湘南ベルマーレ−アルビレックス新潟 観戦記

平塚駅の駅ビル・ラスカの地下街でごはんを仕入れて、平塚競技場までは徒歩で向かうのが基本。
夏も近くなると、平塚市総合公園の親水広場では、子供たちが裸になって水遊びに興じている。
──ここで一句

試合開始一時間前には到着したのだが、PK合戦もスピードコンテストもすでに終わっていた。
そっか、今日がベルマーレのファミリーJoinデイだったのか……
余談だが、湘南シーレックスから神田大介、村西哲幸、南竜介の三投手が参加していたらしい。

ユニホームスポーサー発表会
河野太郎会長挨拶、ならびにブルームバーグ日本支社長 イアン・ファルマン挨拶。
ユニホーム袖部分のスポンサーにしては、契約金推定4000万円(期間は1年)ってのは高くないか?
背中の"nakata.net"が推定5000万円(期間は1年)だそうだから、なおさら……
ちなみにユニホーム贈呈式の選手代表は、右足はい腹筋部分断裂で戦列を離れている伊藤裕二。

湘南ベルマーレの布陣
GKは水谷。最終ラインは右から茂庭、サナブリア、川口、和波。
中盤はボランチが堀と田辺、右に小松原、左に高田保則、中央にゾノ。最前線に良香。
ゾノがボールを持つと、小松原と高田保則が前線に上がってくるので、4−3−3のようでもある。

アルビレックス新潟の布陣
GKは吉原。最終ラインは右から木澤、柴、高橋直樹、中野。
中盤はボランチが式田と寺川、右に本間、左に神田。前線は鳴尾と慎吾。

3分
慎吾の左サイドからのFK。遠いサイドの神田が飛び込んで足に当てるが、ゴールの左へ外れる。

10分
和波の左サイドからのアーリークロスに、遠いサイドの小松原が頭で合わせるが、ゴールの右へ外れる。

12分
木澤が右サイドを突破し、ディフェンスをかわして左後方の式田に戻す。
式田はダイレクトにゴール前に放り込み、鳴尾がヘディングシュートを放つもクロスバーの上。

22分
本間の左CK。高橋直樹がヘディングで合わせるが、ゴールの中にいた和波にブロックされる。

30分
右サイドから、和波のロングスローがゴール前に上がる。
混戦からこぼれたボールを、フリーのゾノが右足でシュートするも、宇宙開発。
うちゅう‐かいはつ【宇宙開発】(名詞)
シュートをゴールのはるか上にふかすこと。フリューゲルスの中盤の選手に多く見られる。

38分
左サイドから鳴尾がいったん戻し、中央やや左から上がってきた神田が左足でミドルシュート。
これが堀の足に当たって方向が変わり、ゴール前への絶好のパスとなる。
川口と和波の間から、本間が飛び出して右足で押し込み、アルビレックスが先制点をあげる。
川口にしても和波にしても足が止まっている、というか反応が遅すぎる。
和波に至っては、目の前を本間が通り過ぎるのを、ただ見送っているだけ。

39分
ゾノのパスを受けて、右サイドから良香がペナルティエリアに切れ込む。
切り返してディフェンスをかわし、再度切り返して角度のないところからシュートを放つが、距離を詰めていた吉原にブロックされる。

前半の感想
こんなに自由にプレーさせてもらっていいの? というか、ベルマーレかなりやばいんじゃない?
話には聞いていたけど、ディフェンスは足が止まっているし、全体的にプレッシャーは甘いし、中盤には大きなスペースが空いているし……
アルビレックスがリードして前半を終了したのって、今季初めてのことなんだよなぁ(しみじみ)

ハーフタイムイベント
y'z factoryによるミニライブ(といっても、歌ってはいなかったようだが)。
沖縄アクターズスクールの伊敷優香(15)、山田優(15)、屋宜由佳(15)によるユニット。
声がやたら甲高くて、トークがとても寒い。所詮、SPEEDの後輩か。
"少年ベルマーレ"と言い間違えたり、キングベルの持っていた旗が一振りで抜けたりで、もうぼろぼろ。

ラッキーボール抽選会。
スタンドに投げ入れられたボールをキャッチした人に商品が……って、それは抽選といえるのか?
この場合、ボールボーイ(誰が投げるかじゃんけんで決めてるし)の気分と遠投力しだい。

45分
選手交代:小松原学→酒井 良
選手交代:堀 孝史→磯崎敬太

湘南ベルマーレの布陣 そのに
一気にふたりを投入して、3バックに布陣を変更。
最終ラインは中央にサナブリア、右に茂庭、左に川口。サイドハーフは右に高田保則、左に和波。
中盤はボランチが磯崎と田辺、中央やや右ににゾノ。前線は酒井と良香。

