ジャトコ戦 観戦記

前夜祭のため、前日の17時過ぎに横浜国際競技場に到着。
ワールドユースの3位決定戦と決勝戦を観戦したり、美味しいごはんを食べたり。
詳しく知りたい方は、半袖隊ホームページをご覧になって下さい。

横浜FCの布陣
GKは大石。最終ラインは中央に遠藤と一平、右が重田、左が公文。
中盤はボランチが高木、右に増田、左に後藤、中央に小野。前線は藪田と有馬。

ジャトコの布陣
GKは沖田。最終ラインは中央が大石、右が松原、左が葛野。ウイングバックが右に鈴木、左に松尾。
ボランチが太田と森田、中央に松橋。前線は新村と松木。

3分47秒
小野の右CK。遠藤がヘッドで叩きつけ、ワンバウンドで左ポストの内側に当たってゴールを割る。
記念すべき、横浜FCの公式戦初得点はキャプテン遠藤の頭から生まれた。
……にしても、なんで電光掲示板に秒まで表示されるかなぁ。

10分
中央、やや左から、藪田が左足でミドルシュートを放つが、沖田がかろうじてゴールの上に弾く。

13分
増田が右コーナーに追いつめられながら、振り向きざま右足でクロスを上げる。
ゴール前、フリーの有馬が右足のジャンピングボレーで合わせるが、ミートせず。
ディフェンスに当たって、沖田がしっかり胸でキャッチする。

15分
右サイドからのFK。ゴール前に低いボールが入るが、ゴール前の松木は反応できず。
カーブがかかっていて、俗に言うGKから逃げていくボール。
素通りしてしまったものの、GKが飛び出せない位置にしっかりコントロールされていた。

17分50秒
ペナルティエリアのすぐ外、左45°からの新村のFK。
ジャンプした壁の頭に当たってふわりと浮いたボールになり、ゴール左隅に吸い込まれる。
大石はシュートに備えて近いサイドに位置していたため、懸命に飛んだものの届かず。
結果的に絶妙なループシュートになってしまった。

19分
小野の左CK。巻いてゴールに直接向かうボールを、沖田が手で弾く。
浮き球に藪田と一平が詰めるが、重なり合ってしまいボールは枠を外れる。

20分
中央やや右を有馬がドリブルで単身突破し、右足でシュートを放つが、枠の右上の角に嫌われる。

22分58秒
左サイドから鈴木が縦にフィードし、ペナルティエリアに入ったところで新村がキープ。
上がってきたフリーの松尾が、左足で蹴り込んであっさり逆転。
ロングボールを放り込まれて、ペナルティエリア内でキープされた時点で勝負あり。
なんとか前は向かせなかったものの、押し上げてきた選手に対しては無防備なまま。
取られるべくして取られた一点といえるだろう。

31分
オフサイドラインをがかいくぐった新村と、ペナルティエリアを飛び出した大石の競争になる。
トラップしようとする新村に対し、何を思ったか両手を出しかける大石。
なんとか思いとどまって足でクリアしようとするが、なぜかペナルティエリアの方に飛んで行く。
あわてて戻ってしっかりキャッチ。
結局事無きを得たが、あれは間違いなくキャッチしようとしていた。
すかさず「本並か、おまえは!」との罵声が飛ぶ。
ついでに、ひとつ間違えばペナルティエリア内で間接FKだよ、そのプレー。
#と書いたら、6日後のJ1の試合で、岡中勇人がペナルティエリア外で堂々とキャッチしてくれました。
#もちろん退場。またもガンバ大阪……

32分
不安定な最終ラインの裏をついて、ペナルティエリアのすぐ外でボールを受け取る。
出てきた大石をしっかり引きつけてから、左の新村へはたく。
新村が無人のゴールへ蹴り込む……はずが左のポストを直撃。跳ね返りをもう一度狙うが、クロスバーを越える。
これを決めていれば、勝負は決していただろうに。
思い起こせば、ジェフにいたころから新村はよく外していたっけ。

