川崎苑子
とにかく、川崎苑子といえば、ぼくにとっては「土曜日の絵本」なのですね。 これを読んだことから、 ぼくは少女まんがをまじめに読むようになったのです。
内容はというと、4人の子供たちが幼稚園から小学校2年生になるまで、 小さな町で暴れまわるというおはなし。ってちょっと要約しすぎかな?(^_^;)
ぼくはとくに、4巻の「やさしいささやき」が好きです。あとかすみちゃん のおかあさんの話もいいなあ。

短編集の「野葡萄」もいいなあ。「スノードロップ」であやがバスの中、 ひとめもはばからずに泣きじゃくるとことか、ジーンときますね。 表題作とともに、エンディングの余韻もすばらしいし。

……と紹介したのはいいんだけど、この人のっていま入手困難なんですよね。 まあ10年以上前のだからしょうがないといえばしょうがないんだけど。 せめて文庫でいいから再刊してもらえないものでしょうか>集英社様。
あと、最近見かけないんで、消息をご存知の方がいらっしゃったら お知らせください。 ちなみに最後に見たのが、スコラの「Sakura」っていうレディースコミック の1993年2月号に載った「連休」という短編です。 主人公がおとなだってのがレディースコミックふうでむかしと違ってたけど、 絵とか内容とかはやっぱり川崎苑子だなあってうれしかったですね。
--1996/10/28--

本日(1997年9月8日)発売の「Sakura」10月号に北村夏名義で、 新作の「湖の西側の家」が載っています。ファンの方、おみのがしなく。
北村夏名義ではしばらくショートの連載とかしてたらしいんですけど、 またしばらくお休みしてたみたいで。 これがひさしぶりの掲載になるのかな? (ぼくもチェックさぼってたんでちょっとあいまい(^_^;))
今回のもちょっと短かめだけど、川崎苑子のあじはあります。

情報くださった橘さん、どうもありがとうございました。
--1997/09/08--

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紫堂恭子
代表作は(完結してるという意味で)いまんとこ「辺境警備」と「グラン・ローヴァ物語」の2つかな。
みたところどうも「辺境警備」の方が人気があるようで、 たしかにいい作品なんですが、 ぼくとしては「グラン・ローヴァ」の完成度をとりたいですね。
ぼくは単行本で新しい巻が出るたびに順に読んでたんですが、 完結時に頭から読み直してみたときに、 無駄なエピソードがひとつもないのにびっくらこいてしまったのですよ。 いやまじで。
ふつうこういう話だとストーリーに直接関係ないエピソードというのがいくつかあるもので、 新刊発売時に読んでたときも無意識にこれもそうだろうなあと思ってたんですが、 じつはそうじゃなかったんですねえ。 すべてのエピソードがストーリーのなかで大切な意味を持ち、 つながりあって、最後の壮大なクライマックスを作り上げているんですね。
一度しか読んでない人はぜひ頭から読み直してみましょう (ちなみに「辺境警備」の方は、ひととおり読んで1巻を読み直すと、 けっこう大きな穴があるんですね(^_^;))。
最後のところでじーさんがサイアムを諭すことばも感動的です。 説教くさいという人もいるかもしれないけど、ぼくは素直に感動しました。

さてそれで。
現在進行中の作品としては、「オリスルートの銀の小枝」と、 「辺境警備」の続編というのもたしか角川でやってたはず。
それから未完のまま中断されているものとしては、 「エンジェリック・ゲーム」と「ブルー・インフェリア」があります。
「ブルー・インフェリア」の方は単行本で完結させるということばが雑誌にあったそうなんでそれを信じてじっとがまんの子ですが、 「エンジェリック・ゲーム」はなんか小学館と切れちゃったみたいで、 続きが出る見込みはなさそうです(T_T)。どういう事情があるのかわからないけど、 こういうのは読者としてはこまっちゃうんだよなあ。
「辺境警備」は角川から再刊されるというはなしなんで、 「エンジェリック・ゲーム」の方もなんとかならないもんでしょうか>角川さん、小学館さん。
--1996/11/25--

