックにコンバートされたが、今節は出場停止。
登内は東京学芸大学出身の23歳で、今節から登録された選手である。

10分
ディフェンスに跳ね返されたボールを、小泉がミドルレンジから右足のボレーで合わせるが、大きくふかす。

11分
左サイド深くからクロスが上がり、吉田が目測を誤って完全にかぶってしまう。
そのすぐ外から走り込んだエジソンがヘディングで合わせるが、わずかに届かない。

16分
自陣からのロングフィードを受けたエジソンが、自分の右側にあるボールを足で浮かせて左側に持ってきて、向きを変えて左足でシュートするが、飛び込んだ高田がかろうじて足でブロックする。

23分
右サイドからエジソンが中に戻して、登内が左足で強烈なシュートを放つ。
ボールは壁の横を抜けて、ゴール左隅をきっちり捕らえていたが、吉田が横に飛んでかろうじて外に弾く。
シュートコースが空いていて、狙ってくるのがわかりきっているのに、なぜ誰も寄せない。

26分
根子の左サイドからのアーリークロス。遠いサイドの藪田が左足で合わせるが、ゴールのはるか左。

33分
石本がトラップミスしたボールを奪い、ループシュートを狙うがゴールの右に外れる。

35分
自陣からの縦パスを登内がヒールで前に流して、エジソンが裏に抜け出す。
戻ったディフェンスをかわして吉田と1対1になるが、シュートをミスして押さえられる。
これはプレッシャーをかけられながら、いとも簡単そうにパスを出した登内が上手かった。
エジソンはシュートがダフったようにも見えたが、いくら本職のFWではないとはいえ……ね。

39分
スルーパスに、抜け出した小泉がディフェンスを置き去りにして完全に独走。
吉田と1対1になるが、ゴールエリアを飛び出した吉田がシュートをスライディングしてブロック。
小泉もシュートが若干遅れたかもしれないが、それ以上に吉田の判断が素早かった。
にしても、高田と真中はどこで何をしていたんだ、いったい。

44分
選手交代:中丸貴之→パベル
前半終了間際の交代が意味するところは、先週の横浜F・マリノスユース戦とほぼ同じだろう。

44分
中央で藪田がキープして、左サイドを上がってきた成太、いったん中央に戻してゴール前へ──
という流れるようなパス交換から、ペナルティエリア内で藪田と有馬が立て続けにシュートを放つが、いずれもディフェンスの体を張ったブロックに阻まれる。
前半で唯一、横浜FCがゴール前まで迫った場面だったが、横河電機のディフェンスは堅固だった。

前半の感想
つまんねぇ〜〜。

45分
選手交代:根子達也→重田征紀
先週の横浜F・マリノスユース戦では、前半終了間際にこの交代があった。
層が薄いからだろうが、根子のサイドバックは見られたものじゃない。
公文の代役はどう考えても高尾でしょう、普通。ケガでもしてるのかなぁ。

48分
左サイドから後藤が上げたクロスに、有馬が右足のジャンピングシュートを見せるが、これは大外し。

49分
小野の左CK。近いサイドで真中がバックヘッドで流し、藪田がヘディングで押し込んで待望の先制点。
困ったときのセットプレー、しかも馬鹿のひとつ……もとい、黄金パターンでの得点。
以前国士舘大学戦の観戦記で、真中を上げても役に立たないという意見を述べたことがあったが、それなりにアシストを記録している模様。まぁゴールを向いてのプレーではないからだろうけど。
なおTIFOSIは、バックスタンドホーム側最上段から豪快に雪崩れていた。
しかも何人かはわざわざ最前列まで……

