川崎フロンターレ−アビスパ福岡 観戦記 点描

この日も2階席は開放しないようで、メインスタンドのいつもの場所になんとか2席を確保。
カツサンドも残念ながら売り切れ。有名になりすぎたか、30分前ではもはや駄目だな。
ちなみに、F・てーとく氏は今野と伊藤宏樹のサイン会の列に並んでいたらしい。

 

川崎フロンターレの布陣
GKは吉原。最終ラインは中央に渡辺匠、右に箕輪、左に岡山。サイドハーフは右に長橋、左にアウグスト。
中盤はボランチが山根と茂原、中央に中村。前線は我那覇とジュニーニョ。

アビスパ福岡の布陣
GKは水谷。最終ラインは右から立石、セルジオ、千代反田、宮本。
中盤はボランチが篠田と米田、右に宮崎、左に宮原。前線は林とベンチーニョ。

12分
ジュニーニョが中央やや左をドリブルであっさりと突破。ペナルティエリアに侵入して、横にはたく。
中村が体勢を整えてからグラウンダーのシュートを放つが、水谷が横に飛んでかろうじて弾く。
ゴール前にこぼれたボールを、我那覇が右足で易々と押し込んで、フロンターレが先制。
一連のプレーで、立ちはだかったアビスパのディフェンスは皆無。存在はしていたと思うが。

16分
ジュニーニョが篠田からあっさりボールを奪うと、ディフェンスを充分に引きつけて右の我那覇へ。
ペナルティエリア内から右足でシュートするが、水谷が体を倒してブロックする。
ジュニーニョに向かったディフェンスは3人、誰一人として我那覇を見てはいない。

17分
左サイドでベンチーニョのパスを受けて、宮本が左足で最終ラインの裏めがけてロングフィード。
ペナルティアークの手前から、岡山が戻りながらヘディングシュート(笑)
飛び出していた吉原とは入れ違いになり、ボールは転々として無人のゴールへ吸い込まれる。
岡山、DFに転向して何年目だ? バックパスはゴールマウスを外すのが鉄則だろうが。
吉原も声が出ていなかったので同罪。一言「キーパー!」と叫べば、間違いなく防げた失点。
そもそも、宮本のフィードに合わせられるアビスパの選手は、ひとりもいなかったわけで……

ちなみに状況は異なるが、きちんと叫んだ上でボールをキャッチしたにもかかわらず、味方のディフェンスにボールと一緒に脇腹をクリアされて、肋骨を折った経験が私にはある(苦笑)

30分
我那覇の右サイドでのキープから、茂原がドリブルで中央を突破し、左へと展開する。
中村がグラウンダーのシュートを放つが、惜しくも左のポストを叩く。
茂原が左へ展開した理由は単純明解。そちらにはディフェンスがひとりもいなかったから。

43分
ベンチーニョのペナルティアークのすぐ右からのFK。
右足でカーブをかけて直接ゴールを狙うが、吉原が拳を揃えてのパンチングで弾き出す。
全力で蹴ったというよりは、コースを狙った感じのシュート。
ベンチーニョはまれに素晴らしいゴールを決めるので……って、フロンターレはよく知っているか。

前半終了

48分
ジュニーニョがドリブルでセルジオ、千代反田をあっさりかわすと、ゴール正面で水谷と1対1に。
余裕を持って右足で放ったグラウンダーのシュートは、わずかにポストの左に外れる。
もしかして、アビスパのセンターバックはただ立っているだけで勤まるのか? 

55分
アウグストのペナルティエリアの左からのFK。
遠いサイドから、箕輪がディフェンスに引っ張られながらヘッドで合わせるが、水谷が正面で弾き返す。

63分
ベンチーニョの右サイドからのFK。右足でカーブをかけたボールを、吉原がパンチングでクリア。
ミドルレンジから、宮原がこれを左足でノートラップボレー。惜しくも左のポストに嫌われる。

66分
米田が左サイドの宮本にいったん預け、折り返しを受けると見せかけてスルー。
ベンチーニョが振り向きざまに右足でミドルシュートを放つが、ゴールの左に外れる。

70分
選手交代:林 祐征→太田恵介
前線で何もしていなかった187cmの電柱を引き抜いて、代わりに195cmの電柱を立てる。
おかげで"ヘディングで競り負ける箕輪"という貴重なものが見られたが、それだけだったな。

72分
選手交代:中村憲剛→伊藤優津樹
昨年5月に出場したのを最後に、1年以上も戦列を離れていた伊藤優津樹。前節からようやく復帰。

73分
左サイドで山根が立石のパスをカット。すかさず中央にはたいて、我那覇が左前方にパスを通す。
これを下がって受けようとしたジュニーニョが絶妙なスルー、その先に走り込んでいたのはアウグスト。
セルジオと立石の間にあっさり割って入ると、左足で水谷の股間を抜いてゴールネットを揺らす。
……アウグストかよ。
山根の横を駆け上がる姿を見たときから、ジュニーニョには青写真が描けていたのだろう。