43分
右サイドから走り込んだ小野にボールが渡り、それをさらに左、ゴール前に流し入れる。
後藤がスライディングシュートをみせるが、ゴールの左へ外れる。
ディフェンスがひとり残っていたので、オフサイドでも気になったか。

前半の感想
最終ライン中央の遠藤と一平に、安定感がまるでない。
ラインコントロールはできていないし、判断も足も遅いため簡単に裏を取られる。
予想していたとはいえ、真中の不在がここまで影響を及ぼすとは思わなかった。

“Wings of Freedom” THE ALFEE
オーロラビジョンにTHE ALFEEからのメッセージが映し出され、続いてビデオクリップが流される。
THE ALFEEのライブ映像や、サポーターたちの姿がかわるがわる映されていくのだが、そこになんと私の顔が──
しかも画面の半分近くを占領しての大写し。
周囲からも指摘されるし、耳まで真っ赤になるほど恥ずかしかったです。
でも、そのビデオがちょっと欲しかったりして。

横浜FCサポーター
ゴール裏で積極的に声を出しているのは、フリューゲルスから引き続いてサポートしているASA AZUL。
しかし「フリエ」「フリューゲルス」を単純に「FC」に代えただけの応援が多い。
事前に応援練習をした成果はどこへ? フリューゲルスの面影を未だに追っているような気がしてならない。
フリューゲルスから引き続いて応援している人にとっては、慣れ親しんでいて懐かしかったかもしれないが、
選手個人を追ってきたような、新たに横浜FCを応援しようとした人は、疎外されていると感じないだろうか。
と思いきや、後半開始直後にゴール裏メインスタンド寄りにTIFOSI出現。
いなければいないで寂しいと感じるのだが、それもまたフリューゲルスを引きずっているんだろうなぁ。

52分
選手交代:有馬賢二→パベル
有馬は直前にオーバーヘッドを狙っており、着地の際にどこか痛めたものと思われる。

55分
選手交代:松木秀樹→望月昭秀
遠藤に負傷させられた松木に代わって、前節先発した望月をここで投入。
ちなみにグランパスのMF望月重良の実兄で、弟と同様清水商出身。
同期にはエスパルスの真田雅則や、昨年ジェフを引退した江尻篤彦などがいる。

56分
沖田がキープしようとしたボールを、パベルがさらってシュート。
葛野(か森田)がかろうじて戻り、スライディングでなんとかブロックする。

57分
中央を抜け出して、ボールを受けた増田がグラウンダーのシュートを放つが、沖田の真正面。
股下を抜けようかというボールを、沖田が両足で挟み込むようにして止める。

66分
ペナルティエリア内で藪田が倒され、こぼれ球をパベルが拾ってゴール前を右から左へと流れる。
沖田とひとり残ったディフェンスをかわそうと、シュートチャンスを窺うも撃ちきれず。
結局難しい角度からシュートするが、ディフェンスが足でブロックする。
ゴールのすぐ、ほんとすぐ前でのプレー。
前にふたりいて、距離がなかったのはわかるが、もう少し思い切ってシュートを撃ってほしかった。
パベルほどの選手であれば、サイドネットを狙うとか、股の間を抜くとかできそうなものなのだが。
そういえば、ジェフにいたころから持ち過ぎる嫌いはあったっけか。

68分 選手交代:後藤義一→中丸貴之

79分
選手交代:小野信義→高田昌明
遠藤と一平を最前線に上げてパワープレーの布陣を敷いたため、最終ラインの中央に高田を投入。
パベルが中盤の右、藪田が中盤の左に下がり、最終ラインは高田、公文、高木の3バックになる。

82分
カウンターで中央やや左を突破し、足の遅い公文の前に出る。
フェイクを入れて追いすがる公文を完全にかわし、右足でシュートするがふかしてしまう。
松橋か新村のどちらかだと思うのだが…… というか、後半のジャトコのシュートはわずかに2本だから。

