佐川急便大阪SC戦 観戦記

話は前日の土曜日に遡る。私が何をしていたかというと──
夢の島で13時キックオフの"国士舘大学−Honda FC"を観戦。
市ヶ尾へ移動して、青葉スポーツセンターで3時間ほどフットサルをプレーして、心地よい汗をかく。
追い立てられるようにしてシャワーを浴びると、以降は大阪へ転勤になるふなっちさんの送別会。

まずは、センター北の"焼肉市場 げんかや"で、とにかく食べる、飲む、そして喋る。
カラオケボックスを探すが、周辺に終夜営業の店が見つからないため、急遽ボウリングに方針を変更。
心当たりのある鶴見で2ゲーム。手首を壊して久しいので、6ポンドのボールすら重く感じられる。
目安は体重の1/10とのことなので、本来なら11ポンドが適当なのだが。ちなみに、最低スコアを更新(涙)
それから階を移動してビリヤードに興じる。キューを握るなんて何年ぶりのことだろうか。
気がつけば朝の5時。空はとっくの昔に白んでいる。

自宅に帰り着いたのが6時半。改めてシャワーを浴びると、ベッドに潜り込んで2時間半ほど仮眠。
けたたましい目覚ましに叩き起こされ、重い体を引きずって東京スタジアムへ。
──とどのつまり、「私は疲れている」という一言が言いたいだけなのだが(苦笑)

横河電機の布陣
GKは山岸。最終ラインは右から渡辺英寛、波立、立花、金載東。
中盤はボランチが依田と田上、右に池上、左に野杁。前線は藤掛と登内。

佐川急便大阪SCの布陣
GKは安藤。最終ラインは中央に影山、右に吉崎、左に川口。サイドハーフは右に山崎、左に松本。
中盤はボランチが孫英植、右に入佐、左に岡村宜城。前線は秦と中野隆治。

5分
左サイドから金載東が左足でクロスを上げ、走り込んだ田上がヘディングシュート。大きく左に外れる。

7分
池上の左CK。右足でカーブをかけたボールに、藤掛がヘディングで合わせるが、クロスバーを越える。

12分
入佐の右CK。左足でカーブをかけて直接狙うが、山岸が下がりながらクロスバーの上にかき出す。
キリンカップのホンジュラス戦、中村俊輔のゴールを彷彿とさせるようなシュートだった。
もっとも、バックステップさえ踏むことができれば、そう簡単にゴールを許すこともないだろうが。

13分
入佐の右CK。左足でカーブをかけたボールに、遠いサイドに走り込んだ影山が右足で合わせる。
ボールは山岸の目の前で大きく弾み、ゴール左隅へ吸い込まれるように落ちていく。
山岸も崩れた体勢から懸命に飛びつくが、わずかに及ばず。
左、右、左、左、右と続いたCK。5本目にして、とうとう横河電機のゴールが割られた。
コーナーから最も遠い位置にいたのは藤掛。すっと前に入られたのは、明らかな彼のミスである。

悔やまれるのは、未然に防げた失点だということ。話は1本目のCKに遡る。
松本の蹴ったボールは、そのままゴールラインを割る……はずだった、藤掛のクリアさえなければ。
山岸から指示の声は出ていなかったのか、それとも藤掛に届いていなかっただけなのか。

35分
右サイドから山崎が右足でクロスを上げ、走り込んだ岡村宜城が豪快なヘディングシュート。
ボールは文字通りゴールネットに突き刺さる。
飛び込みながら、首を大きく振ってのへディング。威力も充分で、まさに素晴らしいの一言につきる。
これほど完璧なヘディングシュートには、そうそうお目にかかれるものではない。
ところで、横河電機のディフェンスはどこで何をしていたのかね、ん?(怒)

前半の感想
時計が10分を過ぎてからは、後はもう佐川急便大阪SCの一方的なペース。
得点シーン以外の描写に乏しいのは、決定機と呼べるほどの攻撃には至らなかったに過ぎない。
前半を観戦した限りでは、後半への期待は皆無に等しい。

横河FCジュニア 壮行会
柏レイソル青梅を決勝で下して、「全日本少年サッカー大会」初出場を決めた横河FCジュニア。
贈られたゴールデンボールが落ちたのは…… 不吉な。

素朴な疑問
なぜ、後半に向けて選手がピッチに姿を現す際にも、FIFA ANTHEM by Vangelis を流すのですか?