本日(1996年11月28日)、 「辺境警備−星が生まれた谷」が出てたので買ってきました。
うおっと、しばらく続くのかと思ってたら全1巻、 しかもこれがシリーズ最終巻なんですね。ちょっとびっくり。

おはなしの方は、悠久の時の流れと未来への想いを感じさせる結末でした。
隊長さんの若いころのエピソード、「天使のいない夜」もよかったけど、 これはやはりおまけかな。

なお、「辺境警備」の新装版は来春より刊行予定だそうです。
--1996/11/29--

紫堂恭子のファンページがありました。 踊る(?)兵隊さんがとってもラブリー(^_^)。 内容も充実しています。ファンの人は行ってみよう。
--1996/02/26--

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相模なつき
10月25日に新刊の「駆けてゆきたい」が出ました。短編が3本。 やっぱ相模なつきはいいなあ。
でもぼくはどっちかってえと「ひとりにしないで」 の方が好きかなあ(^_^;)。表題作の「片思いしてて苦しかった?」っていう ところがせつなくってねえ。 柱で作者自身が「さみしい系のはなしばかりになった」と書いてるけど、 ぼくはどうもこの人のそういう作品が好きらしい(^_^;)。
まあそれはともかく、「ひとりにしないで」は粒ぞろいなんで、 相模なつきが初めての人にはおすすめ。
あと「キヨフミくんの彼女」もいいですねえ。
ほかにも「野葡萄浪漫」の表題作は「反則だあ!」と思いつつもじわっとくるし、 「笑ってよ」の「シルエット」もいい。

この人のまんがはコマ割りがかなりあいまいにくずしてあって、ちょっとイラスト っぽい絵のなかにセリフが浮いてるというような描き方なんだけど、 それが独特の雰囲気を作っています (そういう描き方をしながら、それでいてすこしも読みにくくないところが またすごいんだな。 いわれなければ気づかない人も多いんじゃなかろうか。 ぼくもしばらく気づかなかったし)。
--1996/10/31--

ときめきくらぶの わだくんも相模なつきが 気に入ったらしいというのがわかってなんとなくうれしい 今日このごろなのだった(笑)。
--1996/11/08--

……なんてやってたら、わだくんがいつのまにか 相模なつきのページ を作ってるう〜〜(^_^;)。 データに関してはのちほど協力させていただくとしましょう(^_^)。
--1996/11/13--

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山下いくと
現在出ている「電撃大王」(1996年11月冬号)によると、 同誌で連載中の「風の住処」は次回で終了し、 続いてなんと、「ダークウィスパー」の連載が始まるとのこと! 以前 バンダイから出ていた「ダークウィスパー」も再刊するらしい (でもそりゃとっくにやってるべきことだろ?)。
--1996/10/29--

「ダークウィスパー」を初めて読んだときは、 なにがなにやらわかりませんでしたね(^_^;)。 でもすごいと思ったな。ようわからんけどすごいと。
内容は近未来もののSFです。絵は線が細く緻密で、 しかもメカがかっちりしている。
相模なつきと同様、 コマ割りをかなり崩してあるんだけど、意味はぜんぜん違いますね。 あちらは紙面にかなり余裕を持たせてあって、 それが読みやすさと独自の雰囲気を作ってるんだけど、 こちらはめいっぱいぎちぎちに使ってて、正直いってかなり読みにくい。 ありったけの情報量をぶちまけたような、 あるいは神の目で見た視界のはじとはじに見えるもの、 手前と彼方に見えるものをごっちゃに一枚の紙に載せたような、 そんな感じでしょうか。
でもね、それがすごいんですよ。うん。

現在は「電撃大王」にて「風の住処」を連載中。 これは「ダークウィスパー」と同じ世界を描いた作品ということだったと思うけど、 でもどう見たってこれは遠未来のはなしですよね。 いったいどうつながるんだろう? 興味深々。

