海老名駅から相鉄バスで競技場入り……するはずが、肝心のバスが来ない。
間引きでもしたのか、時刻表に書かれているバスは姿を見せず、三十分以上も足留めを食ってしまった。
綾瀬市民スポーツセンターは周囲を緑に囲まれており、風に乗った養豚場（牧場）独特の臭いが鼻につく。
スポーツセンターの名の通り、体育館、テニスコート、ゲートボール場などが併設されている。

体育館と陸上競技場に挟まれたアスファルトの道に、出店が並んでいる様はどう見ても運動会。
入場門と見紛うアーチや、町内会の備品であろうテントも設置されていたしね。
ところでビールが販売されていなかったのは、やはり市の施設だからであろうか。

陸上競技用のトラックは校庭のような“砂”で、メインゴール裏だけがサポーターに開放されている。
オフィシャルサイトでは、メインスタンドホーム側での観戦が呼びかけられていたが……
そうか、やはり踊りたいか君たち。

見上 綾瀬市長挨拶
奥寺ＧＭを従えての登場、メインに向かっての挨拶、そしてＰＫセレモニーという流れはいつも通り。
市長は上下ジャージでやる気満々。この日のために、陰ながら練習していたそうだ。
毎回ユニフォームには奥寺ＧＭとリティがサインしているが、選手よりも知名度が高いというのもねぇ。
ＧＫは例によって芸人・中村。枠を外れたシュートを見事にゴールに放り込みましたとさ。
＃なんだなんだ、競技場に姿を見せていないのは横浜市長だけかぁ？

横浜ＦＣの布陣
前節と比較して中盤の左に小野が入った以外は変更なし。

ソニー仙台の布陣
ＧＫに千葉恵二。最終ラインは中央に嵯峨、右に明間、左に武川。ウイングバックは右に荒川、左に建部。
ボランチが阿部裕二と佐藤、見田と高野が中盤に位置し、田端が最前線にひとり残る。

５分
左サイドから藪田がスローインを入れて、公文がゴール前にクロスを上げる。
有馬がディフェンスと競り合いながらヘディングで押し込み、横浜ＦＣが先制する。
開幕したころは当然のようだった、早い時間帯での先制点。
かすみ目が気になって、目薬さしている間に得点されてしまった。ちっ、ぬかったわ。

９分
重田がディフェンスをかわそうとして、ディフェンスに接触して（文字通り）潰される。
「足ひねってるからわかんない」という声がメインまで届き、結果的に×印が出される。

11分
選手交代：重田征紀→高尾啓治
タッチラインで待つ高尾の横には、ボードを持って出てくるはずの予備審判の姿はなく、仕方ないので主審が自ら判断して高尾をピッチに招き入れた。

12分
有馬が左サイドを突破して、ディフェンスに体を寄せられながらゴールラインに沿って中へ切れ込む。
苦しい体勢からシュートを放つが、千葉恵二がしっかりボールを押さえ込む。

29分
藪田がペナルティエリア内で、武川に体を寄せられながらシュートを放つが、大きくバーを越える。

32分
パベルが左サイドに流し、有馬のミドルシュートは当たり損ないになって千葉恵二が押さえる。
有馬の前方にはスペースが広がっていたので、もう数歩持ち込んでからシュートした方がよかったと思う。

34分
ソニー仙台のＦＫ。壁になっていたパベルが飛び込んで、スライディングでブロックする。
メインからは歓声が上がったが、ルールでは…………ん!?
ボールを蹴る前に距離を詰めていたので、もちろんＦＫはやり直しになってしかるべきだし、 最悪イエローを出されても仕方のないプレーだったのだが、まぁＪＦＬだからいいか。

42分
選手交代：高野和隆→花坂 徹
高橋は負傷交代。代わって入った花坂は、左サイドバックが本職の選手。

44分
有馬が自陣右サイドで強引にディフェンスを突破し、そのままサイドを独走。
クロスはディフェンスにクリアされたが、その跳ね返りを藪田が狙い澄ましてミドルシュート。
ゴール左隅を狙った強烈なシュートは、千葉恵二に弾かれてゴールラインを割る。

ロスタイム
見田の右ＣＫ。カーブをかけて直接狙ったボールは、大石の手をかすめてクロスバーを直撃する。
飛び出そうと動いた大石は完全にかぶってしまい、かろうじて手に当てることができた。
これがソニー仙台が放った前半唯一のシュートである。

前半の感想
セットプレーでも全員が自陣に引いて守るなど、とにかくソニー仙台が攻めてこない。
ある程度は予想していたが、前半は守備に徹して後半勝負というつもりらしい。
ほんの申し訳程度にあるカウンターも、高田と真中がかなり引いて守って封じ込めている。
一方攻撃はといえば、左右のサイドからクロスは頻繁に上がるのだが、高さのあるディフェンスにことごとく跳ね返され、前回対戦したときの教訓が活かされていない。
先制点を許したとはいえ、ソニー仙台の思惑通りに進んでいるという見方もできるかもしれない。

