浦和レッズ戦 観戦記

当日の朝、フリエ元町にて入手したチケットを握りしめ、いざ駒場スタジアムへ。
ところが所要時間の計算は間違えるわ、浦和駅から出ている直行バスは長蛇の列だわ、狭い道路は渋滞してるわで、もう最低。試合が始まっちゃう〜〜(焦)

タクシー待ちをしている人達、目的地は同じなのだから積極的に相乗りする! 渋滞の原因。
国際興業のバス、後ろのドアも開けてお客さんを乗せる!
バスカードの人は前から乗せて、後ろにはザル持った乗務員を立たせて現金と乗車券を集める!
あまりの手際の悪さに、イベント慣れしている私は憤りをおぼえるのであった。
結局、到着したのはキックオフから5分ほど経ってから。件のAWAY側はまさに隔離席そのもの。
すでに満員で立ち見を余儀なくされる。スタンドは見渡す限り赤一色。壮観と評すべきか。

フリエの布陣
薩川を出場停止で欠き、最終ラインは中央に原田、右に埜下、左に井上と不慣れな組合せ。
中盤と前線は例によって流動的。サンパイオが下がり目、左に山口、右に氏家。アツがゲームを組み立て、イゴールが左サイド、フットレが右サイド、そして遠藤がオールラウンドに動く。

13分
左サイドを上がったアツがフェイントで西野を外して中央へクロスを上げる。
フットレが飛び込んで頭で合わせるが、シュートはゴール左へ逸れる。

23分
左サイドのスローインがゴール前へ。大柴が反転しながらシュートするも、クロスバーを叩く。

23分
スローインを受けた福田が、右サイドからゴール前へグラウンダーで流し込む。
飛び込んだ大柴が右足で合わせてレッズが先制。
ついていたマークを完全に振りきることなく、決定的なボールを出した福田。
ゴールへの嗅覚に衰えはない。そしてそれは、スタメン復帰早々にゴールを決めた大柴も同様。

25分
右サイドで遠藤、氏家、遠藤とボールをまわし、遠藤が縦に出してボールは再度氏家に。
氏家はDFを引きつけて中に戻し、遠藤がドリブルで切れ込む。
ペナルティエリア内で足元からボールが離れた隙を突いて、西野がコーナーに逃げる。
新人ふたりで右サイドから攻撃を組み立てる。シュートまでは至らなかったが、動きは特筆すべきものがある。

27分
右サイドをフットレがドリブル。ペトロヴィッチがマークにつき、ザッペッラがスライディングで止める。
しかし、キープしようとしたザッペッラの右足がボールをはじき、前に抜け出していたフットレの足元へ。
フットレはそのままゴールライン際まで持ち込み、守備陣を引きつけてからゴール前へマイナスのセンタリング。
ファーを狙ったフットレと、ニアに走り込んだイゴールの意思が合わず、ボールは無人のゴール前を素通り。
左から再度アツがクロスを上げ、フットレが右足でボレーシュートを放つも、ザッペッラが頭でクリア。
前半最大の決定機。とはいえ、フットレは自力で突破したわけではなく、ゴール前もイゴールひとり。
攻撃参加の人数が少なく、すべての場面で数的不利を強いられているのが気がかりなところ。

29分
センターサークル付近のフットレから、縦にスルーパスが出る。右サイドを走る遠藤がダイレクトでゴール前へ折り返すが、田北がが直接キャッチする。

31分
右サイドセンターライン付近の山田から、前線左サイドの福永へ大きなクロス。
折り返して福田が左足で強烈なシュート。ナラが止めたこぼれ球に大柴が詰めるも枠を外れる。

33分
ゴール前の浮き球を競ったイゴールの肘が福永の顔に入り、イエローカード。
すかさずフリエ側隔離席からは「10枚目じゃねぇか」の声が上がる。
TV埼玉では、実況も解説・名取ももぉぼろくそに言う言う。
肘が入ったのは不可抗力……などでは決してなく、空中で体をひねった時点で確信犯だと思う。

前半の感想
悪くは……ない、少なくとも思っていたよりは。
アツと遠藤の動きがよく、フットレも度々決定機を演出している。
とはいえ、気がかりなのはシュートで終われないこと。そしてシュートが枠に飛ばないこと。
ゲームはフリエが支配していたが、小野とベギリスタイン抜きなのだから当然(であってほしい)。

47分 選手交代:氏家英行→永井秀樹
前節の疲労のため控えにまわっていた永井を、満を持してここで投入。
でもなぜに後半2分? もしかしてアップが間に合わなかっただけとか。

55分
左サイドをイゴールがドリブル。どたばたしながらも西野、石井をかわして中央へ切れ込む。
得意の角度からミドルを放つが、ザッペッラにコースを消されてボールはゴールのはるか上へ。

59分
センターライン付近の大柴が右にはたいて、最終ラインから全速力でオーバーラップする山田へ。
そのまま右サイドをドリブル突破。中に切れ込んで2人をかわし、ゴールライン手前から中へ折り返す。
戻った遠藤のクリアがミスキックになり、無情にもゴールに吸い込まれる。
原田、サンパイオは寄せきれず、井上に至っては右へ左へとただ振られるだけ。
遠藤がさわらなくとも、大外で待ちかまえていた福田が蹴り込んでいたことだろう。
山田にいいように翻弄された、フリエ守備陣の完敗。

71分
右サイドのサンパイオから、中央の遠藤、永井を経由して、左サイドフリーのアツへ。
ペナルティエリア内で山田をかわして、右足で強烈なシュート。
西野の寄せ早く、シュートはGK田北が真正面に。山田が落ち着いてタッチラインへ蹴り出す。