「ダークウィスパー」は入手が困難でしたが、 前に書いたように版元を移して再刊されるようなので、 それが本当であることを祈りましょう(笑)。 「風の住処」の方も次回で終わったら単行本にしてくれるのかな? 期待してますよ(^_^)。
--1996/10/31--

1月18日に「電撃大王」の新しい号が出ましたが、 「風の住処」は終わってませんでした(^_^;)。 つーか、そもそも「風の住処」が載ってない(^_^;)。 そのかわり、「ダークウィスパー」のカラーピンナップと、 作品紹介みたいのが載ってます。
で、「風の住処」は次の号で終わり、 「ダークウィスパー」の開始は次の次になるそうです。 しかしこの調子だと隔月ペースはかなりきついような気がするんだけどなあ……。
--1997/01/20--

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西野司
この5日(1996年12月5日)に「メルクリウスプリティ」の1巻が出ました。 うれしい(^_^)。
しかし原作つき(?)ということでか、西野司らしさはいまいち薄いですね。 同じ原作つきでも「SEASON」の方がまだ彼(でいいんだよね?(^_^;))らしさは出てると思う。 もっともこちらの方がサイドストーリーということで独自色が出しやすいし、 原作自体に遊びがある分、彼の世界に近いかなという気もしますが (もっともぼくは「メルクリウス〜」のゲームの方はやってないんでわかりませんが……(^_^;))。

彼の作品で好きなのは、ほよほよ〜というかしおしお〜とした雰囲気ですね。 ってそれじゃ読んでない人にはわからないか(^_^;)。 おっとりのんびりした雰囲気ってとこですかね。
ですんで、シリアス路線の「メルクリウス〜」だとそのへんがなかなか出にくいのではないかなと。
一方の「SEASON」は原作の「ARIEL」の世界がそもそもけっこうおちゃらけているので、 けっこうぴったりとくるのですね。とくにナミちゃんのキャラクターは秀逸です。 まじめだけどちょっとぼけていて苦労人なのがいいです(^_^) (ちなみにぼくは、西野司→「SEASON」→「ARIEL」という順番で読んでたりします(^_^;))。

まあとにかく、オリジナル作品の単行本をはやいとこ出して欲しいものですね。
--1996/12/10--

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こなみ詔子の「月の下できみは」
「KAMUI−神己−」やその続編にあたる「コインロッカーのネジ。」もいいけれど、 ぼくが読んだなかで一番印象に残っているのが、この「月の下できみは」。 30ページの小品だけど、せつなくて胸が痛くなってしまう、そんな作品です。
--1996/10/29--

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川原由美子の「観用少女」
観用少女と書いてプランツ・ドールと読む。 1日に3回のミルクと愛情で育つ生きた人形。

この少女/人形たちが美しくてかわいらしくていいのですよね。 店のおにーちゃんもいい味だしてるし。
ぼくの一番のお気に入りは1巻に収録されている「スノウホワイト」のPart IIですね。 泣ける話です。あんまり気に入っちゃったんで、 思わずなんか作っちゃいました(^_^;) (でもちょっとネタバレだから、本を読んでない人は見ない方がいいかも)。
他では2巻収録の「ブルードール」、「空中庭園」、「天使の役作り」あたりが好き。 わりとあかるいめの話が好きみたいですね (もちろん生き人形らしい(?)こわい系のはなしもあるんですけどね)。
--1996/11/25--

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菅原雅雪の「牛のおっぱい」
モーニングにて「牛のおっぱい」連載中。単行本は現在4巻まで。
でこれが次回で終わっちゃうんだと。どびっくり。 まだずっと続くもんとばっか思っておったに。

主人公の太児といっしょにいると気持ちいいんだけど、 それは作中人物だけじゃなくて、読んでる方も同じ。 ゆったりのんびり、気持ちがいい。 肩のこりがもみほぐされるような気持ちよさといいますか。 一度ぜひもみほぐされてください(笑)。

北海道の自然の描写も緻密です。この人もトーン使ってないですよね。 すごいです。じっくり楽しんでください。

あと、「牛のおっぱい」の前に、 やはり北海道を舞台にした短編が2つほどあるはずなんだけど、 そのへんは単行本には入らないのかな? 短編集でもいいから出して欲しい。
--1996/11/18--

