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クリスタル(結晶・けっしょう) 関連記事−[宝石学の世界]Vol.66-20010227より Q:すんすん さん ガラスとクリスタルの違いを教えてください。 辞書で調べてみたら ●ガラス 石英、炭酸ソーダ、石灰岩を原料として高温で溶かし冷却して作ったもの。透明でかたくもろい。 ●クリスタル 水晶。透明度の高いガラス製品となっていました。 一般的にジュースなどを飲むグラスはガラス製品なのですか? ワインを飲むグラスはクリスタルで出来てるのですか? ショットグラスやウィスキーグラスは? 何を基準に見分ければいいのでしょう?
A: クリスタルは、お調べになった辞書にあるように水晶の意で用いられることがあります。しかし、クリスタルという英語の邦訳は「結晶」です。 したがって、宝石学の用語として用いる場合、クリスタルを水晶の意味で用いることは誤りです。両者の混同をさける為、ガラス製品の場合はクリスタルガラスと表記するべきであろうと思います。 クリスタルガラスは、鉛の含有率が高いガラスを指します。法的にクリスタルガラスと表記するための鉛の最低含有率が定められていると読みかじった事がありますが、一般に24%以上の場合を指すようです。 鉛の含有率が上がるほど、ガラスの屈折率が高くなり、これは高い光の反射率に結びつきます。つまり、輝き(この場合の輝きは、宝石学で云うブリリアンシー)の強い製品となるわけです。ただし、鉛の含有量が上がるほど、硬度が減じます。したがって、アクセサリーに用いられるガラスの屈折率は一般に、1.70以下です 水晶とは、無色透明の石英(クオーツ)を指し、英語ではロッククリスタルと呼びます。 クリスタルとは「結晶」という意味であると記しました。結晶とは、原子が規則的に配列している物質を指します。つまり、ダイアモンドもクリスタルであり、エメラルドもクリスタルです。しかし、ガラスは原子が規則的に並んでいない物質ですので、結晶ではありません。これを「非晶質」と呼びますが、そのようなガラスの一部がクリスタルガラスと呼ばれるのは、物質から受ける印象が用語となった例として面白いものです。 → ガラス |
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