福本修の宝石・鉱物小事典ホームへ

照射処理(しょうしゃしょり)
(irradiation treatments)

宝石学でいう[照射処理]とは、次の2種類を指します。
◇宝石に電磁波を浴びせる。
◇宝石に粒子をぶつける。
  • 電磁波
    [電磁波]と書くと少々いかめしいのですが、特別なものではありません。太陽や、照明器具からも放射されています。日焼けサロンで身体に照射する紫外線(もちろん太陽光にも含まれていますが)も、また病院でお馴染みのX線も電磁波です。ただこれらはエネルギー量が小さく、宝石の色に変化を加えるには十分ではないので、処理には使いません(もっともX線は、エネルギー量にしておそよガンマ線の1/100程度ですから、長時間照射し続ければある程度の効果をあげるでしょうが)。
    宝石の処理に用いる一般的な電磁波はガンマ線です。通常Co-60を用います。
     
  • 粒子
    照射処理に用いる粒子とは、電子、中性子などです。リニア アクセレレータ、原子炉などを用います。
◇なぜ色が変わるのか
照射による衝撃で、結晶構造の一部が壊れてしまうからです。壊れた部分は、光の一部を吸収する事があり、その場合に色が変化します。この様な、色に影響を与える結晶構造上の壊れた部分を、[色中心](カラーセンター)と呼びます。
 
→色中心


(C)Copyright 1999 by Osamu FUKUMOTO. All Rights Reserved.

戻る  戻る