浦和レッズ−アルビレックス新潟 観戦記

この日はダブルヘッダーを予定していたのだが、身内の法事と時間が重なってしまったため、西が丘で行われたJFL開幕戦、横河FC−ジヤトコ・TTの一戦は観戦を断念。

試合開始一時間前には到着したが、予想に反して隔離席の人影はまばら。
昨年の天皇杯では、レプリカを身にまとったサポーターが、まとまって応援していたのだが……

天皇杯では完敗しているだけに、アルビレックスとしては勝って雪辱を……無理だろうなぁ(嘆息)
すでに終了しているモンテディオ−ヴァンフォーレの結果を受けて、
「負けても3点差以内であれば、今節最下位に転落することはない!」
なんて会話が交されているようじゃ(いや、計算していたのは他ならぬ私なんだけど)。

浦和レッズの布陣
GKは田北。最終ラインは右から山田、西野、室井、内舘。
中盤はボランチがペトロビッチと石井、右に福永、左に永井。前線は岡野とクビツァ。

アルビレックス新潟の布陣 前編
GKは木寺。最終ラインは中央に高橋直樹、右にセルジオ、左に中野。サイドハーフは右に木澤、左に慎吾。
中盤はボランチが式田と秋葉、中央に神田。前線はナシメントと鳴尾。

──と判明したのは、実際は前半も終了間際になってからのこと。(後編につづく)

4分
ゴール正面、ペナルティアークのわずかに外側からのFK。
福永が右足で蹴ったボールは、壁に当たってコースが変わり、ゴール左に吸い込まれる。
セルジオの不用意なハンドから、あっさり先制点を許してしまった。
相変わらず、前途多難である。

14分
慎吾の左サイドからのクロスに、遠いサイドの木澤が合わせるが、ディフェンスにブロックされる。

15分
右サイド深くで岡野がボールをキープして、中野から受けるプレッシャーをものともせず、振り向きざまにゴール前にクロスボールを上げる。
高橋直樹をかわしてフリーになった永井がヘッドで合わせるが、ゴールの左に外れる。
184cmという長身からは想像つかないが、永井のヘディングが下手なのはあまりに有名。
今回はそれに助けられたわけだが、中野も高橋直樹もまるで役に立っていない。

30分
ペトロビッチの右サイドからのアーリークロスに、ゴール前で西野がヘディングで合わせるが、ディフェンスが体で防いで辛くもクリアする。

39分
右サイドのペトロビッチが、守備に戻った慎吾を歯牙にもかけず、ゴール前にクロスを上げる。
福永と岡野が重なってしまい、ヘディングシュートのはずが岡野のハンドになる。
福永は完璧なタイミングで走り込んだのだが、岡野が無理に突っ込んだかたちになってしまった。
周囲が見えていないというか、なんというか……

前半の感想
早い時間帯にレッズが先制点をあげたものの、攻撃が機能していたようには思えない。
190cmのクビツァにボールを集めるものの、当のクビツァはセルジオの激しいマークにあって、思うようにプレーできていない。というか、胸ぐらをつかんで殴り合う場面も……
そもそも長身の選手めがけて単純に放り込む、ってのは昨年の盛田で懲りたはずでは?
アルビレックスについては、語る必要性すら感じられない。

アルビレックス新潟の布陣 後編
ストッパーに本職の柴ではなく左サイドの中野を起用したため、一見4−4−2とは大差なく思える。
おそらくは相手の意表を突くという狙いもあったのだろう。
事実、私も慎吾が最終ラインまで戻ってディフェンスするまで、3−5−2という確信は持てなかった。

私の後方に座った男性は「木澤がMFだ、JFL以来の3バックだよ」と驚いていた。
とりあえず、私からも一言だけ言わせてもらおう。
「本当に練習したんだろうな、おい(怒)」

60分 選手交代:クビツァ→大柴健二

65分
式田の左CK。ディフェンスに跳ね返されるが、再度式田が右足でクロスボールを入れる。
慎吾がダイレクトに左足でボレーシュートを放つが、わずかにゴールの左に外れる。
アルビレックスがレッズのゴールを脅かした、おそらく最初で最後のプレーであろう。

71分 選手交代:ナシメント→服部浩紀

72分
福永の左CK。室井のヘディングシュートは、クロスバーをかすめてゴールへ吸い込まれる。
木寺は飛び出しかけて戻ろうとする最中、室井をマークすべき選手はただ立ち尽しているだけ。
──というのは、いったいどういうことよ? ただただ、呆れ果てるばかり。

79分
山田が右サイドから折り返し、ペナルティエリア内でペトロビッチが受けたところで、ディフェンスがスライディングタックルで倒してしまい、主審のホイッスルが鳴り響く。

79分
岡野がPKをゴール左に蹴り込んで、試合をほぼ決定付ける3点目が入る。
岡野がキッカーと知ったときのレッズサポーターのどよめきといったら……
志願して福永に代わってもらったらしいが、アルビレックスは相当なめられているらしい。

80分 選手交代:永井雄一郎→吉野智行

83分
選手交代:神田勝夫→堂森勝利
選手交代:木澤正徳→井上公平
この交代の是非はともかくとして、なぜアニキが右ウイングバックに移らなければならないのか。
永井監督はどうやらこの試合に勝利する気はないらしい。

