名古屋グランパス戦 観戦記

会場に向かう途中、いつものように当日券売り場を見ると珍しく列ができている。
祝日なので一見さんが多いのかな、などと考えつつ会場内へ。
雨が恐いので、いつものように屋根の下に陣取る。
相変わらず芝の状態は最悪で、HOME側のゴール前には耕したかのような跡が残っている。

フリエの布陣
最終ラインは中央に原田、左に井上(定着か?)、右に薩川。
中盤下がり目にサンパイオと山口、左にアツ、右に氏家。FW登録の遠藤も実際は中盤でプレー。
最前線は真ん中から左をイゴール、右をフットレ……って、たまに中央がら空きになるんだけど。

10分
左サイドからアツのロングスロー。こぼれ球をアツが拾ってフットレへ。
フットレが左サイドからミドルシュート。わずかに右に外れる。
10分頃までは、決定機こそないもののそこそこフリエが押している。

13分
自陣深くで、遠藤が何を思ったか平野にパス。そのまま左サイドからゴール前へ流し入れる。
フリーで福田が合わせるも、意表を突かれたか左足は空を切り、サツがクリアーする。

15分
左サイドを平野がドリブルで突破。遠藤を寄せつけず、中央へ折り返すもまたもミートせず。
平野のドリブルは、思わず「上手い!」と叫んでしまうほど素晴らしかった。
スピードも然る事ながら、体の入れ方が上手い。遠藤はいいようにあしらわれていた。
立て続けに訪れたふたつの決定機。失点しなかったのは、幸運以外のなにものでもない。

29分
自陣から山口が縦に大きくフィード。走り込んだ氏家がトラップして、右足で豪快なシュート。
戻った大岩がスライディングするも一歩及ばず。フリエ3試合ぶりの得点で先制。
なんでこんなカウンターが決まるんだろう、と思うほどあっさり決めさせてくれた。
ハーフタイムまで守り切れば、勝機もあるだろうと思ったのだが…… 結果はご存知の通り。

38分
右サイド、上がってきたトーレスとピクシー(ストイコビッチ)がパスを交わす。
ピクシーがフリーで中へクロスを上げ、飛び込んだ福田が頭で合わせてゴール右隅へ。
「フリーで上げさせるな!」と叫んだ直後の出来事でございました。
上がった瞬間に失点することが予測できたので、感想もなにもありません。

39分
イゴールから右サイドのフットレへスルーパス。
伊藤と1対1になり、左足アウトサイドで浮かせるも、体を投げ出した伊藤が止める。
利き足で狙いたいのはわかるが、あまりに威力がなさすぎた。シュートも一瞬遅かったし。

40分
判定に抗議した遠藤が、2枚目のイエローカードで退場。
あまりに不可解な判定。運動量の豊富な彼の退場によって、試合が決したといっても過言ではあるまい。

42分
アツが石川康を倒し、イエローカードをもらう。
ペナルティエリアの角、ぎりぎりPKでないかい? 相変わらずどこに目をつけてるんだか、主審は。
すかさず「代りの審判連れてこい」との野次が。ごもっとも。
石川康はヴェルディを出てから生き生きしている。なんかヴェルディは巨人みたいだ。
#他にも永井、武田、廣長、戸倉、布部、長谷部、栗原…… まだまだいるぞぉ。
ボリビア代表歴さえなきゃ。あれ、ジュニアユース代表でも日本代表になれないんだっけか。

44分
上のプレーで得たFK。平野が左足で蹴ったボールはナラの真正面に。ナラはキャッチできず。
さすがに、その左足で日本代表に選ばれただけはある。
直後にロスタイム2分の表示が。2回も抗議(40分、42分)があったのに?

