シュートまでは至らなかったが、動きは特筆すべきものがある。
27分
右サイドをフットレがドリブル。ペトロヴィッチがマークにつき、ザッペッラがスライディングで止める。
しかし、キープしようとしたザッペッラの右足がボールをはじき、前に抜け出していたフットレの足元へ。
フットレはそのままゴールライン際まで持ち込み、守備陣を引きつけてからゴール前へマイナスのセンタリング。
ファーを狙ったフットレと、ニアに走り込んだイゴールの意思が合わず、ボールは無人のゴール前を素通り。
左から再度アツがクロスを上げ、フットレが右足でボレーシュートを放つも、ザッペッラが頭でクリア。
前半最大の決定機。とはいえ、フットレは自力で突破したわけではなく、ゴール前もイゴールひとり。
攻撃参加の人数が少なく、すべての場面で数的不利を強いられているのが気がかりなところ。
29分
センターサークル付近のフットレから、縦にスルーパスが出る。右サイドを走る遠藤がダイレクトでゴール前へ折り返すが、田北がが直接キャッチする。
31分
右サイドセンターライン付近の山田から、前線左サイドの福永へ大きなクロス。
折り返して福田が左足で強烈なシュート。ナラが止めたこぼれ球に大柴が詰めるも枠を外れる。
33分
ゴール前の浮き球を競ったイゴールの肘が福永の顔に入り、イエローカード。
すかさずフリエ側隔離席からは「10枚目じゃねぇか」の声が上がる。
TV埼玉では、実況も解説・名取ももぉぼろくそに言う言う。
肘が入ったのは不可抗力……などでは決してなく、空中で体をひねった時点で確信犯だと思う。
前半の感想
悪くは……ない、少なくとも思っていたよりは。
アツと遠藤の動きがよく、フットレも度々決定機を演出している。
とはいえ、気がかりなのはシュートで終われないこと。そしてシュートが枠に飛ばないこと。
ゲームはフリエが支配していたが、小野とベギリスタイン抜きなのだから当然(であってほしい)。
47分
選手交代:氏家英行→永井秀樹
前節の疲労のため控えにまわっていた永井を、満を持してここで投入。
でもなぜに後半2分? もしかしてアップが間に合わなかっただけとか。
55分
左サイドをイゴールがドリブル。どたばたしながらも西野、石井をかわして中央へ切れ込む。
得意の角度からミドルを放つが、ザッペッラにコースを消されてボールはゴールのはるか上へ。
59分
センターライン付近の大柴が右にはたいて、最終ラインから全速力でオーバーラップする山田へ。
そのまま右サイドをドリブル突破。中に切れ込んで2人をかわし、ゴールライン手前から中へ折り返す。
戻った遠藤のクリアがミスキックになり、無情にもゴールに吸い込まれる。
原田、サンパイオは寄せきれず、井上に至っては右へ左へとただ振られるだけ。
遠藤がさわらなくとも、大外で待ちかまえていた福田が蹴り込んでいたことだろう。
山田にいいように翻弄された、フリエ守備陣の完敗。
71分
右サイドのサンパイオから、中央の遠藤、永井を経由して、左サイドフリーのアツへ。
ペナルティエリア内で山田をかわして、右足で強烈なシュート。
西野の寄せ早く、シュートはGK田北が真正面に。山田が落ち着いてタッチラインへ蹴り出す。
71分
選手交代:広瀬 治→土橋正樹
71分
レッズの交代を挟んでの連続したプレー。アツのロングスローからサンパイオのバックヘッド。
田北のはるか頭上を越えるも、クロスバーに嫌われる。
久々に出たアツのロングスロー。合わせられる選手がサンパイオだけというのは悲しい。
そして、これがフリエ最後の攻撃らしい攻撃となる。
73分
エリア内まで石井がドリブルで突破。井上に阻まれるも、後ろにこぼれたボールを大柴が拾う。
大柴は石井の外側をまわりこみ、ゴールラインぎりぎりから中央へグラウンダーを流し込む。
走り込んだ福田が合わせて、絶望的な3点目が入る。
石井、大柴も素晴らしいが、圧巻だったのはやはり福田。
マークの埜下よりも素早く反応し、シュートの瞬間は完全にフリーになっていた。
ゴール前ではわずか一、二歩の差が命取りになる。正直、役者が違うのだろう。
ナラの動きを見て蹴り込む冷静さも、小憎らしいというか……
74分
選手交代:埜下荘司→波戸康広
75分
自陣左サイド、城定がサンパイオに競り勝って、右サイドフリーの大柴へ。
DFにつめられる前に放った強烈な右足のミドルは、惜しくもナラの正面をつく。
75分
選手交代:福田正博→岡野雅行
78分
選手交代:フットレ→瀬戸春樹
80分
右サイドのペトロヴィッチから中央、ぽっかりと空いたスペースへクロスが入る。
大柴が足元に落としてシュート体制に入るところを、かろうじて遠藤がコーナーに逃げる。
80分
センターサークルの大柴から縦へスルーパス。岡野が走り込むが、ナラが飛び出してクリア。
ところが、そのボールが再び大柴へ ……と思いきや、トラップミス。
トラップさえ確実にできていれば、無人のゴールへボールをコントロールするだけだったのに。
このあたりが、大柴らしいといえばらしいのだが。
85分
選手交代:ペトロヴィッチ→堀 孝史
87分
右サイドから入った低いクロス。大柴がスルーして、入ったばかりの堀がシュート。
DFが足に当ててなんとかコースを変える。
ベテラン堀孝史、健在。TV埼玉の中継で集音マイクに入った「足短けぇな!」が笑えた。
後半の感想
前半とは打って変わって絶望的な展開。点が入る気配すら感じられなかった。
55分を過ぎたあたりから、ボールは中盤と最終ラインの間を行ったり来たり。
スタンドからは「前!前!」の声が飛ぶが、前線は立ち尽してボールをもらう動きが見られない。
足が完全に止まっているフットレとイゴール。だったら、アンデルソンをトップで使えよ〜〜!!
