音楽配信に興味がわいてきたので,ちょっと調べてみました。というのは最近ではCDからCD−Rへの書き込みを防止することで業界が動いているためで,次に音楽を聴くメディアは何かと興味が沸いたためです。
日本の大手avex,NTT等が行っているネット上での音楽配信には,ATRAC・ATRAC3というソニーの圧縮技術が使われています。ひところ私の学生時代に普及していたMP3ではなくなっています。語句説明でも見てもらって分かるとおりATRAC・ATRAC3とMP3ではデータの圧縮率はかわりません。なにが違うかというと著作権にかかわるコピーに対してすごくATRAC・ATRAC3の方が優れているためです。その他にも以下の方式が世の中にはあり,みなが標準となろう(勝ち組)としてます。
MP3PRO:MP3の開発元 Thomson multimedia社 が提供するMP3の上位互換フォーマット。圧縮率は本家MP3の2倍でありながら、音質はほとんど変わらないと言われている。
QDX :QuickTimeの音声圧縮を手がけたことで知られるQDesign社の、新しい音声デジタル圧縮形式。インターネットにおける音楽配信を前提として作られており、同技術の圧縮率はMP3の5倍、AACの3.5倍強。32MBのメモリに約2.5時間相当の音楽を記録する事が可能で(MP3なら約30分)、ストリーミングも問題無く楽しめる容量でありながら、音質はCDレベルであるという。
Vorbis (ボルビス) :MP3の特許権使用料の引き上げを危惧する米iCast社が開発した新フォーマット。MP3と同等、もしくはそれ以上のクオリティを持つ。
最も大きな特徴は、知的所有権による制約がないこと。ネットラジオ局や音楽販売、ソフトウェア企業などは特許権使用料を払うことなくVorbisを利用できるため、各企業にとってメリットの大きいフォーマットだと言える。著名MP3プレイヤーのWinampやSonique用プラグインがすでに完成しており、米オンラインミュージック業界の注目フォーマットとなる可能性大。
RealAudio G2 :ealNetworks:粐?.RealAUDIO G2 MusicCodec」を使用、16Kbps〜32Kbpsという低い転送速度でも高いクオリティが得られるようになっている。インターネットラジオなどストリーミング再生が主目的の為、ファイル自体に著作権保護技術は取り入れられていない。"RealPlayer G2"ではMP3の再生に対応、"RealJukebox"ではCDからMP3へのエンコードにも対応と、他フォーマットを取り入れ生き残りを計るようだ。LiquidAudio形式を扱えるようになる予定もある。
TwinVQ:NTTヒューマンインターフェース研究所が開発したサウンド圧縮フォーマット。WAVデータを 1/18以下まで圧縮できる(MP3は1/10)。最高1/96まで圧縮度の調節が可能。ヤマハがビジネスパートナーとなり【SoundVQ】という名称で一般市場に導入している。TwinVQ自体は圧縮規格のため著作権保護技術を持たないが、コピーガード機能や、電子透かしに対応しており、TwinVQ方式を採用した【SolidAudio】はInfoBindという著作権保護技術を取り入れている。
AAC:MPEG系のサウンド圧縮技術で、 MPEG1の次のMPEG2で用いられる圧縮技術。MPEG2のサウンド圧縮技術としては期待通りの圧縮率をあげられなかった【BC方式】から[MPEG1で複合]という条件を無くし圧縮率を上げた方式。開発には14社が参加した。5.1ch方式(MP3はステレオ2ch)を含む任意ch方式で、MPEG4/Audioにも採用されている。CD並みのサウンドクオリティでデータのサイズは1/20。米ではMPEG2AACファイルによる音楽配信サービスが始まっている。
WMA(Windows Media Audio) :マイクロソフト社のマルチメディア圧縮フォーマット【WMT】のうち、音楽データのみを圧縮する為のフォーマット。ストリーミングにもファイル形式にも対応している。MP3と同等の音質で、サイズは約半分。独自の著作権保護技術【Windows Media Rights Manager】が取り入れられている。Windows標準添付の[MediaPlayer]で再生が可能。
LiquidAudio :LiquidAudio社の提供する音楽配信システムのサウンドデータ形式。商用音楽配信システムなので、エンコーダは一般ユーザーには入手できない。ストリーム再生にも対応し、インターネット上での配信、特にアメリカでの浸透度は高く、海外の有名アーティストはLiquidAudioを使って次々とネット配信&販売を始めている。【Liquid Player】のバージョン5.0ではMP3、AACの再生にも対応し、ポストMP3の有力候補となっている。
