バンドネオン

の種類


 

バンドネオンの製造者・製造地について 

 バンドネオンは第2次大戦前ドイツのザクセン州で作られ、世界に輸出された。いくつかの製造メーカーがあるが、アルフレッド・アーノルド社のものが最も有名で、AA印のバンドネオンとして珍重されている。第2次大戦後、若干の空白期間があったが、近年タンゴブームの再来もあって、多くの人がその製造に挑んでいる。

 この2002年には、AA印の系譜を継ぐものとしてアルフレッド・アーノルド社のあったカールスフェルドに所在する楽器製作所から新しいバンドネオンが発表された。

 蛇腹楽器の故郷は、チェコ共和国との国ざかいに位置するドイツ東部のザクセン州フォーグドランド地方であり、バンドネオンもご多分にもれすその例外ではない。最近この地を渡辺芳也氏が訪れその空気を伝えている。

 (渡辺芳也「ドイツ東部・フォーグトランド地方の楽器めぐり」ラティーナ 2000年3月号、4月号)

アルフレッド・アーノルドのバンドネオン
1864年、エルンスト・アーノルドが、この地方の町カールスフェルドで商業規模でバンドネオンの生産を始めた。リード部分が特許であり、その息子のアルフレッドが製造した、彼の頭文字をとった"AA"(ドブレ・アー)が、古今東西最良のバンドネオンとされている。
 アーノルド社のバンドネオンは、第1次世界大戦のため一時生産が中止されたが、アルゼンチンにもっとも多く輸出され、1922年から1930年がその最盛期であった。
 1933年、アルフレッドが死去し、彼の息子が後を継いだが、第2次大戦後、東ドイツになってしまってから、西側から徐々に忘れられていった。企業は1948年に国有化(東ドイツ)され、1952年にはハーモニカ企業と合併され、1964年に製造停止となった。

もう一つのAA
エルンスト・アーノルドのもう一人の息子パウルの息子のアーノ・アーノルドの会社が制作

Gutjahr(グートヤー)のバンドネオン
1984年,ドイツのバンドネオン奏者Klaus Gutjahr(クラウス・グートヤー)とオルガン製作者Baumgartner(バウムガートナー)が共同開発。
  Webサイトは http://www.inart.de/gutjahr/ (ドイツ語)

HOHNER(ホーナー)のバンドネオン       
1989年、HOHNER社は,グートヤー・モデルの製造・販売に関する5年間の独占契約をグートヤーと締結。それから約2年間で150台の楽器を製造。値段が高すぎて売れなかったため,契約を解消。ホーナー社の作品では、アーノルド社で音声部分の制作技師であった、ディックが協力した楽器の品質が一番よいとされている。

PREMIER(プレミエ)のバンドネオン 
1993年以降、グートヤーは、ホーナー社の次にPeter Spende(ピーター・スペンデ)と契約。1993年以来,ピーター・スペンデはグートヤー・モデルの改良型を「PREMIER」のブランドで製造・販売。
    
Uwe Hartenhauer(ハーテンハウアー)のバンドネオン     
フォーグトランドのクリンゲンタール市在住のアコーディオン/バンドネオンのサービスマンUwe Hartenhauer(ウーヴェ・ハーテンハウアー)が,2002年3月13日〜17日にドイツ・フランクフルトで開催された楽器見本市で発表した新しいバンドネオン。ブランド名は「 UH 」。リードプレートはAAと同じZINC製だということでとてもいい音がする

 Webサイトは http://www.bandoneon-hartenhauer.de/

Geuns(ゲウンス)のバンドネオン   
1987年、オランダ在住のHarry Geuns(ハリー・ゲウンス)が、オーダーメイドのバンドネオンを製造開始。趣味で買ったバンドネオンを修繕することから始まり、遂に製造までに到ったそうだ。
     Webサイトは http://www.bandoneon-maker.com/

Paul Fischer(パウル・フィッシャー)のバンドネオン
2002年、かってアルフレッド・アーノルド社のあったカールスフェルドに所在する Carlsfeld Bandonion & Concertina Factory社が発表した。製造に当たり、AA印のバンドネオンの音を再現しようと、ツウオータ(ZWOTA)市の楽器製造研究所と提携して永年の研究した結果に基づくものだという。アルゼンチン仕様とアインハイツ仕様とがある。
     Webサイトは http://www.bandonion-carlsfeld.de/

Pigini(ピジーニ)のバンドネオン
イタリアのアコーディオン・メーカーPigini社が製造している右41ボタン、左33ボタンのクロマチック・バンドネオン。

 以上の記述は、多くを米沢典剛氏のホームページに拠っている。詳しくは下記をご覧ありたい。           
      yonezawa.com の中の  バンドネオン入門
 バンドネオンの製造所は、ドイツ以外にもある。
アルゼンチンのバンドネオン
1942年に、ドウイリオ(Duilio)の下で始まった。1999年に、放映されたNHKの「シャルル・デュトワの青少年のための音楽」で、アルゼンチンのルイス・マルヤーニというバンドネオン製造の町工場(というより工房といったほうがよい)が紹介されていた。

ブラジルのバンドネオン
ブラジル南部のダニエルソン・ロウレイロ社で製造していた。現在は小型アコーディオンのみ製造(H12年11月現在)
       

以上は、舳松氏による。 

  (舳松伸男「タンゴ 歴史とバンドネオン」187〜188P 東方出版社 1991年)