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真実か挑戦か - 読者の回答

97/7/1

14歳の少年によると見られるこの殺人事件は、教育システムに対する反逆である。 真か偽か?

偽。それは教育に留まらずすべてのシステムに対する反逆のように見える。 彼自身がそう表現したように、それをゲームとして見るべきではないだろうか。 彼は現行の少年法により、彼が刑事裁判で裁かれず、 最大 2 年間を少年院で過ごさねばならなくなるだけであることを知っていたかも知れない。 そして、今が殺人を犯す最適な時だと考えたかも知れない。 我々に出来るのは、敗北を認め、彼と同い年の少年や少女達をそっとしておくことではないだろうか。
Kenji

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97/7/2

殺人事件の14歳の容疑者の写真は、彼の人権の保護のため、公開されてはならない。 真か偽か?

偽。写真は、彼が未成年であるため、完全に人権を与えられていないがため、 公開されてはならない。 完全に人権が与えられていない人に対して、我々は責任を問うことはできない。 それはフェアではないからだ。
Kenji

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97/7/3

あなたは、過去の事象をあなたの望むどのような視点からも追体験できる。 真か偽か?

すべての事象がこのように追体験できるわけではないが、 僕は最近、 二つの歴史的なイベントがTVで何度も繰り返し違った視点からレポートされているのを見ている: 香港の中国への回帰とマーズ・パスファインダーの火星着陸である。
Kenji

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97/7/4

我々には地球を救うことはできない。 真か偽か?

真。地球は我々の助けを必要としない。 それは生き続けるだろう。 我々は自らを救わなければならない。
Kenji

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97/7/5

将来、地球外生物が地球を侵略することは起こりがたい。 真か偽か?

真。侵略というのは地球上の人間の概念であり、 人間の理由付けがそれが有益であると認めた場合のみ起こりうることである。 地球外生物について、人間の理由付けは地球の侵略が有益であるような場合を認めない。
勿論、将来我々の中から地球を出る者達が現れ、 その者達が地球上の資源を彼らにとって有用だと認めた場合なら話は別である。
Kenji

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97/7/6

ソフトウェアはほとんど生きているといってよい。 真か偽か?

真。生命はその定義上、ハードウェアではない。 生命は、ハードウェアを利用して自らを繁殖させるものである。
Kenji

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97/7/7

幽霊は人間である。 真か偽か?

真。幽霊は、ロボットがそうであるように、人間の抽象であり、 我々が他人をどのように理解するかを示している。
Kenji

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97/7/8

直観は自然を理解するために役立つ道具である。 真か偽か?

偽。我々の直観は、自然選択の過程を経て、 人間とその周囲の現象を理解するために役立つように設計されてきている。 人間の時間や空間のスケールとマッチしないものを理解しようとするとき、 直観は全く役に立たず、 いつもメタファーを用いてその困難を切り抜けなければならない。
Kenji

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97/7/9

情報は創造の重要な源である。 真か偽か?

偽。ほとんどの情報は注意を散漫にさせて終わる。 ただし、13 - 19 歳にかけて得た情報は役に立つようだ。
Kenji

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97/7/10

狂気は伝染する。 真か偽か?

真。狂気は概念である。 正確には、狂気は大多数の人々にとっては受け入れられないような概念の集合である。 どんな概念も、言葉によって伝えられるので、伝染するといえる。 したがって狂気も伝染する。
Kenji

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97/7/11

歴史は現在の我々が抱える殆どの問題に解答を用意している。 真か偽か?

人間の抱える問題の種類には限度があり、 そして人間は、少なくとも過去 1 万年は変化していないため、真。
Kenji

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97/7/12

火星は将来、人々が移り住むべき場所である。 真か偽か?

偽。別の存在が住んだ方がいいと思う。
Kenji

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97/7/13

大量生産は、面白いアイデアが減ることを意味する。 真か偽か?

真。面白いアイデアは小人数によく理解される傾向にある。 もし、つまらないけれどもより安価なアイデアがあれば、 そちらの方がマス・マーケットではよく売れることになる。
Kenji

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97/7/14

我々がすることすべては音楽である。 真か偽か?

真。音楽の最も顕著な特徴は時間軸に沿った変化である。 そしてそれは我々がすることすべてに見られる。
Kenji

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97/7/15

人間の心を持つ猫に人権は与えられるべきである。 真か偽か?

真。人間がそれを検知しない限り、 その猫に人間の心があるとは分からなかったはずである。 ということは人間とその猫の間に社会的な交流があったということであり、 それが人間であるということのすべてなのである。
Kenji

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97/7/16

学校のシステムはあなたの自由を束縛する。 真か偽か?

学校が自分の現実感の中心に置かれている場合に真。 しかし学生は、学校の外にも生活はあることを認識すべきだろう。
Kenji

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97/7/17

死体は生命について理解するよい出発点である。 真か偽か?

反対する理由はない。
Kenji

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97/7/18

教育システムはサディストとマゾヒストを生み出すようにデザインされている。 真か偽か?

