男女の分業 男は度胸、女は愛嬌・(なぜ男は暴力的に振る舞うのか)

本来生物の基本形は、雌であり人間場合もたとえY染色体を有した個体でも、母体内のホルモンバランスや思春期の環境等で女性化する傾向がある。事実、母体内のホルモンシャワーが外見的な男性形成に重要な因子となるが、しかし育てられ方の誤りにより女性化してしまう場合もある。又雌は、卵を形成し自己体内で再生産能力を有するが雄は再生産する能力を持たない。子供を産めないのが雄なのである。ではなぜ雄が必要なのか?

環境は常に一定であるとは限らない、刻々と変わる自然環境の中、子孫を残すために我々生物は、その環境変化に対応してゆかねばならない。対応出来なければ滅亡あるのみ、つまり進化してゆかねばならない宿命を背負っている。

 雌は、元々自己生殖能力(無性生殖機能)を持っており、自らの個体のみで生殖できた。しかしそれだけでは、同じ遺伝形質の伝達のみで 突然変異と言う偶然に委ねないと新しい形質は生み出せない。それでは、非常に効率の悪い進化方法となってしまう。しかし有性生殖と言う方法を取り入れる事により進化のスピードは劇的に早くすることが可能となるのである。なぜなら完全に半分は異なった遺伝子を受け継ぐことになるからで、非常に効率的に遺伝形質を入れ換えることが出来るのである。元来、有性とはそう云うものだから必然的に親より優秀な遺伝形質を生み出す事に男女雌雄の存在意義があることになる。鳶が鷹を産む事が存在意義なのだ。

 そのため、雌はより優秀な遺伝子を招き、雄もより優秀な遺伝子を求める。ほ乳類では、雌の場合受胎したらしばらくは交尾出来ない。そのため雌は自己の遺伝子の保存と改良を行うには、機会と言う意味において雄より決定的に不利になる。ゆえに、より優秀で強い遺伝子を掛けないと自分の遺伝子の多くを将来にわたり保存することが困難になってしまう。必然的に量より質を選択することになる。雄の場合は、同じく自己の遺伝子の保存と改良のため、優秀な雌の遺伝子を求める競争相手を徹底的に排除しようとする。これが闘争心となり暴力的な素質を産む。優秀で力強くなければ遺伝子保存バトルに勝ちえないと言うことである。しかし、雄の場合生殖時に受胎する立場ではないため、雌よりも機会損失なく効率的に自己の遺伝子を保存できるチャンスを有する。質より量を選択肢として持っていると云うことでもある。あまり優秀な遺伝子でなくても数打ちゃ当たるの理屈とでも云おうか、時として雌雄間でそれぞれ持つ、構造上・システム上の違いが理解できずに誤解を生み険悪なムードが漂うことがある。

分業の方法により時に混乱を招く

 かくして、雌は優秀な遺伝子をもとめ、雄は我こそが優秀な遺伝子のトランスポーターだと誇示し、時には暴力的なデモンストレーションを行う、又事実そうしなければ優秀な雌の遺伝子にありつけない、雄は雌に対してそして同性に対してもこのようなPR活動を行わなければならない宿命を背負っている。

    

 雌は種の拡大再生産活動を自ら行い。雄は、自分の遺伝情報の保護のため躍起になり、自分以外の遺伝情報を破壊するプログラムを有する。

  ♀=創造

  ♂=破壊 の図式がここにある。