天然ヘマタイト

彫刻刀の後（例えば頬の部分水平方向）が観察できる。また縁がシャープなのでデザインがクッキリと見える。

金属のような光沢をもつ宝石ヘマタイトは、ビーズや兵士の横顔を沈み彫りにした彫刻、インタリオとして人気があるものだろう。　廉価であるにも関わらず、彫刻の手間を省くためかイミテーションが存在する。

一般の宝石店などで模造ヘマタイトを鑑別する場合は磁性、割れ口（ビーズの場合はドリルホールの口の部分）、条痕などの組み合わせて行うこととなろうが、天然との識別が困難な宝石のひとつである。

しかし、インタリオの場合には一目見ればイミテーションはそれと分かる。天然ヘマタイトへの彫刻は物理的に彫刻刀によって施されているがイミテーションの場合プレス、つまり型押しによって兵士の横顔が作られているためだ。この違いは、以下に現れる。

• インタリオとして掘り下げられている縁の部分
  　
  • 天然ヘマタイト：シャープ
  • 模造ヘマタイト：丸みを帯びている
    　
• 彫刻部分の表面
  　
  • 天然ヘマタイト：彫刻刀の痕がある
  • 模造ヘマタイト：彫刻刀の痕がない（型押しのため）
    
    

※模造ヘマタイトに手作業で彫刻を施す事は無論可能だが、ヘマタイト　自体が廉価な為、手作業を施す素材にイミテーションを用いることは　一般的ではない。いずれにせよ、型押し出有れば模造である。