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安定性(あんていせい)
(stability)

酸などの化学物質や、温度変化に対する耐性を指す。

例えばダイアモンドの安定性は非常に高い。ガラスは加熱後急冷すると割れる危険性が高いが、ダイアモンドは壊れない(液体窒素などを用いれば別だが)。この理由は、ダイアモンドを構成する炭素原子が共有結合と呼ぶ様式で、強固に結合している事にある。
 
なぜ壊れるのか?
普通の物質は熱により膨張する(水は違うが。製氷皿をご想像いただけるとお分かりの通り)。つまり原子間の距離が開く。そしてさめると元の体積に戻る。この収縮率が大きければ大きい程、原子達の結束が乱れるので、壊れ易くなる。構造によっては縦方向と横方向で伸び方が異なるので、なおさらその様な変化に耐え難くなる。ダイアモンドの場合には、隣接する原子同士が電子を共有しあい、堅固に結合していて膨張率が極めて低い為、熱の変化に優れた安定性を示すことになる。いわば隣り合う人同士が、互いの手首を握り合っているような様子であろうか。
 
→耐久性


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