ざっと上げただけでこの数です。
私としては,日本で一番流通するであろうものはやはりATRAC・ATRAC3と考えます(ソニーのほかにシャープ,ケンウッド,東芝さらに音楽業界も絡んでいることからです。)。MP3は著作権の理由等大企業によって闇にほおむられる可能性が大です。
では,肝心のメディアは何というと最終的にはハードディスクになることが予想されますが,その前にメモリ,又その前にMDとなると考えます。私などはメモリでいいと思いますが,一般の人たちは録音するならやはりMDという意識が根強く支持されていると考えるからです。とするとNet MDは”買い”となる訳です。
ほんとの近未来はオーディオに直接取り込む方式が一般的になるでしょう。実際は今の技術で意外と低価格で売り出せるものなのにメーカは小出しに商品化してるのです(ずるいですねぇ)。
しかし恐るべしソニーの野望です。。。。
[語句説明]
Net MD:PCとMD機器との間の認証、音楽データの転送フォーマット等の仕様を含む、音楽MD規格「Rainbow Book」の拡張規格です。USB(Universal Serial Bus)を用いてパソコン(PC)とミニディスク(MD)機器を接続し、楽曲の著作権を保護しながらPCからMD機器へ音楽データを高速転送することができます。
CDや、『Net MD』に対応した電子音楽配信サービスから、PCのハードディスク上に暗号化して記録された音楽データを、著作権保護技術に基づいて認証されたMD機器へ転送します。
記録メディアとして現行の録音用MDを使用、音声圧縮技術やMDメディアへの記録方式に変更がないので、『Net MD』に準拠して記録された音楽データは既存のMD機器で再生することができます。 音声圧縮方式として従来の「ATRAC」と「ATRAC3」を採用。MDメディアへの記録方式が従来と変わらないので、『Net MD』に準拠して記録された音楽データは既存MD機器で再生できます。「ATRAC3」で記録された音楽データは、MDLP対応機器で再生可能です。
著作権保護技術として「OpenMG」と「MagicGate」を採用。「OpenMG」によって暗号化されPCのハードディスク上に記録された音楽データを、「MagicGate」によりPCとMD機器間の認証を行なった上で、PCからMD機器へ転送することが可能です。また、SCMS(Serial Copy Management System)により、音楽データの二世代以上のデジタルコピーを防ぎます。
MDLP:従来、80分MD使用時は、80分までの録音が可能な「MD規格」に対し、ATRAC3 の圧縮技術により、最長4倍の、5時間20分までの録音を可能とした上位互換規格。従来のMD規格に対し、「LP2」モード(80分MD使用で最長2時間40分ステレオ録音)と、「LP4」モード(80分MD使用で最長5時間20分ステレオ録音)の2種類が用意されています。
ATRAC・ATRAC3:MDのLPモード(MDLP)に採用されている高音質と高圧縮を両立させたオーディオ圧縮技術です。音声データをCDの1/10に圧縮可能で、メディア容量の小型化が可能です。また、エンコーダ・デコーダを1チップで実現できるため、携帯機器用途/録音機器用途に最適な圧縮技術です。ソニーが開発。
MP3(MPEG-1 Audio Layer3):(えむぺぐ わん・おーでぃお・れいやーすりー)と呼ばれる音声情報圧縮の国際規格を指します。
MPEG-1 Audio Layer3は、ISO(International Standards Organization)の下部組織であるMPEG(Moving Pictures Experts Group)が策定した動画に関する規格の中の音声情報圧縮部分の規格です。デジタルデータの圧縮方式には、復元する際に元データの再現を完全に保証する可逆圧縮方式と、高い圧縮率との引換に元データから多少の情報損失の可能性がある非可逆圧縮方式があります。MP3は、聴覚のマスキング効果等で、人間が聴き取る事が出来ない部分の音声データは損失しても構わないということから、圧縮率の高い非可逆圧縮方式を採用しています(ATRAC・ATRAC3も同様)。CD(WAVEファイル)からmp3ファイルへの変換で、音質をほとんど劣化させずに約10〜12分の1の容量に圧縮する事が出来ます。 Thomson multimedia社が開発。
<参考WEB>
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