J1ベルマーレ平塚のホームスタジアム、平塚競技場。
ベルマーレ5000人の会も呼びかけていた、5月29日のベルマーレ平塚−柏レイソル戦を観戦して以来になる。
ちなみに、試合は日曜日と信じきっていたため、前日に電話をもらうまでまったく気がつかなかった。
電話をくれた、友人のはやみずくんに感謝。
開放されたのはメインとホーム側ゴール裏のみのため、横河電機サポーターはメインの端に陣取る。
ただでさえピッチの遠い陸上競技場。しかもアップに使われるのか、外周にもトラックがあって、とても遠い。
「横浜FC浴衣まつり」も企画されたが、あいにくの空模様のためか、浴衣姿の女性はあまり多くはなかった。
平塚の七夕まつりを来週に控え、競技場には願い事を託す短冊と、それを飾るための笹が用意されていた。
「横浜FCがJ2に上がって、横浜ダービーができますように」
あくまでジョークなので、本気で怒らないやうに。アツやしゃちょうの不幸を、誰が願うものですか。
前座試合
ソシオキッズU-12選抜−平塚少年選抜の試合は、ソシオキッズの人数が揃わなかったために中止。
代わって平塚少年選抜同士の試合が行われた。
雨足が強かったのでじっくり見ていたわけではないが、青いユニフォームの方がいい動きをしていた。
セレモニー
ベルマーレサポーターと横浜FCサポーターが一緒に登場し、横浜FCゴール裏の前で挨拶する。
マイクの調子が悪く、拡声器も差し出されていたが、結局メインからは何を言っているのかわからなかった。
ひとつだけわかったのは、その集団の中に949の店長の姿があったということ。
両チームの布陣
横河電機は1st Stageに対戦したときと比べて、FWが藤掛に代わって平井になっただけ。
横浜FCについては、もはや説明の必要もないだろう。
KICK OFF〜10分過ぎ
攻撃がまったく組み立てられず、最終ラインから大石へのバックパスが相次ぐ。
危ない場面こそなかったものの、バックパスを狙われるというのはあまり気持ちのいいものではない。
横河電機の動き出しが早いため、最終ラインも高木もパスの出し所がなく、しかもパスミスも多い。
21分
藪田が右サイドから中に切れ込んで、左足でミドルシュートを放つが、ゴール左に外れる。
ペナルティエリアのすぐ外で、川村が真中からボールを奪って右サイドに流れる。
ゴール前にクロスを上げて、平井が重田と競りながらもダイビングヘッド。
ボールは重田の頭に当たって山なりの軌道を描き、横に飛んだ大石を越えてゴールに吸い込まれる。
真中も不用意だったが、奪ってからの川村の動きが素早かった。
平井がゴール前に走り込んだとき、反応できていたのは重田ひとりだった。
30分
川村が、右サイドからアーリークロスを上げる。
ボールは混戦のゴール前を越えて、遠いサイドでひとり余っていた申在範の頭上へ。
申在範がヘディングで合わせるが、わずかに左へ外れる。
選手交代:幸田将和→増田功作
増田が中盤の右サイドに入り、重田が右サイドバックに下がる。久々に、開幕当初の布陣に戻った。
重田と増田の組み合わせは、重田が増田を追い越す動きを見せるので、期待が持てる。
幸田はあくまで最終ラインの一員としての動きしかしないので、上がってもすぐに戻ってきてしまう。
重田と組ませれば、重田が豊富な運動量でカバーして、幸田が攻撃に絡む場面も見られるのだが。
一番問題があるのが、幸田と増田の組み合わせ。攻勢であれば、増田が前線に張っていても問題はないが、
34分
左サイドから後藤が縦にスルーパスを出し、有馬がそのまま突破してゴール前に折り返す。
藪田がトラップして、切り返してディフェンスをひとりかわし、落ち着いて左足でゴール左隅に沈める。
藪田はゴールを決めた後、走って戻りながらユニフォームを脱ぎ出す。
下にもちゃんとユニフォームを着ていたが(そうでなければ警告を受ける)、その背番号は18番。
小野のユニフォームである。本人曰く、最近調子を落としている小野に頑張ってほしくて借りたとか。
それでも、主審からは注意を受けていた様子。あ、切り返しはうまかったよ(取ってつけたように)。
37分
右サイドで、増田がディフェンスを背負いながら高木にパスを出す。
