リーディングストーリーとは
 〜「東京星に、いこう」Vol.1 リリースに寄せて 〜

        マダラプロジェクトアワー担当プロデューサー  白倉由美


リーディングストーリーとは、「声とことばを伝える」というラジオの原点に 一度立ち戻ってみようというささやかな試みです。
現在、アニメ、コミック系のラジオ番組は70番組以上、その大半がコミック やゲームを原作とするアニメ風のラジオドラマを流しています。
もちろん、私たちの番組、マダラプロジェクトアワーも例外ではありません。 ただ、ラジオドラマ‐イコール‐アニメ風のドラマ一辺倒という現状に送り手 も受け手も、そして演じ手もいささか限界を感じているのではないでしょうか。
私たちは昨年(1995 年)の秋、番組を始めるにあたって小さな実験を始めま した。全く無名の一切色のついていない新人声優を起用し、彼女たちが静かに 小説を読み上げていく、そんなドラマを作ってみようと。それが「夢から、さ めない」でした。

朗読するのは彼女たちのために書きおろされた、それ故に彼女たちにしか朗読 できない小説です。彼女たちの現実を微妙に反映しながら、少しずつキャラク ターをふくらませていく。そして、たった1回5分のリーディングの収録に2 時間も3時間もかけていく。そんな作り方をしてみました。
その試みは、静かにリスナーに支持されたと自負しています。「夢から、さめ ない」は、2クールの予定を8話延長し、完結しました。全く無名の声優で、 原作のコミックやいわゆるメディアミックスも仕掛けられていない物語、そし てリーディングという地味なスタイルでありながら、最終回近くには、週当た り数百通から時に1000通を越える反響がリスナーから寄せられるようにな りました。

「東京星に、いこう」はそんな私たちの“声とことば”をめぐる試みの第2弾 です。
よかったら、私たちの“声とことば”に耳を傾けて下さい。


「リーディングストーリー」のページに戻る


kz-naoki@yk.rim.or.jp