真。日本では、 明らかに教育システムは生徒に対して社会的なボンデージを強制している。 しかし、どんな社会においても、 生徒に 100% の自律性は与えられないのだから、 教育システムはボンデージ機関として機能する。 生徒はどんな場合でも、ある程度は教師の制御下にある。 だから、 そのような生徒が将来会社員になって誰かの制御下に置かれたがるのは当たり前である。 それが霊長類の生きる道であろう。
Kenji

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97/7/19

愛は破壊的である。 真か偽か?

真。 愛は、 あなたの脳が何かもしくは誰かがそうあるべきだと考えるように外界を操作するもので、 結果として周囲の環境を破壊的に変化させようとするものである。
Kenji

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97/7/20

死体は安心を与える。 真か偽か?

真。それは我々の物理的根拠を明らかにし、我々の悩みを軽減する。
Kenji

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97/7/21

人間性は生命と対極にある。 真か偽か?

真。生命はサヴァイヴァル・ゲームなので、 他者を殺したり利用したりすることは不可欠である。
Kenji

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97/7/22

人々は世代を追うにつれ、馬鹿になっていく傾向がある。 真か偽か?

奇妙に聞こえるかも知れないが、真。 文明のある要素に注目してみると、世代が重なるにつれ、 人々はその背後にある論理の理解を失っていく傾向にある。 もうそれについて考える必要がなくなるからである。 思考の経済は学習時間の短縮のためには重要だが、 その裏には危険が潜んでいる。
Kenji

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97/7/23

人間が行くところには何処にでも、もう一人の人間がいる。 真か偽か?

真。人間の脳は他の人間と付き合うのに最適にできていて、実際、 人間でない存在にも人間を投影してしまう傾向がある。 結果、たとえ他に人間がいないような場所に行ったとしても、 その人は周囲の何かを人間の連れのように感じてしまうのである。
Kenji

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97/7/24

リストラを拒否する組織にはそもそも望みがない。 真か偽か?

真。 それはすなわち、その組織ではかなりの数の構成員が、 リストラを拒否しているということを示しているが、 さて、そのような人々というのはどういった人々なのだろうか。 とても組織内での自らの役割に自信を持っているようには聞こえないし、 リストラが始まったら組織から捨てられるのを怖がっているように聞こえる。 このような人々がわんさか集まった組織の存続に、 一体どれほどの望みがあるというのだろうか。
Kenji

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97/7/25

死後にも生がある。 真か偽か?

人間がその生を観察している場合、真。 その生は観察者の心の中で続くことになる。
Kenji

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97/7/26

精液は血液よりもリアルである。 真か偽か?

それは、その人がその二つの液体にどれだけ親しんでいるかということに依る。 人間は、より長く経験していることをよりリアルに感じる。 脳がそういう風にできているからだ。
Kenji

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97/7/27

生命は宇宙の終わりまで続くことができる。 真か偽か?

それは可能だと思うが、この惑星で始まったこの生命の続きではないと思う。 何故なら分子の活動が基本になっているからである。 宇宙の終わりまで続く生命は、もっと小さな単位で活動するものだろう。
Kenji

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97/7/28

音楽はあなたの心を補綴する装置である。 真か偽か?

音楽を聴いても、完全になった気も、健康になった気もしないから偽。 音楽にはもっと病理的なところがあって、かつ快適なものだと思う。
Kenji

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97/7/29

世界はあなたの脳に似ている。 真か偽か?

真。例えば、ある社会で十分に長い間なんらかの概念を主張したとすれば、 あたかも社会がそれを学習したかのように、それはその社会での真実になるだろう。 勿論、社会は実質的に脳の集まりで出来ているからこのようなことになるのである。 世界は脳で一杯であり、その振る舞いは脳の性質に由来する。
Kenji

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97/7/30

経済は心理学的な実体である。 真か偽か?

真。人間の介入無しには何もその影響を直に受けないので、 それは物理的な実体ではない。 もっとも、自動販売機は直にその影響を受けるわけだが、 それらは人間の価値システムの実装である。
Kenji

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97/7/31

良く書かれたコンピュータのソフトウェアは、人間になることができる。 真か偽か?

真、あるいは少なくとも、そのソースコードは人間の脳を代表するものである。 プログラムは、 それを書いた本人以外の人がソースコードを読んでも理解できるような場合、 良く書かれていると言われる。 ソースコードを読みやすくするためには、 プログラムの著者は問題を理解しやすい大きさに分断しなければならない。 そしてその分断は、構造化プログラミングやオブジェクト指向などの、 標準の方法によってされなければ他人がそのロジックを追うことができない。 これらの方法はそもそも人間の通常の考え方に基づいて開発されたものであり、 それにより書かれたソースコードは、 人間がどのようにその問題を理解するかを表現したものであるといえる。 言葉を変えれば、それは外在化された脳であるといえる。 人間とは、そこに人間性が見出せるものと定義することもできるので、 そのソースコードは人間であるといえるし、 少なくとも人間の痕跡であるといえよう。
Kenji

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