高木が低いアーリークロスを入れ、有馬が近いサイドに走り込むが、寸前でゴールラインにクリアされる。
左サイドから申在範がスローインを入れ、八十がダイレクトで左足のクロスを上げる。
エジソンが合わせるが、ゴールの左に外れる。
横河電機に支配されていたというより、自分たちのサッカーが出来ていなかったというべきか。
序盤は大石と最終ラインの間をボールが行ったり来たりして、高木の位置も当然のように低くなっていった。
そのため、ボールを散らす選手が不在になり、中盤から前線にボールがスムーズに渡らなかった。
攻撃がかたちになりだしたのは、前半も半ばになってからだった。
本日のプレスキッカー
左サイドからは公文、右サイドからは重田。重田がポジションを下げてからは、増田が左足で蹴る。
46分
横浜FCが最終ラインの裏を取られ、増田が戻りながら懸命にタッチラインにクリアしようとする。
そのボールが左サイドの申在範に渡り、フリーで強烈なミドルシュートを放つ。
大石がシュートコースに立ちふさがり、パンチングでコーナーに逃れる。
申在範のシュートを防いだのは、大石のポジショニングがよかったからだが、問題はそこに到るまで。
横河電機の選手の上がりが早く、増田も横に蹴り出すのがやっと。
自陣ゴール前で、こうも簡単に数的不利な状況を許すというのは、ちょっと頂けない。
47分
藪田が左サイドからアーリークロスを入れ、近いサイドに走り込んだ有馬が足で合わせるが、
ゴール正面からのFK。パベルが右足で直接狙うが、クロスバーを直撃する。
選手交代:八十祐治→野杁生麿
"のいり・いくま"と読むそうな。ユーティリティプレイヤーの新人とのこと。
57分
選手交代:エジソン→山口高志
サイン会(試合終了後に横河電機のショップで行われる)のための交代とか?
58分
石本が山口とのワンツーで右サイドを完全に崩し、ゴール前に低く速いセンタリングを入れる。
ゴール正面で平井がスルーし、左サイドから走り込んだ申在範がフリーでシュートするが、バーの上を越える。
一連の流れがあまりに鮮やかすぎて、横浜FCの選手がどこに顔を出していたかも覚えていない。
申在範も、攻撃の選手だったらあれは決めないと……
65分
選手交代:パベル→小野信義
右サイドで石本がパスを出して、山口がドリブルで縦に突破。
ゴール前に低いクロスを入れるが、走り込んだ平井はわずかに届かず。
高木が右足でロングシュートを放つが、クロスバー右上の角に当たって弾かれる。
藪田がドリブルで持ち込むものの、有馬はオフサイドポジションから戻りきれていない。
薮田は最終ラインの裏にボールを出し、そのままディフェンスの間をすり抜ける。
ストライドの大きなドリブルでゴールに迫るが、ボールに勢いがつきすぎてしまい、
自分で出したボールを自分で拾えば、それはドリブルと見なされて、オフサイドにはならない。
82分
選手交代:重田征紀→稲垣博行
再三痛む場面が見られた重田だが、タッチラインの外に出ていたところでドクターから×印が出される。
もっとも、競技場を後にする様子を見た限りは、それほど症状は重くないと思われる。
真中が右サイドバックにまわり、稲垣がセンターバックに入る。
83分
小野が右サイドから持ち込んで、ディフェンスの後方にちょんとボールを出して、外側からまわりこむ。
ディフェンスをかわして中を向き、遠いサイドめがけてクロスを上げる。
藪田が走りながら頭で合わせ、ゴールネットを揺らす。
小野があんなプレーをするなんて──(驚)
ドリブラーではなく、決してスピードがある方ではない小野が、あのような突破を見せるとは思わなかった。
クロスも正確で、藪田はただ合わせるだけでよかった。
84分
選手交代:依田博樹→松下 豊
ディフェンスを一枚減らして、投入した松下が前線の右サイドに入り、3−4−3になる。
86分
藪田が左サイドに出して、後藤が左足でカーブをかけてセンタリングを上げる。
有馬が足を出して合わせるが、城定が真正面で押さえる。
自陣左サイドから、公文がロングスローを最終ラインの裏に入れる。
有馬が抜け出して、飛び出した城定を見てループで狙うが、ワンバウンドでゴールマウスを越える。
公文も有馬も狙いは素晴らしかった。後は、バウンドさえ合えば……
ロスタイム
