川崎フロンターレ−水戸ホーリーホック 観戦記 点描

春爛漫……を通り越して、夏日。
とりあえず、1200円だったのでTシャツを1枚購入(欲しかったスヌーピー柄は子供用しかなく断念)。

先に到着しているF・てーとく氏は、どうやら箕輪のサイン会の列に並んでいる模様。
まぁ、確かにこんな機会は滅多にないだろうけど。伊藤宏樹はいつでも開催できるだろうしね……
私ですか? あまりの列の長さに、もちろんバックスタンド2階席に直行しましたが(笑)

 

川崎フロンターレの布陣
GKは吉原。最終ラインは右から久野、岡山、渡辺匠、アウグスト。
中盤はボランチが今野と山根、右に長橋、左に塩川。前線はジュニーニョと我那覇。

水戸ホーリーホックの布陣
GKは鏑木豪。最終ラインは中央にトゥーリオ、右に小川、左に森。サイドハーフは右に冨田、左に秦。
中盤はボランチがパンチョと栗田、右に樹森、左に山崎理人。最前線は小野。

31分
我那覇が左サイドに開き、アウグストがペナルティエリアに侵入。巧みなフェイントで冨田を翻弄する。
一気に縦に抜けると左足でふわっと浮かせ、近いサイドの長橋がヘディングでゴールに流し込む。
冨田がたまらずスライディングするのを待って、余裕を持ってクロスを上げたアウグスト。
J2では役者が違いすぎる。もちろん、タイミングを合わせて飛んだ長橋も素晴らしいけど。

44分
久野の左CK。アウグストとのワンツーから、戻りながら右足で狙い澄ましたクロスボールを上げる。
遠いサイドにひとり走り込んだのはジュニーニョ。フリーで易々とヘディングシュートを決める。
ジュニーニョを見送ることしかできなかったパンチョは、ゴールの瞬間思わず両手で顔を覆った。
アウグストの左足、そして久野の右足。いいキッカーが複数いると、ショートコーナーは効果的だね。

ロスタイム(公式記録では44分)
左サイドのスローインから、上がっていたトゥーリオがドリブルでペナルティエリアに切れ込む。
たどたどしいシザースフェイントで対峙する渡辺匠を幻惑すると、すかさず素早く右足を振り抜く。
ボールはわずかにカーブを描きながら、ゴール右隅へと鋭く突き刺さる。
思わず歓声をあげずにはいられなかったね、ボールの軌道をほぼ真後ろから見ていたんだけど。
残り時間を考えてのプレーだろうが、トゥーリオが自由に動けるのも栗田のカバーがあるからこそ。

前半終了

水戸ホーリーホックの布陣 そのに
サイドハーフ、冨田と秦の位置が前半と逆になっている。どうやらこっちが本来の並びらしい。
どうせアウグストには手玉に取られるのだから、あえて慣れない布陣を敷くこともないか(苦笑)

2分
自陣で岡山のパスを受けた山根が、不用意なプレーからパンチョにボールを奪われる。
こぼれ球を山崎がミドルシュート。右足から放たれたボールは、ゴール右上へと豪快に突き刺さる。
前田監督が「100本打って100本外れるようなシュート」とまで語った、山崎のファインゴール。
それにしても、フロンターレは簡単に集中を切らしすぎる。

55分
選手交代:我那覇和樹→バルデス
我那覇はさしたる活躍も見せてはいなかったが、それ以上にバルデスには期待できない。

62分
選手交代:塩川岳人→中村憲剛
矢継ぎ早に手持ちのカードを切ってくるが、いかんせん最初のカードが失着なだけに……

64分
選手交代:小野隆儀→フランク
小野は負傷交代。急遽、公称165cmのフランクを1トップに据えることに。岡山との身長差は22cm。

本日の入場者数
7420人は今季最高。風は強いが天気はいいし、味の素スタジアムとのはしごも可能だったし(笑)
加えて、かわしん杯少年サッカー大会の開会式があったらしく、ユニフォーム姿の小学生も多数。

73分
右サイドの山根のアーリークロス。ゴール前の競り合いで、ボールがペナルティアークにこぼれる。
アウグストが右足でシュートを放つが、鏑木豪がかろうじて枠の外に弾き出す。

