=========================================================================== Nmail4 用メーラ移行ツール conv2nmail4 取扱説明書 作成日: 1999年9月14日 作 者: R.川岸 =========================================================================== 目 次 1. はじめに 2. インストール方法 2.1 Tcl/Tk の確認 2.2 conv2nmail4 のインストール 3. 予備知識:メーラの種類とメールの保存形式 4. 予備知識:Unix系のメーラから Nmail4 への移行 4.1 Nmail 3.0x 4.2 Netscape Communicator のメーラ (Messenger) 4.3 Unix の mail コマンドによるメール 4.4 mule によるもの(mule の mailモード, mh-e, Mew) 5. 予備知識:Windows のメーラから Nmail4 への移行 6. 予備知識:Macintosh のメーラから Nmail4 への移行 7. 使いかた 7.1 共通の操作 7.2 [Linux] Nmail 3.0x(または Nmail4の旧バージョン)の場合 7.3 Unix版 Netscape, Unix mail コマンド, Emacs(Mew, mh-e等)の場合 7.4 Windows の AL-Mailの場合 7.5 Windows のメーラ 8. I18N(国際化)対応について 9. エラーと対策 10. 現状の問題点と今後の課題 11. 履歴 12. その他 (版権/保証/配布、参考文献、連絡先) ---------------------------------------------------------------------------- 1. はじめに ---------------------------------------------------------------------------- これは Nmail4 専用のメーラ移行ツールで、今まで使っていたメーラのメールを Nmail4 で扱えるようにするものです。 (メールをクライアント側で処理するソフトは「メーラ」「メールソフト」 「メールクライアント」等と呼ばれますがここでは「メーラ」とします) I18N(国際化)対応していますのでロケールの設定に応じた言語で表示されます。 このツールは、他のメーラのメールを (1) 指定に応じてファイルを分割する (2) 指定に応じて改行コード (CR, LF, CR LF) の変換をする (3) メールの情報を Nmail4 のメール情報のファイル(.tree0)に追加する という処理をします。 元のメールそのものには、いっさい手を加えないので従来のメーラをそのまま 使い続けることもできます。 対応するメーラは、目標としては Unix, Windows, Macintosh の全てのメーラ ですが現時点で下記のメーラからの移行(取り込み)を確認しています。 ● [Linux] Nmail 3.02 ● [Linux] Netscape Messenger ● [Windows] AL-Mail ● [Windows] MS Outlook Express (MailExp を併用) [お願い] あらゆるメーラについて確認する環境と時間がありません。上記以外にも取り 込み可能なものがあると思います。様々な環境、および各種メーラからの移行 について試した結果を内容に拘らず(OK/NG 等)教えて下さい。 プログラム改良の参考にするとともに、このドキュメントにも反映したいと思 います。レポートには、下記のような内容を含めて下さるようお願いします。 (例) conv2nmail4 の動作OS------------------- Plamo Linux 1.4.4 メーラの名称(OS)----------------------- Outlook Express (Windows95) メールのディレクトリ名(とファイル名)--- C:\Programfiles\...\...\ 併用したツール------------------------- MailExp 2.7 分割の指定----------------------------- 分割する 改行コードの形式指定------------------- DOS 結果----------------------------------- OK 気が付いたこと、要望など--------------- (不具合点、感想など) レポートの送り先は、このドキュメントの最後に書いてあります。 ---------------------------------------------------------------------------- 2. インストール方法 ---------------------------------------------------------------------------- 2.1 Tcl/Tk の確認 conv2nmail4 を日本語モードで実行するには日本語に対応した Tcl/Tk (Tcl7.6jp/Tk4.2jp 以上)がインストールされている必要があります。 最近の日本語版 Linux ディストリビューションを普通にインストールした場合 は、最初からインストールされている筈です。 (従って以下の(1)〜(3)の確認作業はたぶん不要でしょう) (1) まず whereis コマンドで wish (WIndow SHell の略。Tcl インタプリタに Tk ライブラリを組み込んだもの)がどこにあるかを確認します。 # whereis wish wish: /usr/bin/wish4.2jp /usr/bin/wish4.2 /usr/bin/wish (2) 次に wish の詳細をみてみます。 # ls -l /usr/bin/wish* /usr/bin/wish -> wish4.2 /usr/bin/wish4.2 -> wish4.2jp /usr/bin/wish4.2jp この例のように wish が 日本語の wish にリンクされていれば OK です。 (3) そうでない場合、次のようにしてリンクを張ります。 # cd /usr/bin # ln -s wish4.2jp wish このようにリンクを張るのではなく、conv2nmail4 の3行目 exec wish "$0" "$@" を、 exec wish4.2jp "$0" "$@" のように書き換えるという方法もあります。 2.2 conv2nmail4 のインストール (1) conv2nmail4 パッケージの内容 パッケージ conv2nmail4-x.x.tar.gz (x.x はバージョン番号) には、下記の ファイルが入っています。 conv2nmail4 (プログラム本体) conv2nmail4-msg.ja (日本語メッセージカタログ。日本語EUCコード) conv2nmail4-msg.en (英語 メッセージカタログ) conv2nmail4-RAEDME.ja (このドキュメントです。日本語EUCコード) conv2nmail4-RAEDME.en (同上、英語) conv2nmail4-RAEDME.?? は、オンラインヘルプファイルとして conv2nmail4 から参照されます。 (2) conv2nmail4 パッケージの展開 下記は /usr/local/lib/conv2nmail4/ というディレクトリを作り、そこに パッケージを展開する例です。 $ su # mkdir /usr/local/lib/conv2nmail4 # cd /usr/local/lib/conv2nmail4 # tar zxvf conv2nmail4-x.x.tar.gz (3) 実行モジュールとパスの確認 conv2nmail4 は、Tcl/Tk で記述されたスクリプトなので、MAKE 等の作業は 不要です。root 権限でパスが通った適当なディレクトリ(例えば /usr/local/bin などが良いでしょう)にコピーします。 # cp conv2nmail4 /usr/local/bin または下記のようにリンクを張ります。 # ln -s /usr/local/lib/conv2nmail4/conv2nmail4 /usr/local/bin (4) 他のファイルのパスの設定 conv2nmail4 の最初の方に、ユーザの環境に合わせて変更する必要がある ものがまとめて記述されています。必要に応じエディタで変更して下さい。 ■ ロケールのエイリアス・ファイル locale.alias のパス # find / -name locale.alias -print の結果に応じて変更して下さい。私の環境では同じファイル名で内容が 異なるものが 2つあり、デフォルトでは以下のように定義しています。 set locale_alias_path1 /usr/lib/X11/locale set locale_alias_path2 /usr/local/share/locale ■ メッセージカタログのパス 使用する言語(英語、日本語など)に合わせてボタン名や各種メッセージ 等を記述した conv2nmail4-msg.?? というファイル(メッセージカタログ) を置くディレクトリです。 これらのファイルをデフォルトの /usr/local/lib/conv2nmail4/ 以外に 置く場合は、以下の記述を変更してください。 set message_file_path /usr/local/lib/conv2nmail4 ■ ヘルプファイルのパス ヘルプファイル conv2nmail4_RAEDME.?? (?? は言語を表すコード)を置く ディレクトリです。 これらのファイルをデフォルトの /usr/local/lib/conv2nmail4/ 以外に 置く場合は、以下の記述を変更してください。 set helpdir /usr/local/lib/conv2nmail4 ---------------------------------------------------------------------------- 3. 予備知識:メーラの種類とメールの保存形式 ---------------------------------------------------------------------------- 一口にメーラの移行と言っても色々なケースがあります。異なる環境で様々なメー ラが存在し、それぞれメールの保存形式などが異なります。これを ■ Linux (または他の Unix系OS) の Nmail 3.0x から Nmail4 への移行 ■ Linux (または他の Unix系OS) の他のメーラ から Nmail4 への移行 ■ Windows のメーラから Nmail4 への移行 ■ Macintosh のメーラから Nmail4 への移行 のように分類します。 次に、これらのメーラの移行で考慮すべき相違点を以下にあげます。 (1) 文字種(EUC, JIS, シフトJIS)の違い 文字種の変換は nkf (または kcc) コマンドを使えばできます。 但し、Nmail4 では何れのコードでも表示できるようなので、このツールでは 変換処理はしません。 (2) 改行コード (CR, LF, CR LF)の違い 改行コードの変換は fromdos コマンドや tr コマンド、または適当なスクリプ トで処理できます。 (3) ファイル内のメール数の違い ■ [1ファイル:1メール]方式 1つのファイルに 1つのメールを格納するもの Nmail 3.0x, Nmail4, AL-Mail など ■ [1ファイル:複数メール]方式 1つのファイルに 1つのメールフォルダ(複数のメール)を格納するもの Unix のメールコマンド, Microsoft Outlook 系, Netscape Messenger など [1ファイル:複数メール]方式のメールを Nmail4 で扱うには、複数ファイル に分割する必要があります。 (4) その他 ファイルの拡張子とか、[1ファイル:複数メール]方式で各メールの区切りに 使う文字列など。 ---------------------------------------------------------------------------- 4. 予備知識:Unix系のメーラから Nmail4 への移行 ---------------------------------------------------------------------------- 4.1 Nmail 3.0x 例えば ~/.nmail/inbox というディレクトリに、1ファイルに付き 1つのメールと いう形式で格納されています。 