川崎フロンターレ−サガン鳥栖 観戦記 点描

イベントの"シュートチャレンジ"に心を引かれつつ、等々力競技場へ入場。
試合開始まではまだ1時間近くもあるというのに、垂涎の的のカツサンドはおろか、メインスタンド中央付近に座席を確保するのもままならない。2階席開放を切に願う。

アウェイ側に陣を取ると、バックスタンドへ移動してグッズ売店へ。
しばし悩んだ末、タオルマフラーを購入。塀内夏子氏書き下ろし・後期日程ポスターを入手する。
もちろん、どちらが主目的であるかは言うまでもない。

 

川崎フロンターレの布陣
GKは吉原。最終ラインは中央に渡辺匠、右に箕輪、左に伊藤宏樹。サイドハーフは右に長橋、左にアウグスト。
中盤はボランチが山根と久野、右に中村憲剛、左に今野。最前線はバルデス。

サガン鳥栖の布陣
GKは高橋範夫。最終ラインは右から鈴木、宮川、三好、中村祥朗。
中盤はボランチが佐藤陽彦と井手口と森、右にジュニーニョ、左に石橋。最前線は佐藤大実。

三好を除く全員のユニフォームには、左袖に喪章が巻かれている。
コンフェデ杯で試合中に死亡した、カメルーンのフォエを悼んでのものだろうか。

7分
中央やや左でアウグストのパスを受けると、中村憲剛が右足でディフェンスの裏に速いパスを通す。
今野が抜け出すと、スピードを緩めず左足アウトサイドで合わせるだけ。ゴール左隅に吸い込まれる。
パスの勢いそのままに、ただコースを変えるだけのシュート。"言うは易く行うは難し"だけどね。

18分
アウグストが左サイドをドリブルで突破し、ゴール前にグラウンダーのクロスを入れる。
バルデスはもたついてキープするだけで精一杯。中村憲剛が右足で狙うが、クロスバーを越える。

32分
箕輪のロングフィードを、前線でフリーのバルデスが、ヘディングでディフェンスの裏に落とす。
走り込んだ今野が右足を豪快に振り抜くと、ボールは高橋範夫の頭上を抜いてゴールネットを揺らす。
裏を取られた三好が、懸命に戻ってスライディングするも、シュートの障害にはまったくならない。
宮川もバルデスのヘディングをただ見ているだけ。フロンターレにいいようにやられている。

41分
アウグストが左サイドをドリブル突破、遠いサイドに走り込む中村憲剛めがけて左足でクロスを上げる。
中村憲剛は右足でダイレクトボレー。ボールは強烈なドライブがかかって、ゴール左隅に突き刺さる。
左後方から来たボールに、文字通り"点で合わせた"スーパーゴール。
ほぼ真後ろからシュートの軌道が見えたが、周囲からは感嘆の声と拍手が自然と湧き起こった。
なにより、足を縦に振り抜いているのがすごい(サッカーの経験がない人には伝わらないかな?)。
ゴールを決めた後に、ダンディ坂野の「ゲッツ!」を立て続けにやったのは……

前半終了

45分
選手交代:中村祥朗→小石龍臣
選手交代:石橋直希→服部浩紀
前半のサガンはいったい何だったんだ? 大幅な布陣変更がなされたため、項を改めることにする。

サガン鳥栖の布陣 そのに
GKは高橋範夫。最終ラインは中央に井手口、右に宮川、左に三好。サイドハーフは右に鈴木、左に小石。
中盤はボランチが佐藤陽彦と森、中央にジュニーニョ。前線は服部と佐藤大実。

51分
佐藤大実がドリブルで中央を突破、フロンターレゴール前を独力でこじ開ける。
吉原との1対1をあっさりと左足で決めると、すかさずボールを抱えてダッシュで戻っていく。
ディフェンスが集中を切らしていたのは明らか。揃いも揃ってただ突っ立っていただけ。