71分 選手交代:広瀬 治→土橋正樹

71分
レッズの交代を挟んでの連続したプレー。アツのロングスローからサンパイオのバックヘッド。
田北のはるか頭上を越えるも、クロスバーに嫌われる。
久々に出たアツのロングスロー。合わせられる選手がサンパイオだけというのは悲しい。
そして、これがフリエ最後の攻撃らしい攻撃となる。

73分
エリア内まで石井がドリブルで突破。井上に阻まれるも、後ろにこぼれたボールを大柴が拾う。
大柴は石井の外側をまわりこみ、ゴールラインぎりぎりから中央へグラウンダーを流し込む。
走り込んだ福田が合わせて、絶望的な3点目が入る。
石井、大柴も素晴らしいが、圧巻だったのはやはり福田。
マークの埜下よりも素早く反応し、シュートの瞬間は完全にフリーになっていた。
ゴール前ではわずか一、二歩の差が命取りになる。正直、役者が違うのだろう。
ナラの動きを見て蹴り込む冷静さも、小憎らしいというか……

74分 選手交代:埜下荘司→波戸康広

75分
自陣左サイド、城定がサンパイオに競り勝って、右サイドフリーの大柴へ。
DFにつめられる前に放った強烈な右足のミドルは、惜しくもナラの正面をつく。

75分 選手交代:福田正博→岡野雅行

78分 選手交代:フットレ→瀬戸春樹

80分
右サイドのペトロヴィッチから中央、ぽっかりと空いたスペースへクロスが入る。
大柴が足元に落としてシュート体制に入るところを、かろうじて遠藤がコーナーに逃げる。

80分
センターサークルの大柴から縦へスルーパス。岡野が走り込むが、ナラが飛び出してクリア。
ところが、そのボールが再び大柴へ ……と思いきや、トラップミス。
トラップさえ確実にできていれば、無人のゴールへボールをコントロールするだけだったのに。
このあたりが、大柴らしいといえばらしいのだが。

85分 選手交代:ペトロヴィッチ→堀 孝史

87分
右サイドから入った低いクロス。大柴がスルーして、入ったばかりの堀がシュート。
DFが足に当ててなんとかコースを変える。
ベテラン堀孝史、健在。TV埼玉の中継で集音マイクに入った「足短けぇな!」が笑えた。

後半の感想
前半とは打って変わって絶望的な展開。点が入る気配すら感じられなかった。
55分を過ぎたあたりから、ボールは中盤と最終ラインの間を行ったり来たり。
スタンドからは「前!前!」の声が飛ぶが、前線は立ち尽してボールをもらう動きが見られない。
足が完全に止まっているフットレとイゴール。だったら、アンデルソンをトップで使えよ〜〜!!

浦和レッズ 評
岡野雅行、大柴健二、永井雄一郎、福田正博。他チームも羨むFWの層の厚さは、レッズの顔である。
#余談だが、Jリーグ初年度には一番とまでいわれた福田の快速。
#まさか、彼を凌ぐFWが、それもチームメイトにふたりも出現するとは、夢にも思わなんだ。
しかしながら、レッズを支えているのは、優れたユーティリティプレイヤー達である。
福永泰。本職はボランチ(かどうかすら最近は疑問)だが、前線で基点となる選手が必要になると、FWにコンバートされて大柴を活かし、小野が欠場したこの試合では中盤でゲームをつくった。
ペトロビッチ。レッズでは小野よりも前で、ベギリスタインとともに左右を固めるのが本来の姿だが、守備的なポジションも難なくこなす。
事実、今年のワールドカップでは、ユーゴスラビア代表の右サイドバックとして全試合に先発している。
広瀬治。チーム最古参の彼も、年齢とともにそのポジションを下げつつある。
ボランチ、そしてリベロ。運動量は確実に落ちたが、ベテランらしい読みの鋭さで無難にこなしている。
彼らのような選手がいるからこそ、小野、ベギリスタインという攻撃の核たる選手が不在でも、今日のようなちゃんとした試合にすることができるのであろう。

全勝街道を走っているとはいえ、これまでの対戦相手はいずれも下位チーム。
正念場はこれからだろう……とか書こうと思ったら、あっさりセレッソ相手にこけてくれました。

1992年まではレッズファンでした(ぼそっ)

浦和レッズ
前半横浜フリューゲルス
後半
会場:浦和市駒場スタジアム/観衆:19742人
得点:1-0 大柴健二(23分、アシスト=福田正博)
2-0 OWN GOAL(59分)
3-0 福田正博(73分、大柴健二)

浦和レッズ横浜フリューゲルス
GK田北雄気GK楢崎正剛
DF山田暢久DF埜下荘司
DF西野 努FW74波戸康広
DFザッペッラDF原田武男
DF城定信次DF井上雄幾
MF石井俊也MF山口素弘
MF広瀬 治MFサンパイオ
MF71土橋正樹MF三浦淳宏
MFペトロヴィッチMF氏家英行
MF85堀 孝史MF47永井秀樹
MF福永 泰FWフットレ
FW大柴健二MF78瀬戸春樹
FW福田正博FWレディアコフ
FW75岡野雅行FW遠藤保仁
SUB土田尚史SUB佐藤 浩
SUB田口禎則SUB前田浩二

駒場スタジアムのAWAY側こと隔離席からは電光掲示板が見えないので、時間は手元の時計で計っています。
ですから、公式記録とは確実に1分程度のずれが生じていると思います。

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