59分
藪田がハンドっぽいプレーでボールを奪い、左サイドの後藤に展開する。
後藤がクロスを入れてパベルがヘッドで押し込もうとするが、山岸がきっちり止める。

59分
小野の右CK。高田が上体をひねりながらヘッドで合わせ、ゴール左に外れたボールに有馬が飛び込むが届かず。

64分
山岸のゴールキックがタッチラインを割ると見て取ったか、リティがテクニカルエリアに飛び出すが、結局ラインは割らずに苦笑しながら戻ってくる。

リティは前半から、ベンチ付近に来たボールをインサイドキックやヘディングで正確に返しており、その度にメインからは拍手が起こっていたのだが、今回ばかりは笑わせて頂きました。
でもおそらく、リティはボール蹴りたくてうずうずしているんだろうなぁ。
こんな停滞しきった試合は、自分の一蹴りで打開したいと思っているんだろうなぁ。
リティも阪倉コーチも選手登録すればいいのに。現在の走れていない選手たちよりは、いくらかマシかもよ。

73分
選手交代:小泉輝行→佐塚哲也
なんで中盤で一番効いていたコイちゃんを変えるかなぁ。

76分
選手交代:高橋勝徳→平井知之
高橋は負傷退場。

83分
平井が右サイドを縦に抜けて、角度のないところから利き足ではない右足でシュート。
吉田がなんとか止めて、高田がコーナーに逃げる。

85分
選手交代:有馬賢二→松田正俊
その頃有馬は、サイドネットの横で給水しながらパベルと密談中。
気づけよ、おい(あれが演技だったらそれはそれで大したものだが)。

86分
左コーナー付近からの小野のFK。
山岸とニアポストの間を強烈なキックで直接狙うが、山岸がパンチングで難を逃れる。
監督の指示通りの緩やかなボールばかり蹴ってないで、シュート力のあるところも見せておかないとね。

88分
選手交代:石本 慎→西脇久芳
出た、横河電機の木偶坊(でくのぼう)!
なにせ187cmの恵まれた体格を活かせず、センターバック失格で右サイドにまわされた奴ですから。
ロングフィードの際の目印(日本代表での高木琢也とおんなじ)として、前線に投入された。

後半の感想
前半よりはまし……かな。
横河電機の攻撃はすっかり鳴りをひそめてしまったが、横浜FCのペースというわけでもない。
TIFOSIから「シュート撃て、シュート撃て、よ・こ・は・ま」のコールがあったように、前半に引き続いてつまらない試合であったことは間違いない。

音響効果
駒沢陸上競技場は、とにかく音響効果が抜群にいい。応援の声が響く響く。
二十人を超える程度のTIFOSIや、わずか七人の横河電機サポーターの声も、はっきり聞くことができた。
ゴール裏の住人にとっては、理想的なスタジアムかもしれない。

渡辺一平
肌は真っ黒に日焼けして、髪の毛は金髪に染め上げて、スタンドで見かけた彼はまさにライオン丸。
スーパーサイヤ人(真中幹夫)と組ませてみよっか。

横河電機 評
JFL開幕前から言い続けていることだけど、いいストライカーさえいればなぁ。
こんな最悪の出来の横浜FCなんかに、零封されることもないんだろうけど。
登内将志がまずまず使えそうなことが確認できたのが、せめてもの収穫か。
ただなぁ、関東大学リーグ2部(今年は昇格して1部)出身ってのは、いまいち信用が置けなくて。
いや、べつに有馬のことでは……

次節
天王山の本田技研戦で、真中幹夫と高木成太が出場停止ですか。
レギュラーですら心許ないというのに、ただでさえ層の薄いセンターラインが……
やはりボランチに高田をまわして、センターバックに稲垣かなぁ。負傷者が出たらどうすべ。

苦言(サポーターたちへ)
試合終了後にASAをはじめとして、ゴール裏では右へ左へ恒例のサンバを踊っていたようだが、あんな試合展開で踊れる神経が私には理解できない。
ふがいないプレーをした選手には、もっと容赦なくブーイングをしたり野次を飛ばしたりしようよ。
なんか選手たちを甘やかしているような気がしてならないんだけど。