51分
中央の神田が左サイドへ開き、中野がダイレクトに左足でゴール前に折り返す。
慎吾がダイビングヘッドを見せるも、ディフェンスにクリアされる。

52分
中野の左サイドからのクロスに、走り込んだ本間が合わせるがミートせず、ゴール右に外れる。

60分
中野が前方にフィードし、左サイド深くで鳴尾がボールをキープ、サナブリアと正対する。
鳴尾が抜きにかかるが、サナブリアが右手を強引にねじ込んで鳴尾を突き飛ばす。
片桐主審からサナブリアに、この日2枚目のイエローカードが出される。
サナブリア、退場。
まぁ、結構悪質なファウルだったからねぇ、警告もやむを得ないかなと。

湘南ベルマーレの布陣 そのさん
選手交代の準備が調うまで、最終ラインの右に高田保則、左に磯崎を下げて、急場を凌ぐ。
ゾノまでボランチに下がっていたのに、なぜか和波だけが左サイドで攻撃せんと……

62分 選手交代:田辺和彦→高田哲也

湘南ベルマーレの布陣 そのよん
サナブリアの抜けた穴を高田哲也で埋め、ボランチを一枚減らして対応する。
最終ラインは中央に高田哲也、右に川口、左に茂庭。サイドハーフは右に高田保則、左に和波。
中盤はボランチが磯崎、中央やや右にゾノ。前線は右に酒井、左にやや引き気味の良香。

70分 選手交代:神田勝男→ナシメント

73分
中央やや右で、後方から入ったボールを、慎吾がヒールで浮かせてディフェンスの頭上を越し、ペナルティエリアに入り込んで、遠いサイドでフリーのナシメントにパスを通す。
ナシメントは切り返してからシュートを放つが、ディフェンスにブロックされ、さらにこぼれ球を拾って式田がシュートするが、水谷に正面で易々と押さえられる。
ナシメントはシュートまでの時間がかかりすぎる。ボールを受ける体勢が悪すぎるんだ。

78分 選手交代:寺川能人→堂森勝利

83分
センターサークルからのFK。ボールは直接ゴール前に放り込まれる。
高田保則がナシメントに引っ張られて転倒。ベルマーレにPKが与えられる。
ペナルティエリア内で、不用意にユニホームなんぞ引っ張りやがって……(怒)
応援しているチームの選手に対して、これほど強い憤りを覚えたことはなかったよ。

84分
ゾノがPKを落ち着いてゴール左に沈め、ベルマーレが同点に追いつく。

85分
選手交代:本間 勲→服部浩紀
アニキは前線の左に入り、慎吾が一列下がって中盤の左に、ナシメントが中盤の右にまわる。

87分
鳴尾が左サイドで川口をかわし、ペナルティエリアに切れ込んでシュート。
ディフェンスにブロックされる。
──というか、スライディングした際に上げていた手に当たっていなかったか?

88分
アルビレックスのCKからのカウンター。
高田保則が右サイドからミドルシュートを放つが、アウトにかかって大きく右に外れる。

ロスタイム(91分)
慎吾の左サイドからのクロスが水谷に弾かれ、右サイドにこぼれたボールを木澤が拾う。
木澤はドリブルで中へ切れ込んで、遠いサイドを狙ってミドルシュートを放つが、ポストの上へ外れる。

ロスタイム(92分)
堂森が右サイドを持って上がり、ゴール前のナシメントに折り返す。
ところがナシメントは足下でこねまわしたあげく、シュートチャンスを逸しただけでなく、苦し紛れに放ったシュートはふわっと浮いて、クロスバーのはるか上を越えていく。

後半の感想
ナシメントが出場してからは、得点が入る気がしない。アニキが出場してからは、なおさら……
得点される気もしなかったんだけど、「1点差なんて交通事故で──」と話していた矢先のPK。
ベルマーレの選手には、もうボールを奪おうという気力すら残っていなかったのに。

91分
慎吾がドリブルで中央を突破し、ペナルティエリアのナシメントにパスを通す。
ナシメントが戻して、慎吾が左足でミドルシュートを放つが、アウトにかかってゴール左に外れる。

92分
高田保則がドリブルで右サイドを上がり、ハーフウェーラインを越えたところで、慎吾に倒される。
片桐主審からすかさずイエローカードが出され、続いてレッドカードが出される。
前半によくわからない警告があったので、てっきり慎吾が退場を命じられたのかと思ったのだが、ピッチを後にしたのは、倒されたはずの高田保則(前半に警告を受けたのは高橋直樹だったらしい)。
高田保則、退場。
ビデオで確認するとわかるが、慎吾のスライディングとは無関係に、高田保則は倒れている。
つまりはシミュレーション(もしくはダイビングでも可)を取られたということ。
ゴールに直結するプレーでなくても、イエローカードが出されるんだぁ(ふ〜ん)