千代反田は間に合わない我那覇のチェックに飛び出し、セルジオはジュニーニョに翻弄されていた。
ジュニーニョがボールを受けていても、同様にセルジオと宮本の間はがら空きだったわけだ。

75分
選手交代:宮原裕司→アレックス
ベンチーニョとセットで獲得したはずが、あっさりポジションを失っているアレックス。
そもそも、ベンチーニョとの相性で考えれば、獲得すべきはマーロンの方だったと思うのだが。

77分
自陣右サイドからのロングフィード。立石と千代反田の間に空いたスペースに、我那覇が走り込む。
ボールを落ち着かせると、ペナルティアークから左足でシュート。水谷がかろうじて弾き出す。
なぜあんなロングパスがいとも簡単に通るのか、不思議でならない。

79分
選手交代:立石飛鳥→川島眞也
前線に188cmの電柱がもう一本。宮崎が最終ラインに下がったようにも見えたが、3バックかな。
結論から言ってしまうと、いくらヘッドでボールを落としても、拾う選手がいなければ意味がない。

最終ラインは中央に千代反田、右にセルジオ、左に宮本。
中盤は右から宮崎、篠田、米田、アレックス。前線は右に川島、左に太田、中央にベンチーニョ。

84分
選手交代:長橋康弘→塩川岳人
塩川がこの時間帯に投入されるのは、恒例になりつつあるな。

ロスタイム(公式記録では89分)
選手交代:我那覇和樹→黄川田賢司
いわゆる時間稼ぎ。

後半終了

試合の感想
アビスパのディフェンスが酷すぎる。
その筆頭は篠田。前半だけで危険な位置でボールを失うこと三度、完全に足下が留守になっている。
ボランチでありながら、サイドバックの上がったスペースをカバーしないのでは話にならない。

前線や中盤の選手が守備をしようともしないのは、言わずもがな。
そもそも、ジュニーニョやアウグストにボールを持たれると、当たりにすら行かない。
一定の距離を保ちながらずるずると下がるだけの、いわゆる"アリバイ・ディフェンス"に終始。
唯一アウグストに当たりに行っていたのが、FWのベンチーニョという状態では……

中でも処置なしなのはDF、とりわけ中央のふたりには思わず匙(さじ)を投げたくなる。
門が開きっぱなしだから、人もボールも簡単に通してしまうのは当然。カバーリングの意識も皆無。
#千代反田は第二の鶴見になるかと期待したが、単にアビスパにしか行けなかったわけだ(笑)

思わず目を疑ったのは 72分の場面。
ジュニーニョが中央でボールを持ち、左に伊藤優津樹、右に我那覇がそれぞれ開いたのだが、あろうことか、DFはラインを揃えて下がり出したのだ。しかも、中央に収束するように。
……普通、左右のサイドバックは開いた選手をケアするよな?
……普通、ひとりはボールを持った選手にプレッシャーをかけるよな?
当たり前のことが当たり前のようにできないんだ、このチームは。そりゃ勝てないわ。
結論。水谷が不憫で仕方がない。

 

ペナルティエリアでボールをトラップして、前を向いて次のプレーを考え、それからシュートする。
ディフェンスが当たりに来ないので、フロンターレの選手にはこれくらいの余裕があった。
あまりに余裕がありすぎて、勝ち越すのに随分と時間がかかったのはどうかと思うが(苦笑)

それにしても、改めて驚かされるのはフロンターレの選手層の厚さ。
レギュラークラスに負傷者が相次いでいるというのに、戦力が落ちたとはまるで感じさせない。
もっとも、DFなどは本当にぎりぎりの人数しかいないようだが(神崎は員数外らしい)。

川崎フロンターレ

前半アビスパ福岡

後半
会場:等々力陸上競技場/観衆:4269人
得点:1-0 我那覇和樹(12分)
   1-1 OWN GOAL(17分)
   2-1 アウグスト(73分、アシスト=我那覇和樹)

川崎フロンターレアビスパ福岡
GK吉原慎也GK水谷雄一
DF岡山一成DF立石飛鳥
DF渡辺 匠DF79川島眞也
DF箕輪義信DFセルジオ
MFアウグストDF千代反田充
MF山根 巌DF宮本 亨
MF茂原岳人MF宮崎光平
MF長橋康弘MF篠田善之
MF84塩川岳人MF米田兼一郎
MF中村憲剛MF宮原裕司
MF72伊藤優津樹MF75アレックス
FWジュニーニョ FW林 祐征
FW我那覇和樹FW70太田恵介
FW89黄川田賢司FWベンチーニョ
SUB浦上壮史SUB塚本秀樹
SUB久野智昭SUB原田武男

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