55分
中村憲剛が右サイドに展開し、今野が右足でゴール前にクロスボールを上げる。
飛び出した高橋範夫よりも一瞬早く、近いサイドに走り込んだバルデスがヘディングシュート。
叩き付けられたボールは、守るべき者のいないゴールネットを大きく揺らす。
バルデス、今季初得点。しばらく顔を上げなかったな、感極まって泣いていたようにも見えたが。
他の選手たちが、我が事のように喜んでいたのが印象的。長かったな……今何節だよ?(笑)
まさかとは思うが、マラガでプレーする双子の兄と入れ替ったわけではないよな?(苦笑)
高橋範夫の判断は致し方ない。バルデスをフリーにしたディフェンスこそが責められるべき。

61分
選手交代:中村憲剛→岡山一成
岡山が最終ラインに入ったことで、玉突きのようにポジションを移動して……アウグストがFWかよ。
勝利を確信したと見えて、ノブリンが残った時間でテストを始めちゃったよ(苦笑)

川崎フロンターレの布陣 そのに
GKが吉原。最終ラインは中央に伊藤宏樹、右に箕輪、左に岡山。サイドハーフは右に長橋、左に久野。
中盤はボランチが渡辺匠と山根、中央に今野。前線はバルデスとアウグスト。

65分
鈴木が右サイドを突破し、久野のスライディングタックルを巧みにかいくぐる。
前方に流れたボールにエンドライン手前で追いつくと、右足でゴール前にクロスボールを上げる。
遠いサイドに走り込んだ森がヘディングで合わせ、ボールは無人のゴールに吸い込まれる。
……吉原? 届くはずもないのに、勇んで飛び出してたが(嘲笑) 致命的な判断ミス。
ゴールまでは距離がかなりあったので、森も威力のあるシュートは撃てなかったのだが。

67分
今野の右CK。右足でカーブをかけてゴール前に上げる。
遠いサイドからフリーの岡山がヘッドで合わせるが、高橋範夫が体を倒してかろうじて左手で弾き出す。

68分
選手交代:森 恵佑→ジェフェルソン
ボランチを1枚減らして3トップに。前線は右に服部、左に佐藤大実、中央にジェフェルソン。

68分
左サイドで久野がボールを受けると、眼前の宮川を物ともせず、左足でのピンポイントクロス。
これに合わせたのは今野。井手口をあっさり振り切ると、ダイビングヘッドで右隅に決める。
今野、ハットトリック達成! セオリー通りに叩きつけたヘディングシュートだった。
宮川の守備は論外。距離を大きく開けてついているだけ。クロスにも体をひねって避けてるし(笑)

69分
選手交代:伊藤宏樹→黄川田賢司
伊藤宏樹は服部との接触(らしい)でかなり傷んでいたので、大事を取っての交代か。
黄川田が前線に入ったことで、玉突きのようにポジションを移動して、それぞれが元いた位置に戻る。

川崎フロンターレの布陣 そのさん
GKは吉原。最終ラインは中央に渡辺匠、右に箕輪、左に岡山。サイドハーフは右に長橋、左にアウグスト。
中盤はボランチが山根と久野、中央に今野。前線はバルデスと黄川田。

71分
山根が右足で放った強烈なロングシュートは、高橋範夫が体を倒してかろうじて止める。
こぼれ球に詰めたのはバルデス。右足で軽く浮かせたシュートは、左のポストに当たってゴールへ。
山根のシュートは正確にゴール右隅を捉えていたし、嫌らしいことに手前でバウンドしている。
おそらく、高橋範夫は止めるだけで精一杯だったはず。弾いたコースは確かに頂けなかったが……
問題は最終ラインの3人。ボールがこぼれることを想定していないから、ラインを揃えて立ったまま。
そもそも、あのバルデスに走り負けるって何よ? 恥を知れ。

あまりのゴールラッシュに、大型映像装置の得点経過には入りきらなくなってしまった。
数分遅れて「(18)今野 7・32分・68分」とまとめて表記されたが、得点者がばらけた場合は?