76分
左サイドでアウグストのパスを受けると、ジュニーニョが左足でゴール前にクロスを上げる。
フリーのバルデスが後方に飛びながらヘディング。ゴールネットの上に引っかかる。

77分
選手交代:パンチョ→吉本岳史
昨年、横浜FCで2バックをやらされていた印象が強いが、吉本はそのままボランチの位置に入る。

78分
選手交代:長橋康弘→黒津 勝
中盤はボランチが山根と中村、右に今野、左にジュニーニョ。前線は黒津とバルデス。
ジュニーニョが中盤に下がるのはわかるが、今野と中村がポジションを入れ替えた真意は不明。

87分
右サイドに戻った秦のアーリークロス。遠いサイドに走り込んだ山崎のヘッドは、ゴールの右に外れる。

88分
中村の左サイドからのスローイン。エンドライン手前から、アウグストが左足でクロスを上げる。
ゴール正面でジュニーニョの足下に入るが、シュートは力なく鏑木豪の正面に飛んで行く。
不充分な体勢から放ったシュート。ジュニーニョは思わず天を仰ぐ。

ロスタイム
アウグストの左サイドからのFK。近いサイドの岡山がヘッドですらし、遠いサイドのバルデスへ。
左足でシュートすると見せて軽く浮かし、縦に抜け出して右足で強引にシュート。枠を大きく外れる。
トラップからフェイントまでの流れは見事。ただ、ボールが落ちてくるのを待ちきれなかったか。

後半終了

試合の感想
ゴールシーンだけをダイジェストにすると、いい試合だったように見えるんだろうな(苦笑)
4つのゴールはすべて個人の能力によるもの。もちろん、それが一概に悪いとはいえないが、お互いに攻撃の組み立てがままならなかった結果だからなぁ……

 

ホーリーホックは確かに強くなった。その立役者は山崎理人とレンタルで加入したトゥーリオ。
山崎理人は今年、またひとつポジションを上げた。もとよりキックの精度には定評のある選手である。
サイドバックというポジションは、彼にとっては枷(かせ)でしかなかったのかもしれない。

そしてトゥーリオ。彼が最終ラインに入ることで、守備の安定感が格段に増した。
縦横無尽に動き、強く、そして高い。攻撃をことごとく撥ね返す。高校時代の輝きが戻ってきた。
サンフレッチェが呼び戻すなんて噂もあるが、そんなことをしたら間違いなく反感を買う。

最後に前田監督についても触れておこうか。かつて横河電機をS級取得の足掛りにした人なんだが。
こうして成長した采配を見せられると、踏み台にされた甲斐もあったかなと(苦笑)

フロンターレについては、皮肉にもモンテディオ戦での岡山の発言が、最も正鵠を得ている。
「僕がスタメンで出られないくらい調子いいです」って、君が出れるようになった途端にこれだ(笑)
差し当って、バルデスに代わる外国籍選手だけは早急に探した方がいい。
この試合、一度としてトゥーリオに競り勝てなかった。往年のスピードも高さも、彼にはもはやない。

 

試合後は、武蔵中原駅から南武線に乗り、稲田堤で京王線に乗り換えて味の素スタジアムへ。
"FC東京−名古屋グランパス"を観戦したのだが、それはまた別のお話。
いや、J1の観戦記を書く気はさらさらないが(爆)

川崎フロンターレ

前半水戸ホーリーホック

後半
会場:等々力陸上競技場/観衆:7420人
得点:1-0 長橋康弘(31分、アシスト=アウグスト)
   2-0 ジュニーニョ(44分、久野智昭)
   2-1 トゥーリオ(44分)
   2-2 山崎理人(47分、パンチョ)

川崎フロンターレ水戸ホーリーホック
GK吉原慎也GK鏑木 豪
DF渡辺 匠DF小川雅已
DF岡山一成DFトゥーリオ
DFアウグストDF森 直樹
MF長橋康弘MF冨田大介
FW78黒津 勝MFパンチョ
MF久野智昭DF77吉本岳史
MF山根 巌MF栗田泰次郎
MF塩川岳人MF秦 賢二
MF62中村憲剛MF樹森大介
MF今野 章MF山崎理人
FWジュニーニョFW小野隆儀
FW我那覇和樹MF64フランク
FW55バルデスSUB澤田和樹
SUB浦上壮史SUB木澤正徳
SUB木村 誠SUB吉田賢太郎

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