初めてカードをもらわずに終わるかと思われたが、増田と大石が立て続けに遅延行為で警告を受ける。
終了直前の横河電機の波状攻撃をなんとかしのいで、辛くも逃げ切った。
それにしても、時間稼ぎしろとまでは言わないが、無理に攻め込んで逆襲されるのだけは勘弁してほしい。
後半の感想
被シュートこそわずかに申在範の2本だけだが、いずれも決定的な場面。
右サイドから入れた低いクロスが、ゴール前を通過して左サイドまで抜けるというのは、ちょっと……
小野の素晴らしい突破に救われたかたちになったが、延長に持ち込まれても仕方ないゲームだった。
横河電機 評
とにかく、1st Stageで対戦したときとは大違い。
あのときは早い時間帯に立て続けに失点して、自分たちのサッカーを見失っていたのかもしれない。
右サイドバックのジョルジ川村が積極的に攻撃参加し、遠いサイドの申在範がゴールを狙う。
エジソンも随所にテクニックの片鱗を示し、途中出場の山口もいい突破を見せていた。
要は、みんな動きがよかったと。
とくにボールを持った選手へのプレスが素晴らしく、素早く囲んでボールを奪っていた。
プレスをかけることの少ない横浜FCの選手には、ぜひとも見習ってほしいものである。
余談だが、岡本健一が髪の毛にメッシュを入れていて、ちょっと幻滅。
似合わないし、なんか頭悪そう。ジャニーズのそんなところまで真似しないでも……
おまけ
選手個々の評価
MF増田功作 6 ………彼の投入で、バランスの崩れていた右サイドが安定した。
監督
注釈:時間は手元の時計で計っていますので、1分程度の誤差はあります。
フリューゲルスとベルマーレに縁のある森山佳郎選手と反町康治氏、
フランタには会えたけど、反町さんにはぜがひでも会いたかったなぁ。
なにしろ私をサッカーにはめた張本人で、現役を退いた今でも大ファンですから。
GK大石尚哉 5.5 ………不安定な最終ラインに悩まされたというか、安定させられなかったというか。
DF幸田将和 5 ………重田との息が合わず、攻撃に移れなかった。交代もやむを得ない。
DF高田昌明 5 ………体を入れてボールを奪うのは上手いが、裏を取られる場面が多く見られた。
DF真中幹夫 5 ………地味にパスカットなどで活躍していたが、やはり裏を取られていた。
DF公文裕明 5.5 ………なぜか終盤に動きがよくなり、ロングスローやFKでチャンスをつくる。
MF重田征紀 5.5 ………倒される場面が多く、生傷が絶えないのはまるで子供のよう。豊富な運動量は貴重。
MF高木成太 5.5 ………序盤は下がりすぎてバランスを崩した。相変わらず重田への展開は素晴らしい。
MF後藤義一 5.5 ………ファウルにもいつになく冷静だった。終盤に息切れしていたのが気がかり。
MFパベル 5 ………プレスキック以外で見せ場がない。もう少し攻撃に絡んでほしい。
FW藪田光教 6.5 ………ペナルティエリアの中でも外でもいい動きをしていた。文句なしにMVP。
FW有馬賢二 6 ………得点こそなかったが、ゴールへ向かうプレーは多く見られた。
MF小野信義 6.5 ………勝ち越した場面のプレーひとつで、及第点をあげられる。
DF稲垣博行 ---
リトバルスキー 6.5 ………序盤に増田を投入したり、動きの悪いパベルを交代させた判断は、評価できる。
横浜FC
2
1 前半 1
横河電機
1
1 後半 0
会場:平塚競技場/観衆:2091人
得点:0-1 平井知之(27分、アシスト=川村大輔)
1-1 藪田光教(34分、有馬賢二)
2-1 藪田光教(83分、小野信義)
横浜FC 横河電機
GK 大石尚哉■ GK 城定和治
DF 幸田将和 DF 川村大輔
MF 30増田功作■ DF 渡辺英寛
DF 高田昌明 DF 五十嵐和也■
DF 真中幹夫 DF 依田博樹
DF 公文裕明 MF 84松下 豊
MF 重田征紀 MF 石本 慎
DF 82稲垣博行 MF 高橋勝徳
MF 高木成太 MF 八十祐治
MF 後藤義一 DF 51野杁生麿
MF パベル MF 申 在範
MF 65小野信義 FW エジソン
FW 藪田光教 FW 57山口高志
FW 有馬賢二 FW 平井知之
SUB 吉田明博 SUB 岡本健一
SUB 橋本研一 SUB 清水悠葵