こびとちゃんねる
蔦葉蔦葉…
FAQ and Tips for IBM PalmTop PC110
このページはIBM PalmTop PC110というポケットに入るほど小さなコンピュータが大好きな方のための雑記で、PC110をNT4.0 Serverとして活用するためのFAQがその主な内容になっています。大した内容ではありませんが、読んでみて少しでも面白いなあと思って頂けたら幸いです。

NT4.0 Server on PC110 FAQ and Tips(最終更新日は2000年11月20日)
▼NT4.0での運用について
 
PC110でWindowsNT4.0 Serverを動作させるのに必要な周辺機器は?
 基本的に16MBの増設RAMと175MB以上の容量があるストレージ系のPCカードを実装すれば動作させることができると思います。なお、インストール時には別途FD/CD-ROMドライブと、さらにそれらをPC110に接続するためのポートリプリケータやSCSI/IDEカード(CD-ROMドライブがパラレル接続の場合には必要なし)なども必要になりますが、一度インストールが済んでしまえばそれらの周辺機器が接続されていなくてもNTは動作します。
 
PC110上のNT4.0環境はどの程度まで実用になるのでしょうか?
 正直なところ、文章作成やE-mailの送受信、Webページの閲覧などの軽い作業がぎりぎり実用範囲内といったところです。またPC110でNT4.0を動作させた場合、その起動とシャットダウンの時間の長さ、電池の消耗しやすさ故に携帯情報端末としては不向きになります。ただしどこにでも持ち運び可能な臨時のファイルサーバやプリンタサーバ(しかも無停電電源装置を標準装備)としては十分に実用になります。要は使いかた次第でしょう。
 
インストール時の再起動中に青い画面で止まってしまったのですが...
 NTをPCカードのディスクで運用する際には必ずPCMCIAをIDEコントローラのPrimaryに設定しなければならないようで、その設定をしないままインストールを開始するとその現象が出ます。一度DOSで起動してPS2コマンドで「ps2 _@ata primary」と設定してからNTのセットアップを再開してみてください。
 
NT4.0の起動中に青い画面で止まってしまうのですが...
 これは上記の問題と同じです。PS2コマンドで設定を変えてからNT4.0を再度起動してみてください。
 
microdriveがNT4.0をインストールする際、二つの物理ドライブとして認識されるのですが...
 PS2コマンドで「ps2 _@ata primary」の設定を行うと、一つのmicrodriveが同一内容の二つの物理ドライブとして認識されるようです。なお、その状態でもNT4.0のインストールにはなんら問題はありません。ちなみにNT4.0上からは上記の設定が行われていても、きちんと一つの物理ドライブとしてmicrodriveが認識されます。
 
PCカードのディスクで運用していてもNTFSは使えますか?
 問題なく使えます。NTFSはFATよりも速度的に不利なものの、ファイル圧縮や障害に対する耐久性の面で優れているので、NTの起動ディスクになっているPCカードを他のマシンに挿してデータをやりとりしたりするのでなければNTFSを使用するのがお勧めです。
 
NT4.0で運用しているPC110ではどんなソフトウェアが使えますか?
 WindowsNT4.0(x86)対応のものならばたいていのものが動作します。例えばCPUが486DX4必須のATOK13やPentium必須のPhotoshop、Illustratorなどでも動作速度さえ気にしなければ機能的には特に問題無く使えます。
 
NT4.0にServicePackを当ててもPC110上で動作しますか?
 基本的にServicePackを当てることによってPC110上で動作しなくなってしまうということは無いと思います。ServicePackを当てるとNT4.0の起動やエクスプローラのウィンドウ内でのスクロールが遅くなるなどのデメリットもありますが、できれば当てておいたほうが無難でしょう。
 
NT4.0にOptionPackを導入することはできますか?
 とりあえず導入も動作も可能なようです。少なくともInternetInfomationServer(以下IIS)4.0はサーバ側でのスクリプトの実行まで含めてきちんと動きました。管理コンソール(MMC)も重い動作ながらきちんと使えます。
 
NT4.0にServices for UNIX(SFU)を追加することはできますか?
 NT4.0 Serverが動作するPC110の環境でしたらSFUの1.0aでも2.0でも、インストールおよび全ての機能の使用が可能です。ただしServiceの類を追加する時の例に漏れずNT4.0の起動が遅くなり、さらにTelnetサーバ上でクライアントが作業をした場合ただでさえ厳しいCPUのキャパシティにそれなりの負荷がかかるので、なるべくSFUに頼らない形での運用を考えるほうが良いでしょう。
 
NT4.0で運用しているPC110をWebサーバにできますか?
 一般的なNT4.0サーバと同じく、NT4.0に付属しているIISやApacheのサイトからダウンロードできるApache(Win32)を使えばWebサーバを構築することが可能です。サーバ側でのスクリプトの実行についてはOptionPackで導入されるIIS4.0やApache(win32)ではActivePerl(SFU2.0に付いてくるほかActiveStateのサイトから単体でダウンロードできます)との組み合わせでPerlベースのCGIの実行が可能で、さらにIIS4.0ではASPの実行も可能です。なお、Webサーバとしての応答速度はINS64で使うのならば十分といったところでしょうか。
 