前半の感想
得点こそ1−1だが、完全なグランパスペース。
左右から正確なクロスが上がるグランパスに対し、フリエはカウンターを一度決めただけ。
相変わらずパスミスが目立ち、致命的なクリアミスもしばしば見られる。
フットレが右サイドを突破しても、ゴール前ががら空きでは脅威も半減するというものだ。


ハーフタイムから降り出した雨。48分頃には本降りになり、前列の観客が屋根の下に移動する。
おいおい、傘持ってきてないんだけど。まぁ、試合が終わるころには止むだろうけど。

54分 選手交代:フットレ→波戸康広
だから〜〜 フル出場できないならアンデルソンを使えってばさ。
波戸はよく動くのだが、いかんせん当たりに弱すぎる(涙)

61分
左サイドを突破した中谷が、ゴールライン際から中へ低いセンタリングを上げる。
フリエは全体的に引きすぎて、中盤を大きく使われている。サイドチェンジもやりたい放題。
これ以後、両サイドから次々に決定的なセンタリングが上がる。決まらないのが不思議なくらい。

63分
イゴールがドリブルで上がるも、攻撃参加しているのは彼と波戸のみ。
スタンドからは、次々と罵声が飛ぶ。孤立するFWと、立ち尽す中盤との距離がどんどん開いていくのがとても印象的だった。

64分
……で、業を煮やしたか上がってきたのはサツ。
ドリブルで中央突破し、ペナルティエリア内の波戸に渡すが、DFをかわせずシュートまでは至らなかった。
上がってきたのがサツということで、またも罵声が飛ぶ。アツはどうした。

65分
おまけに、次に上がってきたのはサンパイオ。
お〜〜い(力ない叫び)。呆れて言葉が出ない。おかげでイゴールは中央突破に固執して、悪循環に。

66分
選手交代:氏家英行→永井秀樹
選手交代:中谷勇介→古賀正紘
スタンドの期待を一身に受けて登場した永井。
ドリブルでキープはするものの、いつもの縦への突破は見られない。まだ本調子には程遠いようだ。

69分
上がったトーレスが、いったん右の石川にはたき、リターンをフリーで右足のミドルシュート。
わずかにゴール左に外れる。

70分
センターサークル内から山口がGKの頭上を越すロングシュート。距離は正確だったが、ゴール右に外れる。
伊藤が前に出ていたのを、しっかりと見ていた。とはいえ、前に味方が誰もいないんだから……

71分
左サイドからの折り返しを岡山が合わせるも、ゴール左にそれる。
ただでさえひとり少ないのに、こんなこと続けていたら体力が切れて負けるだけだと思うぞ。
フリエは相変わらず「早退(フットレ)できてい〜な〜。午後の授業(後半)たり〜な〜」みたいな動き。

78分 選手交代:岡山哲也→野口幸司
小倉を出せとの叫びが(フリエ側スタンドから)上がるも、出てきたのは野口。
かつてのベルマーレのエースストライカーが、FWの4番手というのはすごい。

80分
右サイドから望月(?)がセンタリングを上げる。
ナラが手でさわるも、ボールはそのまま遠いサイドのゴールライン際で待つピクシーへ。
ナラはピクシーの足元へ飛び込むが、ピクシーは左足アウトサイドで落ち着いて中央の野口へ。
DFがゴールを固めに行ったため、待ち構える野口はフリーでシュート。グランパス勝ち越し。
正直、やっと決まったかという思いがした。それほど、いつ点が入ってもおかしくない展開だった。

82分
右サイドゴールラインぎりぎりから、波戸が折り返す。
ゴール前左サイドで永井が頭で合わせたシュートは、ワンバウンドして石川の手に当たる。
ゴール前には、GKとDFがふたりもいたので、故意ではないとはいえもったいなかった。
永井が合わせた瞬間、ゴール前につめていたのは山口。さすが……なんだが、素直に誉められない。

83分
永井が得たPKを、アツが中央へ蹴り込んで同点に追いつく。
あれ、アツまだピッチに残ってたの? てなぐらいに、久しぶりに見た気がする。
同点に追いついたものの、試合の流れを考えれば勝つのは難しいだろうな、と思ふ。

