金曜日のナイトゲーム。新宿駅で埼京線に乗り換えるも、その混雑ぶりに思わず圧倒される。
200％を超える乗車率は噂以上で、"痴漢"の代名詞（これもどうかと思うが）になるのもうなずける。
これで大崎駅まで路線が延長されて、ＴＷＲとの相互直通運転が実現した日にはどうなることか……

ま、それはともかくとして、試合開始時間ぎりぎりに西が丘へ到着。
ゲートを抜けて、階段を駆け上がった先で見たものは──

１分
右サイドでボールを奪った池上が、そのまま突破してグラウンダーのクロスを入れる。
中央で待つ登内がスルー。遠いサイドに流れたところを、フリーの岡元が難なく蹴り込んで先制。
──ということで（苦笑）
いやぁ、栃木ＳＣのゴール裏を歩きながら、ボールの動きを目で追っていた際の出来事だったもので。

横河ＦＣの布陣
ＧＫは山岸。最終ラインは右から平井、波立、野杁、申在範。
中盤はボランチが佐塚と依田、右に池上。前線が右に登内、左に岡元、中央（最前線）に上田。

小首を傾げられた方もいるでしょうが、間違いではありません。左右非対照なだけです（笑）

栃木ＳＣの布陣
ＧＫは原。最終ラインは右から神山、松本修、槙剛、高井。
中盤はボランチが菊池と石川、右に伊奈川、左に只木。前線は横濱と佐野。

27分
池上の右サイドからのクロスに、上田がダイビングヘッドで合わせるが、ゴールの左に外れる。

29分
佐野が足を傷めて、ピッチの外に出される。それと認識する前に……（涙）
「足いっちゃってるかもしれない」ｂｙ菊池隆之

30分
上田がドリブルで中央から右サイドに流れ、只木に競り勝った勢いそのままにサイドをえぐる。
クロスボールに登内が飛び込むがわずかに届かず、ボールは原がしっかりキャッチする。
登内は明らかに原の前方に飛び込んでいただけに……

35分

選手交代：佐野智浩→黒須 宗

「佐野ダメ、佐野ダメ」ｂｙ高井剛（両手で×印をつくって）
人数合わせでピッチには戻ったものの、自力で歩くのがやっとの状態。大丈夫かなぁ……

39分

選手交代：横濱 誠→種倉 寛

横濱も足を引きずりながらの交代。前半にして、前線のふたりがピッチを去るという異常事態。
ベンチからの指示は「１トップ気味にしろって」だそうだ。

44分
後方からのフィードを受けて、上田がペナルティエリア内左サイドから左足でシュート。
距離を詰めた原がブロックして、ボールはゴールラインを割る。

前半の感想
栃木ＳＣの最終ラインが引きすぎているため、ボランチとの間にはぽっかりと広大なスペースが。
おかげで、中途半端なクリアボールは拾いたい放題。登内がためをつくって右サイドに池上を走らせ、池上の上げたクロスに前線の選手が合わせるというパターンが、幾度となく見られた。
唯一危なかったのは、山岸がバックパスの処理を誤って、只木にボールを渡してしまった場面くらい。

58分
依田のフィードを受けて池上が前線に走るも、原が飛び出してパンチングでクリア。
これが岡元の足下へ。すかさず右足でカーブをかけて原の頭上を狙うが、原も懸命に手を伸ばす。
指先に当たって勢いが弱まり、ゴールの中に戻っていたディフェンスがクリアして難を逃れる。

60分
上田が中央を単身突破。３人を抜き去って原と１対１になるも、シュートはブロックされる。

65分 選手交代：平井知之→川村大輔

67分

ペナルティアークのすぐ外からのＦＫ。只木が直接狙うも、ボールは栃木ＳＣサポーター席に飛び込む。

これに限らず、この日は只木と伊奈川のプレスキックの精度がとにかく低かった。
どれくらいかというと、レイソルの大野と平山を見慣れている私ですら、溜息を吐くほどに──

72分 選手交代：佐塚哲也→高橋勝徳

75分
中央でボールを奪った高橋が左サイドに展開し、岡元が右足でカーブをかけてクロスを上げる。
ゴール前に３人ほどが次々に飛び込むがいずれもわずかに届かず、ボールはゴールラインを割る。
惜しかった。遠いサイドに最後に飛び込んで、スライディングしたのは誰だったか……

77分 選手交代：池上寿之→清水悠葵

82分
上田が左サイド深くでふたりを相手にボールをキープ。
松本修の股間を抜いて中に切れ込もうとするが、そこで倒される。

83分
岡元がドリブルで左サイドから中央に切れ込み、最終ラインの裏にスルーパスを通す。
パスを受けた清水がペナルティエリア内で原に倒されるが、主審のホイッスルは吹かれず。
確かに演技っぽかったけど、少なくとも上野優作の倒れ方よりは……（笑）

ロスタイム

伊奈川の左ＣＫ。近いサイドに走り込んだ高井の左足ボレーは、ゴールのはるか上に外れる。

後半の感想
相手選手と接触しながら、山岸がクロスを片手でゴールラインの外にかき出す（判定はファウル）など、危ない場面もいくつかあったが、危ないシュートはひとつとしてなし。
結果だけ見れば１−０だが、点差以上に横河ＦＣの完勝だった。

上田英生
明海大学（おそらく）在学中の新加入選手。そして、この日一番の驚きでもあった。
千葉県大学リーグ所属ということで知名度はまだまだ低いが、明海大学は決して弱いチームではない。
場所柄、市立船橋やジェフユース出身選手も多く、日下亮や八津川義廣など名の通った選手もいる。

──とはいうものの、巧みなボールキープ、切れのあるドリブル、そして無難にこなすポストプレーと、横河ＦＣに加入したのが不思議なくらいの逸材だ（おひ）　ひょっとしたら……

栃木ＳＣ 評
前半で前線のふたりを失ったことを差し引いても……この程度か？（笑）
この試合を見る限り、一番ふさわしい言葉は"語るに及ばず"ではないだろうか。