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■宝石学の世界□□★□□
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▼ INDEX ………………………………………………………………………
1.宝石学とは
2.カルセドニー
3.宝石に対する処理
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◆1.宝石学とは ∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝
■定義:
耳慣れない言葉だと思いますが、端的に言えば「宝石に関する研究分
野」です。鉱物学、地球科学、地学、量子力学、分光学などの要素を
併せ持っていると言えます。広義に捉えれば、ジュエリーコーディネ
イトや宝飾品製造の工程に対する知識も内包されます。
■歴史:
久米 武夫の"宝石学"(風間書房)が発行されたのが1953年ですから、
日本では、少なくとも1950年代には「宝石学」という用語が用いられ
ています。
■認知度:
アメリカでは、ジェモロジー(宝石学)の講座を持つ大学もあり、日
本よりは学問として認知されていると言えますが、平均的アメリカ人
にジェモロジーというと、ジオロジー(地質学)?と聞き返されま
す(^^;
◆2.カルセドニー ∽∝∽∝∽∝∽∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝
和名:玉髄(ぎょくずい)
古代の遺跡発掘の記事などを読むと、しばしば碧玉(へきぎょく)製の
勾玉(まがたま)が発見された..等の記述が目に留まります。この
碧玉もカルセドニーの一種ですから、人間は古くから装身具としてこの
宝石とつき合ってきたことが分かります。
様々な色や模様で産出されるカルセドニーは、恐らくアクセサリ店で目
にする宝石の中で、最もポピュラーな宝石のひとつでしょう。オレンジ
のカーネリアンや、オニキスなども、すべてカルセドニーの変種と分類
されます。
組成:
この宝石の組成はSiO2。1つの珪素原子と2つの酸素原子から成ります。
これはクオーツと同じです。
構造:
クオーツの微細な粒子が寄り集まった構造です。「集合体」と言えます。
*このような構造を持つ宝石は、割れ口の断面がざらざらしています。
ガラス製の模造石の場合には、割れ口はコーラ瓶の割れ口と同じく、
ツルッとしています(ヴィトレアス光沢、またはガラス光沢といいま
す)。
変種:
■オニキス:
2色以上の色を有し、色の境界面がほぼ平面であるカルセドニーを
指す。色は通常白と黒で不透明。多くはカメオに加工される。
オニックスと発音される場合もある。
通常宝飾店などで販売されているオニキスは黒一色のカルセドニー
であるが、これは正式にはブラックカルセドニーと呼ぶのが正しい。
■カーネリアン:
亜透明から半透明で、オレンジを基調色とするカルセドニーを指す。
色は熱処理に因る場合もある。ツタンカーメンの遺跡中からは、熱
処理を経たカーネリアンが発見されている。
■カーネリアン オニキス:
カーネリアンの色(オレンジ)を含む2色以上の色を有し、色の境
界面がほぼ平面であるカルセドニーを指す。多くはカメオに加工さ
れる。カーネリアンオニックスと発音される場合もある。
カルセドニーの変種はまだまだあります。続きは次号でお届けします!
◆3.宝石に対する処理 ∽∝∽∝∽∝∽∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝∽∝
特定の宝石に対する人為的な処理は、一般的に行われています。
主として宝石の外観を向上させ、より美しく飾る為に施されます。
このような行為は、長く宝飾業界の秘匿事項とされてきましたが、そう
いった保守的な宝飾業界の体質が消費者の宝石商に対する不信感を募ら
せた面は否定できません。 その様な反省から、また近年の、消費者の
「知る権利」に対する要求の高まりから、宝石の処理に対する情報開示
が現在の宝飾業界における世界的な潮流となっています。
日本でも1994年に日本ジュエリー協会と宝石鑑別団体協議会(AGL)が宝
石の処理に関する情報開示のガイドラインを発表しています。
しかしながら、処理に対する情報開示には、未だ否定的な宝飾業界関係
者もおります。そのような関係者は、消費者を満足させ、信頼を得る事
が自己の利益にもつながることを自覚するべきでしょう。正しく情報を
開示し、消費者が宝石を選別するべきであり、それが消費者の利益とな
り、延いては宝飾業界が発展する道でもあるのです。
具体的な処理方法や検知法は、次号以降でお届けします!
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[宝石学の世界]サンプル版をお届けしました。1999/09/14
Web site: http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/
発行システム:インターネットの本屋さん『まぐまぐ』 ( http://www.mag2.com/
)
まぐまぐID:0000017866
発行責任者:福本修
Copyright(C), 1999 Osamu FUKUMOTO
宝石学の世界に掲載された記事を許可なく転載することを禁じます。
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