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宝石の分類(ほうせきのぶんるい)

How to distinguish gemstones


人はどの様に分類できるでしょう?

性別?人種?髪の色?年齢?

そう、どの様にでも分類できます。宝石の分類も同じ事。色や形、透明度など、どの様に分類しても許されます。しかし、学術的に分類する際には、一定のルールに則っての分類法が必要です。

今日、宝石の分類は「化学組成」と「構造」に因ります。

前者は宝石を構成する原子の種類とその相対量であり、後者は原子の組合わさり方です。

例えばダイアモンド。化学組成は"C"、炭素です。この炭素原子が立方晶系と今日呼ぶ規則性で組み合わさるとダイアモンドになります。同じ炭素でも、原子間の結合の規則性が六方晶系と呼ぶものだと、石墨(グラファイト)になります。石墨は、鉛筆の芯の主原料ともなっています。同じ化学組成でも、構造によって異なる鉱物に分類されるわけです。因みに、このような関係を「同質異像」、あるいは「多形」といいます。「質」を「組成」、「像」を「構造」と考えると性質を良く表す用語であることが分かります。

「化学組成」と「構造」に因って分類されたカテゴリーを、「種」と呼びます。

また、類似した組成と構造を持つ2つ以上の「種」を「族」あるいは「グループ」と呼びます。 

更に、種は、色や透明度、特殊効果(オパールから観察される虹色の光も特殊効果のひとつ)の有無などによって、「変種」に分類される場合があります。例えばベリル(種名)の中で、強い緑色はエメラルド(変種名)と呼ばれ、淡い青色はアクアマリン(変種名)、ピンクはモルガナイト(変種名)と分類されます。

 

【要約】

宝石の学問的分類は、化学組成と構造に因る(*)

化学組成:その宝石中の成分(原子の種類と相対量)

構造:原子の在り方

グループ:類似した種の集まり

種:化学組成と構造によって分類される

変種:色などのよって種を更に細分化したカテゴリー

*有機質宝石の分類は起源に因ります。


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