75分
左サイドで山根がいったん後方に下げて、アウグストが左足でゴール前にクロスを上げる。
黄川田がフリーでヘディングシュートを放つが、惜しくも左のポストに嫌われる。

77分
選手交代:アウグスト→伊藤優津樹
警告も受けているし、こんな試合でこれ以上プレーさせる必要もないだろう。

87分
ジュニーニョの右サイド深くからのFK。
ゴール前の密集から、三好が遠いサイドにひょいと抜け出して、ヘディングシュートを決める。
いとも簡単にマークを外されている。岡山は服部を執拗に狙っているし(詳しくは後述)。
1試合9得点は、J2の最多得点試合の新記録だそうだ。

ロスタイム
自陣からのフィード。服部がヘディングで競り勝って、最終ラインの裏にボールを流す。
佐藤大実が抜け出して吉原と1対1になりかけるが、渡辺匠に体を寄せられてシュートは空振りに。

後半終了

試合の感想
いやぁ、荒れた荒れた。得点経過もさることながら、試合そのものが大いに荒れた。
前半早々にアウグストが鈴木との接触で激昂。バルデス、渡辺匠、箕輪らに押し止められる。
これがすべての発端だったように思える(このふたりは後半にも一触即発の場面を迎えている)。

後半、サガンが服部を投入したことで、その流れは一気に加速する。
山根が肘打ちを食らい、伊藤宏樹が足を傷め、渡辺匠は頭部を強打して担架で運び出された。
ヘディングの競り合いから、岡山の腕を固めたまま落下したのは、さすがにどうかと思ったが。
もちろん、すべてのプレーで服部に非があるわけではないけど……

フロンターレはといえば、アウグストや黄川田がいつものファウル寸前のプレーに終始。
上記のプレー以降、岡山までもが反撃の機会を窺って、しきりに服部を付け狙うようになったし。

試合が荒れてしまった原因は、他ならぬ泉主審の拙いレフェリングにある。
"あの"今村とは対照的に、ファウルと思しきプレーをひたすら流し、カードを出そうともしない。
どこかで判定の基準をきちんと示していれば、ここまで試合が壊れることはなかっただろう。

 

余談だが、サガンティーノは完全にキレていたな(笑)
6失点してからの「副島サガン!」コールに、後半ロスタイムのCKでの「ノリヲ!」コール。
挨拶に来る選手たちには容赦ないブーイングを浴びせ、仕草でこちらに来ることを拒絶する。
三好がひとり列を離れて詰め寄ろうとするが、高橋範夫に静止されるといった一幕も。

サガンはジュニオールを退団させたことで、カブレリーゾまで追随してしまったのが痛手。
いずれもCFZ出身で、ジーコの息がかかっているだけに、ある程度は予想されたことだが。
メンバーを大幅に入れ替えて、連携はばらばら。4−3−2−1なんて練習してないと思われる。
川前や矢部を外した意図も不明だし。とどのつまり、フロントとベンチが癌だからなぁ(嘆息)

 

F・てーとく氏が日中に観戦した、"ベイスターズ−タイガース"よりも点が入ったのか……

川崎フロンターレ

前半サガン鳥栖

後半
会場:等々力陸上競技場/観衆:7973人
得点:1-0 今野 章(7分、アシスト=中村憲剛)
   2-0 今野 章(32分、中村憲剛、バルデス)
   3-0 中村憲剛(41分、アウグスト)
   3-1 佐藤大実(51分)
   4-1 バルデス(55分、今野 章)
   4-2 森 恵佑(65分、鈴木勝大)
   5-2 今野 章(68分、久野智昭)
   6-2 バルデス(71分)
   6-3 三好拓児(87分、ジュニーニョ)

川崎フロンターレサガン鳥栖
GK吉原慎也GK高橋範夫
DF箕輪義信DF鈴木勝大
DF渡辺 匠DF宮川 悟
DF伊藤宏樹DF三好拓児
FW69黄川田賢司DF中村祥朗
MF長橋康弘MF45小石龍臣
MF久野智昭MFジュニーニョ
MF山根 巌MF佐藤陽彦
MFアウグストMF井手口純
FW77伊藤優津樹MF森 恵佑
MF今野 章FW68ジェフェルソン
MF中村憲剛MF石橋直希
DF61岡山一成FW45服部浩紀
FWバルデスFW佐藤大実
SUB相澤貴志SUB藤川康司
SUB我那覇和樹SUB川前力也

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