本日のＴＩＦＯＳＩ
すでに恒例となりつつある「ＴＩＦＯＳＩをさがせ！」
今回はかなり難易度が高いかと思われたが、バックのテニスコート前に横断幕を持って登場。
そこからはすぐに追い出されたものの、今度はアウェイゴール裏の白い柵のさらに外側に移動。
そこってもしかして敷地外じゃ……でもチケットは持っているから無料観戦(ただみ)じゃないし……なんてことを考えていると、そこに宮崎常務出現。
前半にいろいろと遣り合っていたようだが、結局は居座ったＴＩＦＯＳＩの勝ち……かなかな？
そうそう、珍しく前半から声が出ていました。

46分
見田の左ＣＫ。走り込んだ明間がダイビングヘッドを見せるが、ボールは大きくクロスバーを越える。
大石はバックパスの処理を誤ってＣＫを与えるわ、ディフェンスはマークがずれているわで、集中力の欠落は明らか。明間の飛び込むタイミングは合っていたので、かなり危険な場面だった。

52分
ゴール前の混戦のこぼれ球を、小野がミドルレンジから左足でボレーシュートするも、千葉恵二が弾く。

60分
藪田がハーフウェーライン付近でボールを奪い、千葉恵二の位置を見て超ロングシュートを放つ。
千葉恵二の頭上を大きく越えるが、わずかに枠を外れる。
ボールがゴールに近づくにつれてどよめきが大きくなり、そして大きな溜息に変わった。
これが入っていたら、ヒーローの座は君のものだったんだけどね。また狙ってみて下さい（笑）
思わずわが目を疑ったが、次の瞬間には千葉恵二の位置を確認しているあたりは……なんだかなぁ。

60分 選手交代：高尾啓治→増田功作

62分
花坂が左サイドから持ち込んで、増田に体を寄せられながらシュートするが、大きく右に外れる。

64分
有馬が中央を抜け出して、嵯峨に体を寄せられながら左足で狙うが、クロスバーを越える。
前述のプレーでは、花坂が増田に完全に体重を預けられて体勢を崩していたたのに対して、有馬は逆に嵯峨に体重を預けるようにして、体勢を保ちながらシュートまで持って行った。
まぁふたりとも体重が軽かったということもあるだろうが（花坂が60kg、嵯峨が64kg）。

66分 選手交代：阿部裕二→石川雅人

76分
右サイドからクロスが上がり、遠いサイドの見田が落として田端がシュートするが、キックミスになる。

77分
前線でボールをキープして、左から追い越す動きを見せた小野にちょこんとボールが出る。
小野が軽く浮かせて千葉恵二の頭上を狙うが、わずかにクロスバーを越える。

80分
横浜ＦＣのＣＫからのカウンター。ソニー仙台の選手にクリアボールが渡った時、前方の広大なスペースにはディフェンスがわずかにふたり残っているだけ。
パベルがいちはやく危機を察知して、全速力で戻って左サイドから上がる建部をケア。
ボールが右サイドに流れる時間を利用して、横浜ＦＣの選手が戻ってゴール前を固める。
右サイドから遠いサイドに上がったクロスにディフェンスが振られ、佐藤英二がヘッドで折り返す。
がら空きになったゴール前から建部が合わせるが、大きくふかしてしまう。
パベルが大きなストライドで、普段のプレーからは想像もつかないスピードで戻ったため、ソニー仙台はボールを右サイドに展開せざるをえず、横浜ＦＣの選手に戻る時間を与えてしまった。
ところが「よし、人数は足りた」と思った直後に、信じられない光景を目にすることになる。
ディフェンスの三人が三人とも、そして大石までもがクロスボールに反応してしまったのだ。
もちろんゴール前はがら空きになり、ソニー仙台にこの試合最大の決定機を与えてしてしまうことになる。
トラップしても充分間に合ったにもかかわらず、シュートを焦った建部にひたすら感謝。
建部くん頭抱えてたけどねぇ……あれは外しちゃいかんでしょう、いくらなんでも。

81分
選手交代：高木成太→後藤義一
選手交代：嵯峨克修→本木利光

84分
幸田と増田で右サイドを崩し、幸田がゴール前にアーリークロスを上げる。
ヘディングの競り合いでこぼれたボールに、すっと入ってきた小野が右足一閃。
わずかにクロスバーを越える。

85分
後藤がワンツーで左サイドを抜け出し、クロスを入れるが武川がゴールラインに逃げる。
最近よく見かける、クリアなんだけどスタンドからは一瞬OWN GOALかと錯覚してしまうというもの。
そんなことないんだろうけど、中には一年に一度、これが恒例行事と化している選手もいたりするので。
──って、二週続けて同じネタを使ってしまった。