87分
藪田が左サイドをドリブルで突破し、中央へグラウンダーを折り返すが、ゴール前の一平は反応できず。
15分のジャトコのプレーとかたちは同じ。FW経験がないと、とっさに足もでないのかなぁ。

89分
ペナルティエリアのすぐ外、やや右からのFK。パベルが右足で狙ったシュートは左のバーを叩くが、
跳ね返りを詰めていた増田が右足で押し込み、土壇場で同点に追いつく。
──と書けば、見栄えがするかな?
まぁ増田のシュートにしてもミートはせず、ほわ〜んとしたボールが右ポストの内側に当たって入ったわけで、まさに入ったもん勝ちとしか言いようのない、まことに冴えないゴールだったわけだ。
ゴールのすぐ前からシュートして、どうやったらサイドネットにコントロールできるんだろう。
なおファウルを受けた直後に、期せずして「リティ」コールが起こったのはお約束。
リティのFKは確かに素晴らしかったけど、パベルも結構上手いんだよ。いやほんと。

後半の感想
ジャトコがシュートを2本しか放てなかったにもかかわらず、追いついたのは終了間際。
しかも、セットプレーのこぼれ球をなんとか押し込んだにすぎない。
パワープレーも、遠藤はかつてFWだっただけにらしい動きをしていたが、一平に至っては素人同然。
引いて足下にもらったところで、くさびとして機能するわけでもなし。
なんのために前線に投入されたのかが、理解できていないとしか言いようがない。

90分 選手交代:松橋力蔵→森野章三

95分
パベルが右サイドを突破して、切り返して左足でゴール前にクロスを上げる。
遠いサイドでフリーの遠藤が、足下に入ったボールを目の前にして……後ろに転ぶ。
「えんど〜〜〜〜!!」
ペナルティエリアの中、しかも前方にはGK沖田のみという絶好機にそれか。

98分 選手交代:望月昭秀→岩下 潤

107分
ゴール前に右からヘッドでボールが入り、鈴木が中央から走り込み、大石が飛び出す。
大石の目前で鈴木が胸でトラップするが、勢いがつきすぎていてゴールには向かえず。
ゴールは無人だったし、遠いサイドには新村が待っていただけに、正直なところ負けを覚悟した。

108分
右サイドバックから中盤に移っていた重田が、2枚目のイエローカードを受ける。
重田征紀、退場。
以前、「危険なファウルが多い」と書いたのが、図らずも的中してしまった。
次節は幸田将和が入る事になるだろうが、攻撃力の低下と90分間動けるかに不安が残る。

110分
判定をめぐって、主審が左手(ジャトコボール)を挙げてから、右手(横浜FCボール)を挙げ直す。
すかさず観客席からは「右も左もわからねぇのか! おはしを持つ方だろうが!」との野次が飛ぶ。

112分
中丸がゴール前に上げて、遠いサイドの一平がヘッドで中に戻す。
遠藤がヘッドで叩きつけるものの、無情にもボールはゴールの右に外れる。
パワープレーが活きた、横浜FCにとって延長戦最大のチャンスだった。

118分
新村が大石と1対1になるが、シュートは大石が胸でしっかりキャッチする。

119分
右サイドからアーリークロスが入り、岩下がダイビングヘッドを試みるが、わずかにゴールの右に外れる。
足を懸命に伸ばした新村の姿が目に入ったか。なんにせよ、Vゴールにならずに安堵。

延長戦の感想
横浜FCの体力不足が、露呈しただけの延長戦だった。
延長だけでイエローカードを4枚ももらっており、ファウルで止めるしかなかったことが伺える。
延長前半はシュート1本に押さえたが、後半は決定的なかたちを含めて4本も許している。
今後も延長戦に持ち込まれるようであれば、また足が止まることになるだろう。
なお、延長戦もパワープレーの布陣を敷いたのは正解。流れの中から得点できるとは、とても思えなかったので。

