東武野田線に大宮公園駅というのがあるが、ＪＲ各線の大宮駅からでも充分歩ける。
大宮駅東口を出たところにそれとわかる人がいて、道を教えてくれたのには好感が持てた。
もっとも──中央通りを直進して氷川参道と交わったら左折、後は氷川参道をひたすら直進──という、方向音痴の私ですら絶対に迷わないであろう道程ではあったが。

ゴール裏のチケットは前売券も当日券も大人800円と格安だが、コンクリートがむき出しなので敬遠。
われわれは前売券1300円（当日券1500円）の、スタンダードシートを選択。
"月刊アルディージャＮＥＷＳ"と"埼玉新聞"を受け取り、メインスタンドのアウェイ寄りに陣取る。

オープニングセレモニー
地元の小学校の女子生徒による、マーチングバンドの演奏。
われわれの隣の一画に置かれたかわいらしいお弁当箱は、彼女たちのものだったのね（納得）
大宮市長の挨拶もあったが、面白くもないので割愛。

大宮アルディージャの布陣
ＧＫは白井。最終ラインは右から上村、ヤン、奥野、菊池利三。
中盤はボランチが浮氣と氏家、右に原崎、左に岡本。前線はジョルジーニョと野口。

アルビレックス新潟の布陣
ＧＫは吉原。最終ラインは右から木澤、セルジオ、高橋直樹、神田。
中盤はボランチが秋葉と寺川、右に堂森、左に慎吾。前線はアニキ（服部）と鳴尾。

専門誌の予想布陣では、最終ラインは右から木澤、セルジオ、神田、中野となっていたが──
どう考えても、神田のポジションは左サイドバックが最適でしょう。
ディフェンス唯一の不安は、成長著しい高橋直樹ではなく、左サイドの中野だったのだから。

26分

後方からのフィードを受けて、野口がペナルティエリア内でボールをキープする。 野口が戻して、上がってきた岡本が右足でミドルシュートを放つが、大きくクロスバーを越える。

28分

右サイドでパスを受けたジョルジーニョが、前方にはたいて自らは中へ切れ込む。 野口が角度のないところから思い切ってシュートを狙うが、わずかにゴールの左に外れる。

35分
ペナルティエリア右の浮き球を、白井よりも先んじた鳴尾がヘディングで押し込もうとする。
白井の頭上は越えたものの、カバーに入った奥野にタッチラインにクリアされる。

38分

氏家がボールを奪って左サイドに展開し、野口がドリブル突破からゴール前にクロスを上げる。 遠いサイドに走り込んだジョルジーニョが、上体を大きくひねってヘディングで合わせる。 コントロールされたボールが吸い込まれ、アルディージャが先制する。

ゴール前では吉原が振られ、セルジオが振られ、でもってジョルジーニョは完全にフリー。
それにしても、ジョルジーニョのゴールパフォーマンスはいったい……　演舞か何かか？

前半の感想
決定機こそ数えるほどだったが、明らかにアルディージャの選手の方が動きがいい。
印象に残ったといえば、後はゴール前でのヤンとセルジオの競り合いくらいだろうか。

50分
接触プレーで寺川が傷み、アルディージャがボールをタッチラインに蹴り出す。
ところが、スローインを受けた寺川はパスを出そうと周囲を窺っている。

お前が倒れていたんだろうが、さっさと返してやれよ……（苦笑）

51分
木澤が横を抜けんとするパスを、とっさに左手を出して止める。

それはもう、見事なくらい意図的な神の手。
イエローカードを一枚もらっている選手のプレーか？　注意で済んだのが不思議なくらいだ。

52分

ペナルティエリアでジョルジーニョがディフェンスを背負い、振り向きざまに強烈なシュートを放つ。 右足から放たれたボールは、横に飛んだ吉原によって、かろうじてエンドラインに弾き出される。

59分
寺川がドリブルで切れ込んでパスを出し、慎吾がゴールに背を向けながらダイレクトに横にはたく。
鳴尾がディフェンスと競りながら、ゴール右隅にきっちり沈めて同点に追いつく。
やれやれ、やっと寺川がゴールを向いて仕事をしてくれたよ……（嘆息）
少し前から何度となくパスが流れるようにつながっていたので、得点は予想通りかな。

61分

右サイドで上村がボールを奪い、いったん氏家に預けて、自らはペナルティエリアに走り込む。 リターンパスを受けた上村が、飛び出した吉原を嘲笑うかのように、ふわりと浮かしてゴールに沈める。