86分
小野の右ＣＫ。混戦からこぼれたところを、ペナルティエリアのすぐ外から藪田がオーバーヘッド。
低いボールがゴール左隅にきっちりコントロールされていたが、千葉恵二が横に飛んでファインセーブ。
なんだろう……藪田（の大技）に怖いくらいキレがある……でもゴールを割らないのはらしいかも。
冗談はさて置き、この場面は掛値なしに押さえた千葉恵二が素晴らしすぎた。

後半の感想
横浜ＦＣ陣内にソニー仙台の選手がふたり、三人。明らかに攻撃にかける人数が増えている。
前半同様、主導権を握っているのは横浜ＦＣなのだが、カウンターで崩される場面も目立つ。
ミドルレンジから小野や藪田がゴールを狙うが、わずかに枠の外だったり、千葉恵二に阻まれたり。
無失点に抑えたとはいえ、それはあくまでシュートが枠を大きく外れていたからにすぎない。
内容的には悪くはなかったが、延長に持ち込まれていてもおかしくない展開だった。

SKY PerfecTV! インタビュー 〜高田昌明編〜
「このような試合を今後も続けていきたいと思いますので──」
だから続けなくていいってばさ（苦笑）　先週の重田と言ってることが変わらんぞ。

増田功作
横河電機戦の観戦記で、右サイドの組合せで一番問題があると指摘した幸田との組合せ。
攻勢ということもあって、幸田が比較的上がり目に位置してスペースを消していて、増田自身も途中出場で体力が有り余っていたためか、積極的に最終ラインのカバーに戻っていた。
ひとつ感心したのが、オフサイドラインを横目で確認しながら、ボールを持った選手の方を向いて、裏へ抜け出すタイミングをしっかり計っていたこと。
よくオフサイドポジションに取り残される、藪田や橋本にはぜひとも見習ってほしいものだ。

４級審判（怒）
後半手前のタッチラインを担当した副審！　いちいち主審にどっちのボールか聞いているんじゃねぇ！
自分で判断できないようなら、ＪＦＬで旗なんか持つな！　講習会からやり直して来い！
──以上。わかったか、伊藤力喜雄。
ふたりいる副審のうち、先に記されている方がベンチから近いサイドを担当する「副審１」のはず。
岡野宇広の方だったらごめんなさい。現在確認を取ってます……って、答えてくれるかなぁ横浜ＦＣ。

暑い……
オフィシャルサイトに「相当の暑さと陽射しが予想される」と書いてあったので、ある程度は覚悟していたとはいえ、雲が切れた後半などは、照り付ける陽射しで肌が痛いほど。
日焼け止めを塗っていなかったらと思うと……（それでも腕や鼻頭などの皮はぼろぼろ）
試合記録に記された気温は35.0℃。うだるような暑さという表現がぴったりの試合だった。
そういうわけで、記憶が錯乱しててもご容赦くださいませませ。
＃真夏の日中に試合なんてやるもんじゃないんだが、ナイター設備の使用には料金がかかるしなぁ。

ソニー仙台 評
前回対戦したときの印象そのまま。堅守拙攻、大魔神・千葉恵二、カウンターで勝負も決定力不足。
で、結果は前回と同じ最少得点差での敗戦。そうやって上位チームに勝ってきたのはわかるんだが。

今回もサポーターは、スタンド最上段に等間隔にチームフラッグを掲げての応援。
一定のリズムで叩かれている太鼓が、木魚とお経のようでちょっと怖かったです。

選手個々の評価
ＧＫ大石尚哉　　5　………無失点とはいえ守備機会は少なく、全体的に安定感を欠いていた。
ＤＦ幸田将和　　6　………パスカットに冴えを見せていたが、カウンターには弱いようで。
ＤＦ高田昌明　　6　………前半は安定していたが、攻め手の人数が増えるとやはり弱いらしい。
ＤＦ真中幹夫　　6　………前半は安定していたが、攻め手の人数が増えるとやはり弱いらしい。
ＤＦ公文裕明　 6.5 ………ボールを奪ってからの攻め上がりに鋭さが増してきている。
ＭＦ高木成太　　5　………暑さのためか、ボールが経由していく記憶しかないんだ。すまん。
ＭＦ重田征紀　 ---
ＭＦ小野信義　 6.5 ………こぼれ球を狙ったり、２列目からスペースへ飛び出す動きに鋭さがあった。
ＭＦパベル　　 5.5 ………安易に後ろに戻さない姿勢は評価できるが、守備でしか目立たないのはなぜ。
ＦＷ有馬賢二　 6.5 ………貴重な先制点を上げる。終盤にやや消えていたのだけが課題。
ＦＷ藪田光教　 6.5 ………どうしたの、というくらいシュートの質が高かった。あとはゴールだけ。

ＭＦ高尾啓治　　6　………右サイドからクロスを上げるのだが、精度が低いのか、息が合わないのか。
ＭＦ増田功作　 6.5 ………別項参照。
ＭＦ後藤義一　 ---

監督
リトバルスキー 6.5 ………なんで重田→高尾→増田なんだろう。結果的には正解だったと思うけど。