'99戦力分析……といえるほどのもんでもないが JFL

本田技研(静岡県浜松市)
1981年の昇格以来、1992年にその歴史を終えるまで、日本リーグ1部で活躍した名門チーム。
会社の方針でJリーグには参加せず、中心選手は活躍の場を求めてプロチームへ移籍していった。
本田泰人、黒崎比差支、長谷川祥之、内藤就行、石川康、北澤豪、入井和久、千葉修、勝矢寿延、江川重光──
あれから7年たったが、現在もJ1の第一線で活躍している選手も少なくない。
JFLでも最近3年間で、優勝、4位、5位と結果を残しており、横浜FCにとって最強の敵となりそう。
ちなみに、新JFLで唯一スタジアムを所有しているチームである。

昨年24得点(3位)をあげたマルクスが得点源、というより彼を押さえれば恐くない。
フリューゲルスからMF大久保貴広、グランパスからGK水原大樹、アルビレックスからGK浜野行哉
ジェフユースのキャプテンで元U-16日本代表のFW松田裕也などを獲得し、戦力刷新を図っている。

 

大塚(徳島県徳島市)
1992年の初年度からJFLに参加しているが、いまいち中位から抜け出せないでいる。
ヴォルティス徳島としてプロを目指していたが、断念して大塚としてJFLに参加することになった。

その影響は大きく、12得点(10位)の磯山和司はアルディージャに、アウミールはFC東京に、筒井紀章はアルビレックスにそれぞれ移籍した。
福重良一は引退し、9得点をあげた秋元利幸が解雇されて、レギュラーの半数がチームを去った。
一方、目立った補強は行なっていないため、大幅な戦力ダウンは避けられそうもない。
12得点(10位)をあげた関口隆男と、8得点をあげた横瀬善行のふたりに攻撃が委ねられるが……

 

デンソー(愛知県刈谷市)
1995年の全国地域リーグ決勝大会で優勝し、JFLに昇格。JFLでは昨年の10位が最高順位。

元ガンバの北村邦夫と石井壮二郎が解雇され、守護神・渡辺英豊はアルディージャに移籍。
セレッソから百武義成を補強した他は、目立った動きはない。
昨年同様、10得点の徳重隆明、8得点の小林達也を中心に攻撃が展開されるだろう。

 

ソニー仙台(宮城県仙台市)
1997年の全国地域リーグ決勝大会1位でJFLに昇格。

中盤に佐藤英二見田雅之といったJ経験者はいるが、全体的には若いチーム。
痛いのは、13得点(8位)をあげたエースストライカー・鳴尾直軌がアルビレックスに移籍したこと。
残されたFWの田端秀規小林友綱、プレスキッカー阿部健二がいかに得点を稼ぐかが大きな鍵になる。

 

水戸ホーリーホック(栃木県水戸市)
1997年に関東社会人リーグからJFLに昇格したプリマハム土浦が、水戸市に移転して、母体企業を持たない市民チームとして新しく出発した。
ホーリーホックとは英語でタチアオイのこと。水戸といえば水戸黄門、水戸黄門といえば葵の御紋というわけ。
横浜FCを除くと、JFLに参加するチームの中でJ2入りを目指しているのはこのホーリーホックのみ。

渡辺一平も含めて大量14人が退団。10得点をあげた田畑雅行は残留したようだが……

 

国士館大学(東京都)
言わずと知れた、関東大学リーグの雄。
関東大学選手権は1995、1997、1998年と優勝。大学選手権は1996、1998年と優勝、1997年も準優勝。
主なOBは、野田知(アビスパ)、石川健太郎(レイソルユースコーチ)、安藤正裕(エスパルス)、深川友貴(コンサドーレ)、土橋正樹(レッズ)、大柴健二(レッズ)、佐藤尽(サンガ)など。
中退したが、永井秀樹(F・マリノス)も在籍していた。

今年は、11得点をあげたMF熱田眞(サンガ)をはじめ、DF金沢浄(ジュビロ)、GK鏑木豪(マリノス)、FW富永英明(グランパス)、FW鏑木享(FC東京)と5人のJリーガーを輩出した。
主力の抜けた今季、チームの中心になりそうなのは、桐光学園出身のDF竹谷睦とMF鈴木勝大
読売ユース出身のMF佐伯直哉、前橋育英出身のFW板橋裕也あたり。

 

ジャトコ(静岡県富士市)
情報募集中です……

新村泰彦が18得点(4位)をあげて奮闘したが、失点が多すぎてチームは最下位に沈んだ。
セレッソからGK油原丈著とMF河合憲泰、エスパルスからDF松原忠明、ヴィッセルからFW岩下潤
コンサドーレからMF太田貴光、アルビレックスからDF葛野昌弘と積極的な補強を行なった。
松橋力蔵らの現有戦力と、上手くかみ合うようであれば面白いが……

 

横河電機(東京都武蔵野市)
1997年の全国社会人リーグ決勝大会で3位に終わり、JFL昇格を逃す。
J再編に伴って、その成績にかかわらず1999年からのJFL参加が認められたが、1998年の全国社会人リーグ決勝大会にしっかり優勝し、JFLに値する実力があることを証明した。

14得点をあげた島田周輔と、11得点をあげた鈴木慎吾の2トップが、そろってアルビレックスへ移籍。
島田周輔はともかく、ゲームメイクからディフェンスのカバーまでこなしていた鈴木慎吾が抜けたのは痛すぎる。
システムはたぶん4−4−2。GKはコーチングが当てにならない城定和治
最終ラインは、中央がジェフにいた五十嵐和也渡辺英寛、左が平井知之、右がジョルジこと川村大輔
五十嵐和也は積極的な攻撃参加を見せるが、戻ってこれないのが問題。
中盤はベルマーレにいたエジソン、マリノスにいた松下豊則武洋平、昨年中央大学から入学した依田博樹
マリノス、ヴィッセル、アルビレックスを経て横河電機に"入社"した八十裕治とタレント揃い──
ということにしておく。JFLで通用するかどうかは未知数だから。
2トップは、前述のように移籍してしまったので…… ただでさえない得点力が……
藤掛大輔とかぁ〜〜 森崎嘉之とかぁ〜〜(以下略)

FWは、関東社会人リーグのライバル、本田技研ルミノッソ狭山から申在範を獲得したとのこと。
ジェフや富士通川崎に在籍していた……って、ルミノッソ狭山でDFにコンバートされたのでわ?
関東社会人リーグのベストイレブンにも、DFで選出されているんだけど。

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