NT4.0で運用しているPC110をネットワークに接続できますか?
 PCカード型のLANカードを用いたEthernet接続、内蔵またはPCカード型もしくは外付けのモデムによるリモートアクセスのどちらでも接続可能です。なお、パラレルポートに接続するタイプのLANアダプタについては未確認です。
 
NT4.0の動作中にサスペンドやレジュームはできますか?
 基本的にはできません。ただし何かのはずみでNTのインストール時にPCカードスロットが認識されず使用不可になってしまっている場合にはできるようです。しかしその場合でもサスペンドするとNT4.0内部の時計もその時点で止まってしまい、レジュームした時に時計が狂ってしまう(再起動するかまたは暫くそのままで動作させていると自動的に直る)ことと、ダイアルアップネットワークで接続している時にサスペンドすると、レジューム後に接続が一見まだつながっているように見えても実は切断されていること、以上の二点には注意が必要です。
 
NT4.0の動作中にバッテリの充電はできますか?
 あらかじめ一度DOSでULTRACHG.comを使って使用中の充電機能をEnableにしておけば、その後NTで起動しなおしても(電源をON/OFFしても)使用中の充電は可能のままになっています。なおULTRACHG.comはNTのDOS窓では動作しないようです。
 
NT4.0上でPS2.exeは使用できますか?
 PS2.exeはNTのDOS窓では動作しないようです。PS2.exeでの設定が必要であればあらかじめPS2.exeをDOSで使って設定しておいてください。
 
NT4.0で使った場合バッテリの持続時間はどうなりますか?
 NT4.0ではディスクへのスワップが頻繁に起こるので、他のOSの時よりもバッテリの持続時間は短くなる傾向にあるようです。
 
▼周辺機器(内蔵されているものも含む)について
 
256色の画面モードは使えますか?
 NT4.0に付属しているChipsの汎用ドライバをインストールすれば使えます。なおドライバの所在はNT4.0のCD-ROMの「\drvlib\video\x86\chips\」の中です。ただしこのドライバをインストールするとその後ずっと「コンピュータを再起動する」のメニューとシステムのシャットダウン時の「再起動」のボタンが使えなくなり(どちらも使うとフリーズし)ます。「コンピュータをシャットダウンする+電源のオンオフ」で代用は可能ですが、どうかご注意を。
 
ChipsのWebサイトに置いてあるNT4.0用のCT65535用ドライバは使えないのですか?
 何故か使えないようで、上記ドライバをインストールすると確実に再起動時に青画面に落ちてしまいます。多少問題はありますが、NT4.0に付属しているChipsの汎用ドライバを使用するしかないでしょう。
 
PCMやMIDIは使えますか?
 NT4.0に標準で入っているSoundBlaster1.XのドライバをインストールすればPCMとFM音源のMIDIが使えます。なお、本体側で設定を変えていなければNT側での設定は「I/O Address:220 IRQ:5 DMA:1」とします。ちなみにソフトウェアMIDI音源(QuickTimeなど)も一応使用可能ですが、音質や同時発声数はかなり限定されますので実用にはならないと思います。
 
内蔵モデムは使えますか?
 標準モデムとして認識させることができます。認識後はCOMポートに接続する一般的なモデムと同様に扱うことが可能です。なお、33.6Kbpsの内蔵モデムについては未確認です。
 
PCカードスロットは使えますか?
 基本的には使えます。ただし何かのはずみでNTのインストール時にPCカードスロットが認識されず使用不可になってしまうことがあるようです。なおNT4.0ではPCカードから起動する場合でもデフォルトでPCカードドライバが組み込まれるため、NT4.0を動作させているHDカード等が挿さっているスロット(Win95+SmartPCカードドライブ用ドライバの場合とは違ってこちら側のスロットもちゃんとHDカード等が挿入されていると認識されます)とは別のスロットが使えます。
 
microdriveの使用は可能ですか?
 現在WindowsNTではmicrodriveはサポートされていませんが、基本的に通常のストレージ系PCカードと同様に使用することができます。もちろん起動ディスクとしても使えます。ただし現在確認されている問題として、何もしていないとすぐにディスクの回転が止まる(microdrive自体の仕様(?))せいか操作に対して一瞬の間ができることが頻繁にある、というものが挙がっています。
 
スマート・ピコ・フラッシュスロットは使えますか?
 NT4.0をPCカードから起動するためにPCMCIAをIDEコントローラのPrimaryに設定しますが、そうすると今度は内蔵フラッシュメモリやスマート・ピコ・フラッシュスロットが認識できなくなるため使えません。
 
内蔵フラッシュメモリは使えますか?
 上記の理由で使えません。
 
赤外線ポートは使えますか?
 PC110ではBIOSで赤外線ポートにCOMポートを割り振ることができますが、NT4.0自体が赤外線通信をサポートしていないので結局使えません。
 
手書きパッドは使えますか?
 今のところNT4.0用のドライバが存在しないので使えません。
 
キーボード/マウスアダプタは使えますか?
 外付けキーボード、外付けマウスともに問題なく使えます。
 
ポートリプリケータは使えますか?
 全てのポートが通常どおりに使えます。ただし、外部ディスプレイに表示する場合800×600の解像度では使用できないようです。
 
外付けFDドライブは使えますか?
 読み書きフォーマット、全てに問題なく使えます。
 
蔦葉蔦葉…
▲トップページに戻る