45分
選手交代:野杁生麿→村山浩史
池上が中盤の中央に移動し、村山は前線の中央やや下がり目に位置して、縦の関係を築く。
前線の枚数を増やしはしたが、中盤の人数を減らしたことで、はたして攻撃的といえるかは疑問。

50分
中央やや右からの入佐のFK。ディフェンスのクリアボールを、岡村宜城がダイレクトに左足で狙う。
虚を衝かれたか、山岸はあわてて片手で止めて、こぼれ球を改めて押さえる。
低く押さえられた強烈なミドルシュート。後半になっても、相変わらず圧倒されている模様。

64分
選手交代:渡辺英寛→矢口 敬
勝っている場面では金載東、負けている場面では渡辺英寛に代わって、出場することの多い矢口。
確かに渡辺英寛に攻撃参加を期待するのは難しいが、はたして矢口の能力はどれほどのものなのか。
いまいちつかみきれていないだけに、疑問の残る選手交代と言わざるを得ないのが現状だ。

66分
自陣右サイドからの山崎のFK。素早く前方にボールを送り、岡村宜城がアーリークロスを上げる。
遠いサイドでフリーの中野隆治が、左足でダイレクトボレーを放つが、大きく左に外れる。
マークは不徹底、ディフェンスはずぶずぶ。直前に選手が倒れていたことを差し引いても、論外。

67分
選手交代:入佐英之→森脇 剛
右足から放たれる精度の高いプレスキックは脅威だが、ここにきて目立たなくなっていたのも事実。
ここまでフル出場が1試合もないのは、やはり体力面に不安があるからなのだろうか。

68分
松本の左CK。ボールが上がらずミスキックになるも、ディフェンスがクリアミス。
ペナルティエリアのすぐ外から、吉崎がこぼれ球を右足でシュートするが、ゴールの右に外れる。
入佐のプレスキックと比較すると、どうしても見劣りしてしまう。早い話が脅威にはならない。

72分
選手交代:登内将志→上田英生
この期に及んで、布陣変更はまだなし。前線の3人と池上だけでは、攻撃は機能しないというのに。

75分
山崎がペナルティエリアでためをつくり、右サイドに出されたボールを秦がマイナス方向に折り返す。
ペナルティアークのすぐ外から、フリーの森脇が右足でシュートを放つが、わずかに右に外れる。
いいようにやられている。ディフェンスの間をパスが抜けていく様を、何度見せられたことか。

77分
選手交代:中野隆治→成田 順
背番号10。途中出場がほとんどだが、この時間帯にスピードのあるFWを投入できるのは強みだなぁ。

78分
ペナルティエリアからの安藤のFK。ディフェンスのヘディングは流れ、後方への絶妙なパスになる。
前方には山岸ただひとり。走り込んだ成田が、ペナルティアークの中からダイレクトに右足を振り抜く。
ボールは右のポストを直撃。一度は山岸がキャッチし損ねるが、ゴールを割る前にあわてて押さえる。
ボールの落ち際を捉えた、素晴らしいシュート。山岸がもっと大きく弾いていたら……いや違う(苦笑)

80分
成田が右サイドをドリブルで突破。切り返しで上田と立花をかわすと、すかさず中に切れ込んで折り返す。
走り込んだ秦がダイレクトに右足で合わせるも、ボールはゴールの右に外れる。

81分
安藤のフィードを、ポストに入った成田が胸で落とし、中央の秦が左前方のスペースにパスを通す。
岡村宜城がドリブルでペナルティエリアに入り、左足でシュートを放つがクロスバーを越える。

横河電機の布陣変更
ボランチに田上ひとりを残し、依田がひとつポジションを上げる。池上との(左右の)関係は流動的。
ここにきて、ようやく攻撃の枚数を増やした。もっとも、遅きに失した感は否めないが……

86分
池上の右サイドからのアーリークロスが、ゴール前に走り込む村山へと通る。
胸トラップでボールを前方に送ると、思い切って左足を振り抜くが、ボールはクロスバーを越える。
ボールが若干外に流れたとはいえ、目の前には安藤ひとり。振り抜く必要はなかった気がする。

86分
上田のポストプレーから、池上が右前方のスペースめがけてフィード。上田が一気に裏へ抜け出す。
飛び出した安藤をかわすが、ディフェンスの戻りが早くシュートまでは至らず、いったん後方に戻す。
右サイドにまわった上田が右足でクロスを上げ、遠いサイドの村山がヘディングで折り返す。
最後は、ゴール右にひとり残っていた上田が、左足で豪快なジャンピングボレーを叩き込む。
池上のクロスに反応した村山と藤掛、シュートを決めた上田はいずれも完全なフリー。
ディフェンスは無人のゴールを守るのに手一杯で、人を見ている余裕はなかったのだろう。
なんとか戻りきった安藤もクロスに振られたことで、万事休したと。