ジャトコ 評
誰だ? 「このチームに負けるようでは、先が思いやられる」なんて言っていたのは。
横浜FCの弱点を見抜き、単純に前線に当てて2列目からの飛び出しを待ってみたり、ラインの裏を取る動きをしてみたりと、取った戦術も的確。
最終ラインには大石、松原、葛野とJリーグ経験者を並べ、昨年に比べれば安定感は増している。
印象に残った選手はGK沖田とMF松尾。

余談
JFLのチームカラーが青系統に偏っているのは、どうにかならんだろうか。
メインのユニフォームだけで、大塚、ソニー仙台、水戸ホーリーホック、ジャトコ、横河電機と5チーム。
サブのユニフォーム(デンソー、国士館大学、横浜FC)も含めると、9チーム中8チームにもなる。
横浜FCの文字色もまだ決まっていないのに、どうやって色分けしたものか。

閑話休題、選手個々の評価
GK大石尚哉  4.5 ………危険な飛び出しが多く、先読みから失点するなど安定感を欠いた。DFとの連携も課題。
DF重田征紀  4 ………危惧していた通り、イエローカード2枚で退場。延長後半に押し込まれる要因となった。
DF渡辺一平  4 ………再三裏を取られ、延長では体力不足を露呈。前線に上げられた意味を理解していない。
DF遠藤昌浩  5 ………先制のヘディングは素晴らしかったが、ラインコントロールがまったくできなかった。
DF公文裕明  5 ………センタリングは正確だが、スピードがないため振り切られる場面も目立った。
MF高木成太  5 ………負担がかかりすぎている。攻撃の起点になれる選手だけに、周りが動いてあげないと。
MF増田功作  5.5 ………見栄えはどうあれ同点シュートを放ったのは彼。決定機にもしばしば顔を出していた。
MF後藤義一  5 ………年齢が年齢だけに体力の低下は顕著。それでも、それなりの動きはしていた。
MF小野信義  4.5 ………アシストは記録したが、トップ下としては失格。プレスキックにもスピードがない。
FW有馬賢二  5 ………シュートへの積極性は評価できるが、やはりFWは得点してなんぼ。負傷交代は残念。
FW藪田光教  5.5 ………練習試合とは打って変わっていい動きを見せる。あとは得点するだけ。

FWパベル   6 ………テクニックも状況判断もワンランク上。今後も流れを変えるために後半から投入か。
MF中丸貴之  5 ………パワープレーのため引き気味だったが、動きはまずまず。プレスキックはスピード不足。
MF高田昌明  5 ………裏を取られる場面もあったが、急造3バックだったことを思えば責められない。

監督
リトバルスキー 5 ………選手交代は理に当っていた。それ以前に様々な問題が山積しているわけだが。

辛い? こんなもんでしょ。

横浜FC
前半ジャトコ
後半
延長前半
延長後半
会場:横浜国際総合競技場/観衆:11283人
得点:1-0 遠藤昌浩(3分、アシスト=小野信義)
   1-1 新村泰彦(17分、FK)
   1-2 松尾昌則(22分、新村泰彦)
   2-2 増田功作(89分)

横浜FCジャトコ
GK大石尚哉GK沖田政夫
DF重田征紀DF松原忠明
DF渡辺一平DF大石信幸
DF遠藤昌浩DF葛野昌宏
DF公文裕明DF鈴木 亮
MF高木成太MF太田貴光
MF増田功作MF森田直樹
MF後藤義一MF松尾昌則
MF68中丸貴之MF松橋力蔵
MF小野信義MF90森野章三
MF79高田昌明FW松木秀樹
FW有馬賢二FW55望月昭秀
FW52パベルMF98岩下 潤
FW藪田光教FW新村泰彦
SUB吉田明博SUB中山喜久男
SUB稲垣博行SUB井上和昭

注釈:時間については競技場の電光掲示板の時計を参考にしましたが、1分程度の誤差はあります。

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