苦言(選手たちへ)
まったくもって、酷い試合を観させられたものだ。
唯一の救いは、横浜FCのホームゲームではなかったということ。
横浜FCの試合の三分の一(当日券であれば半額)の値段でなければ、「金返せ」と叫んでいたかもね。
天皇杯の出場権を獲得して、JFL正会員の資格もほぼ手中に収めて、安心しきっているんじゃない?
あなたたちは、Jリーグのチームと契約してもらえなかった、いわば一度烙印を押された選手なんだよ。
大好きなサッカーで飯が食えるだけでもありがたいと思わなきゃ。横浜FCとファンに感謝しなきゃ。
Jリーグの第一線で活躍する選手たちと比較して、下手なのは当たり前なんだから、何かで補わなきゃ。
一見さんがまたスタジアムに足を運びたいなと思うような、魅力ある試合をしようよ。
企業の後ろ盾のない横浜FCにとって、観客数の減少はあなたたちの生活に直結するんだよ。

努力とか根性とか、体育会系(もちろんサッカー部も含めて)のアナクロな思想は大嫌いなんだが、現在の横浜FCの選手たちからは、開幕当初に見られた覇気とかがむしゃらさがまったく感じられない。
#ちなみに私の体育会系嫌いは筋金入りで、あの独特の上下関係が嫌だというだけの理由で、
#中学、高校と学校の部活には属さず、ずっとクラブチーム暮らしでした。サッカーぢゃないけど。
#ひとりひとりは本当にいい奴なんだけどね、集団になると……

誰とは言わないけど、横浜FCで活躍してJ1の舞台に返り咲くんじゃなかったの?
あんなプレーをしていて、Jリーグのスカウト連中の目に留まるとでも思ってるの?
若くて生きがよくて技術のしっかりした学生なんて、くさるほどいるんだよ。
分不相応な要求をする前に、まず自分を一度見つめ直してみてよ。

選手個々の評価
GK吉田明博  6.5 ………横河電機の決定機を三度防ぎ、横浜FCを辛勝に導いた立役者。
DF幸田将和  5 ………パスミスが多く、攻撃時のフォローが見られない──って、先週と同じか。
DF高田昌明  5.5 ………攻守の局面局面で顔を出してはいたが、スピード不足で裏を取られ過ぎ。
DF真中幹夫  5 ………アシストを記録したものの、本職の守備ではあまりに裏を取られ過ぎる。
DF根子達也  4 ………だから彼はサイドバック向きの選手ではないんだってばさ。
MF高木成太  4.5 ………とにかく大きすぎるトラップをどうにかしなさい。プロとして恥ずかしい。
MF小野信義  5 ………相変わらずプレスキックは正確だが、それ以外に見せ場がないのはちょっと。
MF後藤義一  4.5 ………こういう試合こそキャプテンが活を入れないと。それどころじゃないか……
MF中丸貴之  4 ………だから彼は途中交代でしか真価を発揮しない選手なんだってばさぁ。
FW有馬賢二  4.5 ………一時期の救世主のような活躍はどこへやら。完全に足が止まっている。
FW藪田光教  5 ………あぁ、そういえば得点したんだっけか。囲まれてからが強いんだよなぁ。

FWパベル   5.5 ………いつも通り守備で活躍。得点には結びつかなかったが、攻撃の起点となる。
DF重田征紀  5 ………根子よりはマシだけど、やはり左サイドは君のいるべき場所じゃないよ。
FW松田正俊  ---

監督
リトバルスキー 5 ………選手交代でどうにかなるような試合ではなかった。プレスキック蹴ってよ。

横河電機
前半横浜FC
後半
会場:駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場/観衆:1556人
得点:0-1 藪田光教(49分、アシスト=小野信義、真中幹夫)

横河電機横浜FC
GK山岸範之GK吉田明博
DF川村大輔DF幸田将和
DF渡辺英寛DF高田昌明
DF五十嵐和也DF真中幹夫
DF依田博樹DF根子達也
MF小泉輝行DF45重田征紀
DF73佐塚哲也MF高木成太
MF高橋勝徳MF小野信義
FW76平井知之MF後藤義一
MF八十祐治MF中丸貴之
MF石本 慎FW42パベル
DF88西脇久芳FW有馬賢二
FWエジソンFW85松田正俊
FW登内将志FW藪田光教
SUB岡本賢一SUB大石尚哉
SUB松下 豊SUB稲垣博行

注釈:時間は手元の時計で計っていますので、1分程度の誤差はあります。

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