耳をすますと聞こえる過去の記憶と未来の声、
両親の死 ‥‥猫を拾う
髪が指先までのびた綺麗で残酷な女の子、
盗んだミルク …喋る子猫
ハッカ色の蝶 ナオミの白く薄い胸 盗まれたミルク瓶
私が妹だった頃 埋められた骨
犬は吠える、がキャラバンは進む
地面の下の柔らかな鳩 ガラスの胸骨 動物園再襲撃
皮膚の下の鼓動する内蔵 ハルシオン
月の裏側に溶けていく足元
勇魚とナオミ 多重人格を含む乖離性自己同一障害
そうはいっても飛ぶのは やさしい・・・・
天使も踏むを畏れる場所 永劫回帰という神話
「あなたは本当にあなただけの所有物なの?」
お喋り猫の小さな冒険 他者と眠り
その夢を物語るということ 僕達はお話、お話だ
RAIN 降り続き、ほどけることのない世界の連なり
こぼれ落ちる沈黙
魂のはいった青い鳥籠 しきつめられた真珠 抱いて…
The Light of the world 必然性と偶然性 新月の水曜日
壊れものとしての人間
夜の中庭 宙を飛ぶ波に捉えられてゆく
あとひとつきで消滅するナオミの命 最後の言葉
小沢詩学への手紙
お喋り猫の予言 詩人は枕の結び目を解く 遠い記憶
自我の誕生は、死に至る病を引き起こす
夢は裏庭の柵を越えて、海に続く
青い瞳の花束 シエスタ 終わらない物語
最初で最後の僕の恋人
眠りを購うオレンジの香り