84分
左サイドのピクシーから、ゴール前に長いクロスが入る。
右サイドから飛び込んだフリーの望月が、頭で合わせる。
素早く反応したナラに止められたが、こぼれ球を再び蹴り込んであっさり突き放す。
右サイドの井上はしっかり福田をマークしていた。そのさらに外から飛び込まれては、もうお手上げ。
「追いつかれちゃったなぁ。しょうがないからもう1点だけ取るか」という声が聞こえてきそう。
それくらいあっさりと取られた点だった。順当っていえば順当なんだろうけど。

88分 選手交代:福田健二→浅野哲也

ロスタイム
左サイドから山口がゴール前へクロスを上げる。DFがお見合いし、イゴールが頭で合わせる。
力ないシュートは、伊藤が体に当ててコーナーに逃れる。

ロスタイム
イゴール、本日2枚目のイエローカードで退場。
通算12枚目。激高したイゴールを波戸が必死に止める。
次節はアンデルソンが出場できるから、期待できるぞ〜(もう投げ遣り)

後半の感想
見ての通りです。コメントする気すら起こりません。

名古屋グランパス 評
左からは中谷と平野が、右からは石川康と岡山が素晴らしいサイド攻撃を見せる。
突破力があって、1対1で勝負できて、正確なクロスが上げられる。
それに合わせるのは、ストライカーとしての風格も漂ってきた福田健二。
そして、トーレス、ウリダ、ストイコビッチの外国人勢が、縦のラインをきっちり締める。

潜在能力の高さを考えれば、日本代表に何人でも送り込めるはずなんだが。
#実際、昨年のワールドカップ予選を戦った日本代表は、グランパスより弱かったと思ってるし。

それにしても、いつのまにか層が厚くなったなぁ。控えが豪華だもの。
4バックの左サイドに小川誠一と鈴木正治、右サイドには飯島寿久、中央には古賀正紘。
ボランチには、元日本代表の浅野哲也と喜名哲裕。そして、なにより素晴らしいのがFW。
右膝じん帯断裂からオグが復活したことによって、4番手に落ちたのが野口幸司。
かつてのベルマーレのエースストライカーが、ですよぉぉ!?
そういえば、現在スロベニアにいる森山泰行も、グランパスがまだ保有権も持ってたはずだし。

やっぱり問題はフロントかなぁ。西ヶ谷には愛想尽かされて、アビスパにレンタルするはめになったし、平野と年俸闘争になりかけたり、バウドとは契約延長しないと言って現場と険悪になったり。
まぁ、選手たちがサッカーに集中できる環境を、整えてあげてくださいな。
他チームの心配をしている余裕もないんだろうけど。

横浜フリューゲルス
前半名古屋グランパス
後半
会場:横浜国際総合競技場/観衆:16226人
得点:1-0 氏家英行(29分、アシスト=山口素弘)
1-1 福田健二(38分、ストイコビッチ)
1-2 野口幸司(80分、ストイコビッチ)
2-2 三浦淳宏(83分、PK)
2-3 望月重良(84分、ストイコビッチ)

横浜フリューゲルス名古屋グランパス
GK楢崎正剛GK伊藤裕二
DF井上雄幾DF中谷勇介
DF原田武男DF66古賀正紘
DF薩川了洋DF大岩 剛
MFサンパイオDFトーレス
MF山口素弘DF石川 康
MF三浦淳宏MF望月重良
MF氏家英行MFウリダ
MF66永井秀樹MF平野 孝
FWレディアコフMF岡山哲也
FWフットレFW78野口幸司
FW54波戸康広FWストイコビッチ
FW遠藤保仁FW福田健二
SUB佐藤 浩MF88浅野哲也
SUB埜下荘司SUB河野和正
SUB久保山由清SUB小倉隆史

注釈:競技場で観戦しながら取ったメモを参考にしているので、若干誤りがあるかもしれません。
気付かれた方は、どんどんご指摘下さいませ。
なお、時間については競技場の電光掲示板の時計を参考にしましたが、1分程度の誤差はあります。

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