──などという解説はさておき、めったに見られないシュートの余韻に浸りたいところだが、実のところそんな余裕はなかったりする。藤掛がボールを抱えると、自陣に走って戻ったように。

89分
池上のパスを受けた矢口が、自陣右サイドから前方のスペースめがけてフィード。
走り込んだ池上が、大きな切り返しで森脇を外すと、左足でカーブをかけてクロスを上げる。
遠いサイドでフリーの村山が、右足で正確にトラップすると、落ち着いてゴール左隅に流し込む。
ゴール前が実質3対3になっていたとはいえ、なぜあそこまでフリーになれたのか。
追走する山崎と最終ラインの吉崎、ふたりとも走り込む田上に気を取られたのが原因だろうが。
吉崎に至っては、ヘディングも見事にかぶったし……
まぁ、今度こそ喜びを爆発させるとしようか。自作自演という気はしないでもないが(苦笑)

ロスタイム(公式記録では89分)
選手交代:秦 明→岡村政幸
岡村政幸は、孫英植と並んでボランチの位置に投入される。
なんらかの布陣変更があったと思われるが、確認するだけの余裕は(いろいろな意味で)なし。

ロスタイム
矢口がヘディングでクリアしたボールを、下がってきた上田が胸で右サイドに送る。
池上が右足でグラウンダーのクロスを入れるが、すかさず副審のフラッグが高々と挙げられる。
逆サイドを上がる村山はオフサイドではなかったが、中央の藤掛が完全に──
一瞬でも後方を確認する余裕があればなぁ。走っちゃったら、言い訳のしようがないから。

後半の感想
最後の5分間だけ。なぜそのサッカーが最初からできないのかは……問うだけ無駄だろうな。
一昨日のフロンターレも最後の8分間だけだったが、試合の流れはその以前から変わっていた。
ところが、この試合の場合はその兆候すらなく、いきなり──

圧倒的に試合を支配しながら、目前にまで迫っていた3連勝を逃した佐川急便大阪SC。
しかし、本当に勝ち点2を失ったのは、私には横河電機のような気がしてならない。

子供から大人へ
残り10分を切ったあたりから、私たちのすぐ後ろで声を出していた横河FCジュニアの子供たち。
なまじサッカーを知っているだけに、性質が悪いその指示が正鵠を得ていたのがなんとも。
結果として、かろうじて子供たちへの面目が立ったのは、本当によかったなと(笑)

佐川急便大阪SC 評
こんな極端な試合内容で、評を書こうというのがどだい無理な話(さじを投げたらしい)。
横河電機の倍以上の12本ものシュートを放ちながら、試合を決め切れなかった後半。
中盤の入佐と岡村宜城、そしてタイプの異なる選手が揃う前線。間違いなく攻撃は機能していた。
はたして、シュートの精度はそれほど低いのか?
ほとんど攻撃らしい攻撃を許さず、いざ攻められると混乱をきたしてしまったディフェンス陣。
はたして、大塚製薬に比肩するほど脆いのか?
結論を出すには、もう何試合かこの目で見る必要がありそうだ。

横河電機

前半佐川急便大阪SC

後半
会場:東京スタジアム/観衆:1057人
得点:0-1 影山貴志(13分、アシスト=入佐英之)
   0-2 岡村宜城(35分、山崎貴之)
   1-2 上田英生(86分、池上寿之、村山浩史)
   2-2 村山浩史(89分、池上寿之)

横河電機佐川急便大阪SC
GK山岸範之GK安藤信也
DF渡辺英寛DF影山貴志
DF64矢口 敬DF吉崎友二
DF波立紀夫DF川口光府
DF立花由貴MF孫 英植
DF金 載東MF山崎貴之
MF依田博樹MF松本達也
MF野杁生麿MF入佐英之
FW45村山浩史MF67森脇 剛
MF田上和彦MF岡村宜城
MF池上寿之FW秦 明
FW藤掛大輔MF89岡村政幸
FW登内将志FW中野隆治
FW72上田英生FW77成田 順
SUB高祖景一SUB玉浦寛敏
SUB江川耕二SUB野口大悟

注釈:時間は手元の時計で計っていますので、1分程度の誤差はあります。

Back