なんだかなぁ……　なぜに、こうもあっさり失点を許すかなぁ。

61分
選手交代：堂森勝利→式田高義
上村のゴールが先か、それとも式田の投入が先か。たぶんこの順番だと思うけど、ちょっと自信なし。

65分

ゴール前の混戦から、浮いたボールを原崎がオーバーヘッドで狙うが、ゴールの右に外れる。

吉原は混戦に顔を出していたので、ゴールは無人だったのだが……
トラップしてから振り向いてシュートしても、充分間に合ったのではないだろうか。

69分
選手交代：秋葉忠宏→ナシメント
ナシメントは服部と鳴尾の後方に入り、３トップ気味の布陣に変更する。

73分
左サイドからのＦＫ。慎吾が左足で蹴るか、式田が右足で蹴るか──　で、式田がゴール前に上げる。
セルジオが潰されながらもヘディングで合わせるが、白井に真正面で押さえられる。
どちらかといえば、ボールの方から白井の胸の中に飛び込んできたという感が強い。
シュートの威力は充分だったので、左か右にちょっとずれていてくれれば……

78分
木澤が右サイドを鋭くえぐってクロスを上げるが、ゴール前のナシメントにはタイミングが合わない。

78分

選手交代：菊池利三→横山雄次

横山は中盤の右に投入され、岡本が本来の左サイドバックに下がる。
＃横山は右のウイングバック、岡本は左のストッパーで、３バックに布陣変更したようにも見受けられたが、
＃アルディージャの布陣にはあまり注意を払っていなかったので……（誰か教えて）

86分

選手交代：ジョルジーニョ→磯山和司

時間稼ぎのために、新戦力の加入でポジションを失った磯山を投入。
月刊アルディージャＮＥＷＳによると、昨年のチーム得点王……って、ちょっと待て。
磯山は７得点、チーム得点王は９得点をあげたヨルンだろうが。

あれ、ヨルンが暴漢に襲われて左目を摘出する重傷を負ったのは、５月20日の話だぞ。
それから24試合もあって、誰も彼の得点を越えることができなかったのか？
……って、よくよく考えたら、アルビレックスにもヨルンの得点に達している選手はいないわ（苦笑）

89分
右サイドから木澤がアーリークロスを上げ、遠いサイドの鳴尾がゴール前に折り返す。
アニキが左足で強烈なシュートを放つが、わずかにゴールの右に外れる。
鳴尾の折り返しがマイナス方向だったため、アニキのシュートは戻りながらになってしまった。
そのぶんだけ体勢が崩れ、狙いが定まらなかった……ということにしておこう。
一昨年八月以来のフル出場で、スタミナが残っていなかった可能性の方が高いから……

ロスタイム
後方からのフィードに、鳴尾がダイレクトに右足ボレーで合わせるが、大きくふかしてしまう。

後半の感想
アルビレックスのペースだったのは、同点に追いつくまでの数分間だけ。
式田の投入で変わりかけたリズムも、ナシメントがあっさり台無しにしてくれたし……
鳴尾への縦パスに終始した、アルビレックスの攻撃の無策ぶりだけが目についた。

ジョルジーニョ
とにかく身体能力が高い。ひとりで局面を打開できる、スピードとテクニックを有している。
シュート力も非凡なだけに、前を向いてボールを持つだけで相手にとっては脅威になる。
相変わらず、このクラブはいい外国人選手を連れてくる。

ナシメント
はっきり言って"はずれ"。ボールを持ちすぎて、周囲がまったく見えていない。
いくら前線でフリーになっても、ボールが回ってこないのでは、アニキが怒るのも無理はない。
所詮、パープルサンガにやってきた交換留学生。出番がなかったのもうなずける。
相変わらず、このクラブは使えない外国人選手を連れてくる。

木澤正徳
おそらく、日本で一番攻撃的な右サイドバック。
相手のオフサイドラインとともに上下するサイドバックなんて、通常ではまず考えられないだろう。
守備に戻るのが遅すぎるという批難もあるが、他に攻撃の起点がないのだから仕方がない。
ちなみにＰＫを蹴ることもある（苦笑）

大宮アルディージャ 評
野口とジョルジーニョのコンビネーションが成熟すれば、上位クラブにとっては脅威になる。
ディフェンスさえ安定すれば、思わぬダークホースになるかもしれない。
あくまで、ディフェンスが安定すれば──　の話ではあるが。
氏家のボランチ、奥野のセンターバックぶりには、まだまだ不安が残るので。

アルビレックス新潟 評
前途多難、というか問題外……　なにはさておき、中盤がまったく機能していない。
横にしかパスの出せない秋葉、積極性を欠いたプレーに終始した寺川、存在感すらなかった堂森、そしてほとんど経験のない中盤で起用され、実力の半分も発揮できなかった慎吾。
セトハルと水越の抜けた穴が埋まるのは、はたしていつのことやら（嘆息）
とりあえず、昨年寺川に罵声を浴びせていたジェフサポーターの心情は、充分すぎるほど理解できた。