……終わってしまいました。はあ、来週からさびしくなるなあ。 まあ「タロのいちんち」があるからいいけど (しかし最終回だというのにこの扱いの地味さは納得がいかーん!)。

太児の影響でまわりの人たちが変わってゆく、 山もゆっくりとその姿を変えてゆく。 そして静かで豊かな未来への展望が感じられる……、そんな最終回でした。
長いあいだおつかれさまでした。
--1996/11/29--

単行本の第5巻が出ました。 これで単行本の方も終わりなのかなあ? いちおう連載は全部入ってるんだけど……。 「タロのいちんち」はどうなるんだろう? あれで一冊にまとめるのかな? (そういや先週見なかったなあと思って確認したらば、 作者病気のためしばらく休載なんだそうで……。だいじょうぶかな。 はやくよくなっていただきたいです)
で、5巻ですけど、やっぱいいですね。こののんびりした空気がいいです。うん。
--1997/03/24--

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芦奈野ひとしの「ヨコハマ買い出し紀行」
ちょっと先の未来。なぜだか水位が上がってきてて、 世界はゆっくりと滅びようとしている。 そんななかに生きるロボットのアルファさんと、そのご近所さんたちの物語。

ゆったりした雰囲気がいいです。 滅びを受け入れてあくせく生きることをやめてしまったから、なのかな。 力の抜けた生活の風景に好感が持てます。 あんなふうにのんびりしてみたいもんですねえ。

とくに好きなのが単行本の1巻に入ってる「エンドレス町内会」の話。 アルファさんの舞う姿がとってもいいんだなあ。 ゆったりとした空気の流れが感じられるみたいでねえ。 んで、流し目がまたイロっぽいんだなあ(*^_^*)。

現在アフタヌーンにて連載中。
--1996/11/18--

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すんぢの「リミックス・タイム」
とにかくのミックとモックがかわいいんですね〜。 よく似たちびっこいイヌとネコのコンビなんですけどね、 これがかわいいんだよな〜(^_^)。もちろん女の子もかわいいです(笑)。 やわらかいカラーがまたいいしねえ。
ふきだしがローマ字になってて、映画の字幕みたいにコマの下に 同じ文章が普通の日本語で書いてあるのってなんなんだろう? やっぱ 映画を意識してるのかな? もろフィルム風の話もあるしね。
後半の「はちゃメカ研究部」ではそのへんは普通。 こちらはメカがいろいろ出てきてどたばた騒がしいのが楽しい。

単行本はたぶんこれだけ。「ファンロード」では今もときどき 描いてるということなんで、次の本が出るのを気長に待つことにしましょう。
--1996/11/08--

「リミックス・タイム」がリニューアルして出ました!(1997/02/08) タイトルは「REMICS TIME MIX」。 ミックとモックの物語もこれで完結です(後半は美衣子の方がメインかな)。 「はちゃメカ」の方も追加分を含めて収録されています (ちなみに「リミックス・タイム」の本編は元の9本に11+1(interlude)本加えて20+1本、 それから「Early Times」としてふゆこぞうくん登場の話+2本。 「はちゃメカ」の方は元の3本に+2本の計5本、となっています)。
ただ残念なのはカラーページが落ちてることですね。 特に「リトルドリーマー」が入ってないのがもったいない(T_T)。 モノクロページのイラストも入れかわってるしね。 新しく「季節紀行」が入ったのはうれしいけど。
というわけで、ファンの人は両方キープしておきましょう(笑)。
--1997/02/26--

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須藤真澄「アクアリウム」
お魚と話ができて水族館が大好きな少女 (でも最後は結婚して子供もいるんだよな)もっこちゃんを主人公に、 めぐりめぐる生と死を描いた傑作(断言)。ぜひ読みたまへ。

……といいたいけど、これも入手困難なんだそうな。しくしく。 なんとかしてよー。
--1996/11/10--

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