浦和レッズ 評
岡野雅行、大柴健二、永井雄一郎、福田正博。他チームも羨むFWの層の厚さは、レッズの顔である。
#余談だが、Jリーグ初年度には一番とまでいわれた福田の快速。
#まさか、彼を凌ぐFWが、それもチームメイトにふたりも出現するとは、夢にも思わなんだ。
しかしながら、レッズを支えているのは、優れたユーティリティプレイヤー達である。
福永泰。本職はボランチ(かどうかすら最近は疑問)だが、前線で基点となる選手が必要になると、FWにコンバートされて大柴を活かし、小野が欠場したこの試合では中盤でゲームをつくった。
ペトロビッチ。レッズでは小野よりも前で、ベギリスタインとともに左右を固めるのが本来の姿だが、守備的なポジションも難なくこなす。
事実、今年のワールドカップでは、ユーゴスラビア代表の右サイドバックとして全試合に先発している。
広瀬治。チーム最古参の彼も、年齢とともにそのポジションを下げつつある。
ボランチ、そしてリベロ。運動量は確実に落ちたが、ベテランらしい読みの鋭さで無難にこなしている。
彼らのような選手がいるからこそ、小野、ベギリスタインという攻撃の核たる選手が不在でも、今日のようなちゃんとした試合にすることができるのであろう。
全勝街道を走っているとはいえ、これまでの対戦相手はいずれも下位チーム。
正念場はこれからだろう……とか書こうと思ったら、あっさりセレッソ相手にこけてくれました。
1992年まではレッズファンでした(ぼそっ)
浦和レッズ 3
| 1 | 前半 | 0
| 横浜フリューゲルス 0
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2 | 後半 | 0
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会場:浦和市駒場スタジアム/観衆:19742人
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得点:1-0 大柴健二(23分、アシスト=福田正博)
2-0 OWN GOAL(59分)
3-0 福田正博(73分、大柴健二)
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浦和レッズ | 横浜フリューゲルス
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GK | 田北雄気 | GK | 楢崎正剛
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DF | 山田暢久 | DF | 埜下荘司
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DF | 西野 努 | FW | 74波戸康広
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DF | ザッペッラ | DF | 原田武男
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DF | 城定信次■ | DF | 井上雄幾
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MF | 石井俊也■ | MF | 山口素弘
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MF | 広瀬 治 | MF | サンパイオ
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MF | 71土橋正樹 | MF | 三浦淳宏
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MF | ペトロヴィッチ■ | MF | 氏家英行
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MF | 85堀 孝史 | MF | 47永井秀樹
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MF | 福永 泰 | FW | フットレ
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FW | 大柴健二 | MF | 78瀬戸春樹
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FW | 福田正博 | FW | レディアコフ■
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FW | 75岡野雅行 | FW | 遠藤保仁
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SUB | 土田尚史 | SUB | 佐藤 浩
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SUB | 田口禎則 | SUB | 前田浩二
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駒場スタジアムのAWAY側こと隔離席からは電光掲示板が見えないので、時間は手元の時計で計っています。
ですから、公式記録とは確実に1分程度のずれが生じていると思います。
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