95分
堂森の左CK。右足でカーブをかけたボールが、ゴール前に上がる。
近いサイドで茂庭が戻りながらヘディングするが、クリアは充分ではなくボールはそのまま流れ、遠いサイドでナシメントと競っていた磯崎の後頭部に当たって、サイドネットを揺らす。
崩れ落ちる磯崎、そしてガッツポーズで喜ぶナシメント……って、お前のゴールではなかろう。
おかげで公式記録までナシメントのゴールになってるよ。まぁ、近いうちに修正されるとは思うが。

良香が片桐主審に対して拍手を送っていたが、あれはどう考えても皮肉だよなぁ。

主審  片桐正広
1999年             2000年
新潟−甲府(第4節)警告3   柏−市原(ちばぎん)警告2 退場:洪明甫 退席:ザムフィール
山形−大宮(第8節)警告6   湘南−仙台(第1節)警告6 退場:リカルド
甲府−仙台(第21節)警告3   浦和−大宮(第3節)警告5
甲府−山形(第32節)警告8   新潟−仙台(第6節)警告11 退場:伊藤卓、リカルド
                甲府−水戸(第8節)警告2
                湘南−新潟(第11節)警告10 退場:サナブリア、高田保則
自己顕示欲のかたまり。

神田勝夫
レッズ戦は劣勢でしかも隔離席からはかなり遠かったので、大して注視はしていなかったのだが、この試合のようにある程度ボールを支配できれば、彼のよさが際立つことを実感。
足下の技術がしっかりしているから、簡単にボールを奪われたりしない。中盤でためもつくれる。
ただ悲しいかな、そのことと展開力やシュートの精度はまた別の話なんだなぁ。
中盤に使える選手がいないだけに、現時点では彼を起用するのもやむを得ないとは思うが……

寺川能人
ボールを持っている相手に対して、一向に当たりに行かないボランチなんて、意味ね〜よ。
距離を詰めるだけで、ボールを奪おうという意思が感じられない。
球離れだけは人一倍早いのだが、それも単なる責任回避にすぎないしぃ。
中盤の前の方が向いているのかもしれないが、それはそれでフィジカルの弱さが問題になる。
昨年のジェフサポーターの気持ちは、痛いほどよくわかる(開幕戦の観戦記でも書いたが)。
──というか、彼の名前はすでにスタンドから嫌というほど叫ばれてるけどね(苦笑)

湘南ベルマーレ 評
ただでさえ守備をしないゾノがいるのに、本来はFWの小松原と高田保則を中盤で起用すれば、ボランチに負担がかかるのは当然。中盤に大きなスペースができて当然。4−2−4になって当然。
主導権を握れば面白いサッカーになるのかもしれないが、アルビレックス相手にこれでは(嘆息)
ヴェルディでも順位表の底を這っていたし、やはり加藤久には監督としての資質が欠けているよ。
強化委員会の委員長としても、どうかと思うが……
まぁ、J1昇格は夢のまた夢だね。

アルビレックス新潟 評
クロスの精度が高かった。シュートで終わることができた。本数もベルマーレの倍以上だった。
でも── 「勝った〜〜!」と、素直に喜べる試合内容ではないわな。
脅威にもならない寺川、俺様プレーのナシメント、足の止まっているアニキ(服部)。
相変わらず、問題は山積したままだ。とりあえず、堂森の復調だけは収穫だったが。

湘南ベルマーレ

前半アルビレックス新潟

後半
延長前半
会場:平塚競技場/観衆:5781人
得点:0-1 本間 勲(38分、アシスト=神田勝男)
   1-1 前園真聖(84分、PK)
   1-2 OWN GOAL(95分)

湘南ベルマーレアルビレックス新潟
GK水谷雄一GK吉原慎也
DF茂庭照幸DF木澤正徳
DFサナブリアDF柴 暢彦
DF川口卓哉DF高橋直樹
DF和波智広DF中野圭一郎
MF小松原学MF式田高義
FW45酒井 良MF寺川能人
MF堀 孝史MF78堂森勝利
MF45磯崎敬太MF本間 勲
MF田辺和彦FW85服部浩紀
DF62高田哲也MF神田勝夫
MF高田保則FW70ナシメント
FW前園真聖FW鳴尾直軌
FW松原良香FW鈴木慎吾
SUB廣石亮二SUB木寺浩一
SUB渡辺淳一SUBセルジオ

注釈:時間は手元の時計で計っていますので、1分程度の誤差はあります。

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