85分
左サイドで内舘のパスを受けた福永が、ディフェンスの裏に簡単にボールをはたく。
走り込んだ岡野があっさりセルジオをかわして、ペナルティエリアの外から右足を振りぬく。
木寺は一歩も動けないまま、ボールはカーブを描いてゴール右隅に突き刺さる。
岡野にここまでいいようにあしらわれるとは……(嘆息)

85分 選手交代:ペトロビッチ→広瀬 治

88分
秋葉のパスを受けて、慎吾が左サイドからペナルティエリアに切れ込むが、後方から潰される。
さらにこぼれ球を拾ったアニキが、左サイドで室井の後方からのタックルで文字通り潰される。
──が、PKは取ってもらえない。それどころか笛すらも吹かれない。
室井のスライディングは、イエローカードが出されなかったのが不思議なくらい悪質だったと思うが。

ロスタイム(90分、公式記録では89分)
レッズの速攻。中盤の吉野から、中央やや左を全力で上がる福永へパスが通る。
福永はワンタッチでペナルティエリアに入り込み、セルジオが体を寄せる前に左足でシュート。
グラウンダーで木寺の脇を抜いて、右のサイドネットへきっちりと沈める。
あぁ、アニキの裏のスペースだ。

ロスタイム(92分、公式記録では89分)
室井がきれいなヘディングからゴールを割り、岡野、福永と並んでこの試合2点目をあげる。
え、違うって? 自陣のゴールだからOWN GOALだって? 気にしない気にしない。
PKを除けば、アルビレックスの得点は307分(ナビスコ杯を含めれば397分)ぶりのことなんだし。

後半の感想
追加点を奪われるまでは、間違いなくアルビレックスのペースだった。
といっても、あくまでボールを支配しているだけで、得点する気配があったわけではない。
終盤立て続けに失点したことについては、語る意欲すら失せる。とにかく酷かった。

室井市衛
「Fumieさん、市衛のプレーってなんか汚くないですか?」
「鹿ですから」
……御意。

クビツァ
昨年はマカビー・テルアビブに在籍し、イスラエルリーグで得点王に輝いたストライカー。
身長が高いだけでシュートはからっきし上手くないし、基本的には木偶坊(でくのぼう)なんだけど、 なぜかエンドライン手前からのグラウンダーのクロスだけは、やけに正確なんだよなぁ。
ここに記した理由? 選手名鑑にも掲載されていないし、来季もいるかどうかわからないじゃん。

マルコ
第1節には登録が間に合わず、第7節を待たずして戦力にならないことが判明した外国人選手。
ここに記した理由? 選手名鑑には掲載されているけど、来季は確実にいないからに決まってるじゃん。

浦和レッズ 評
ここまでJ2では連勝街道をひた走ってはいるが、いいサッカーをしているわけではないらしい。
6勝、得点20、失点3という数字だけを見れば、圧勝しているかのような錯覚に陥るかもしれないが、この試合を観戦した人であれば、それが明らかな間違いであるとわかるだろう。

小野と阿部が戦列を離れており、本来であれば前線にいるべき福永と永井を中盤で起用せざるを得ない ──というチーム事情と無関係ではないだろうが、個人技だけで得点しているような印象を受ける。
#福永は中盤の選手だとは思うが、コンビネーションという点ではまだまだ課題が残る。

アルビレックス新潟 評
いくら元日本代表でボールがキープできるからといって、神田がトップ下ってのはどうよ。
いくらアルビレックスでは足が速い方だからといって、慎吾が左サイドハーフってのはどうよ。
急造サイドハーフで、スピードのある山田に太刀打ちできるとでも思っていたのだろうか。
パートナーはアニキでも鳴尾でもかまわない。頼むから慎吾は前線で起用してやってくれ(懇願)

得点できそうな気がしないからだろうが、追加点を奪われてからがたがたに崩れるのは問題。
せめて集中力だけは切らさないでほしいんだけどなぁ。

永井良和監督
アクションサッカーに挑戦して1勝5敗──
「仕掛けてやられているわけではない、互角にやれていた」

…………(怒)
もし本気で言っているんだとしたら、解任される日は近いぞ。
リアクションサッカーからアクションサッカーへの転換、そして不可解な選手起用。
誰かに似ていると思ったら、レシャックだわ(笑)

浦和レッズ

前半アルビレックス新潟

後半
会場:浦和市駒場スタジアム/観衆:16610人
得点:1-0 福永 泰(4分、FK)
   2-0 室井市衛(72分、アシスト=福永 泰)
   3-0 岡野雅行(79分、PK)
   4-0 岡野雅行(85分、福永 泰)
   5-0 福永 泰(89分、吉野智行)
   5-1 OWN GOAL(89分)

浦和レッズアルビレックス新潟
GK田北雄気GK木寺浩一
DF山田暢久DF木澤正徳
DF西野 努DF83井上公平
DF室井市衛DFセルジオ
DF内舘秀樹DF高橋直樹
MFペトロビッチDF中野圭一郎
MF85広瀬 治MF式田高義
MF石井俊也MF秋葉忠宏
MF福永 泰MF神田勝夫
MF永井雄一郎MF83堂森勝利
MF80吉野智行MF鈴木慎吾
FW岡野雅行FW鳴尾直軌
FWクビツァFWナシメント
FW60大柴健二FW71服部浩紀
SUB西部洋平SUB吉原慎也
SUB城定信次SUB寺川能人

注釈:時間は手元の時計で計っていますので、1分程度の誤差はあります。

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