conv2nmail4 で取り込むことができます。 4.2 Netscape Communicator のメーラ (Messenger) 例えば ~/nsmail/ ディレクトリの下に、1つのファイルに複数のメールという形式 で格納されていて、各メールの先頭に "From 〜" という行があります。 conv2nmail4 で取り込むことができます。 4.3 Unix の mail コマンドによるメール 例えば /var/spool/mail/ ディレクトリの下に、1 つのファイルに複数のメールと いう形式で格納されていて、各メールの先頭に "From 〜" という行があります。 conv2nmail4 で取り込むことができます。 4.4 mule によるもの(mule の mailモード, mh-e, Mew) 例えば ~/mbox ファイルとか、~/Mail/inbox/ ディレクトリ下に上記 Unix の mail コマンドの場合と同じ形式で格納されるようです。 私はこれらのメーラを使用したことがないのですが、たぶん conv2nmail4 で取り 込めるのではないかと思います。 ---------------------------------------------------------------------------- 5. 予備知識:Windows のメーラから Nmail4 への移行 ---------------------------------------------------------------------------- Windows 用には非常に多くのメーラが存在します。私はこれらのソフトがメール をどのような形式で保存しているかに関して殆んど知識が無いし、また全ての Windows 用メーラを試すわけにもいきません。 現時点では conv2nmail4 単体で AL-Mail32 のメールを、また下記の MailExp というツールとの併用で Outlook Express のメールを取り込めることを確認して います。 Windows 上で動作する Windows 用のメーラ移行ツールとして以下に示すようなも のがあります。必要に応じてこのどれかと conv2nmail4 を組み合わせて使うこと により良い結果が得られる可能性があります。 http://download.yahoo.co.jp/vector/win/net/mail/ に 1999年8月現在、以下のようなものがありました。 (1) intm2txt (Internet Mail to Text) Internet Mail の mbx 形式のフォルダーを個別の txt 形式のメールテキス トに分解する。Internet Mail から Emacs, mule などで使う Mh や電信8号 のようなメーラに移行するときのツールです。 (2) MailBox Separator for MS Internet Mail 1.3 MS Internet Mail, Outlook Express のメールボックスファイル (*.mbx) を分割する。保存するメッセージの漢字コードは、「無変換」「シフトJIS」 「JIS」「EUC」の中から選べます。変換時にはヘッダ部分の MIME エンコー ドをデコードします。 (3) MS-Internet Mail 乗換窓口 1.08 乗換えしにくいと評判(?!)の MS-IM から他のメーラーへの乗換を支援する。 (4) mh -> Outlook Express 4メールコンバータ 1.0.0 UNIX の mh 形式のメールを Outlook Express 4 形式に変換する。 (注:これは変換方向が逆なので今回の目的には使用できません。 参考までにこういうものもあるという意味で取り上げました) また、http://www.digico-m.com/ に下記のツールがあります。 (5) メール分割移行 MailExp version 2.7 下記に示す24種類のメーラのメール形式から、11種類のメーラのメール形式 に変換する。 入力形式 ================================================================== [ 1] Netscape Mail [ 2] MS Internet Mail, OutlookExpress [ 3] AL-Mail [ 4] AL-Mail32 [ 5] Becky! [ 6] Eudora-Pro [ 7] Message Manager [ 8] WeMail [ 9] tsworks E-Mail [10] Winbiff [11] PostPet [12] 電信八号 [13] Chameleon Mail [14] JUSTSYSTEM の Shuriken [15] メールの王様 [16] 標準 UNIX FROM [17] emacs RMAIL [18] 書状取纏で取りまとめたメール形式 [19] AL-Mail のテキスト保存形式 [20] AL-Mail32 のテキスト保存形式 [21] ダイジェスト(MIME multipart) 形式 [22] ダイジェスト(RFC934 mh-burst)形式 [23] ダイジェスト(RFC1153 Digest) 形式 [24] プレーンテキスト形式   出力形式: ==================================================================    [ 1] Netscape Mail [ 2] MS Internet Mailの保存テキスト    [ 5] Becky! [ 6] Eudora-Pro    [ 9] tsworks E-Mail [10] Winbiff    [12] 電信八号 [16] 標準 UNIX FROM    [19] AL-Mail のテキスト保存形式     [20] AL-Mail32 のテキスト保存形式 [24] プレーンテキスト形式 ----------------------------------------------------------------------- (以下は、MailExp version 2.7 のドキュメントより引用) ・sesna 全てのフォルダが一つのディレクトリに入っているため、当分は対応を 見送ります。 ・Datula Al-Mailテキスト保存形式でインポート/エクスポートができます。 最近のバージョンでは、UNIX From形式でインポート/エクスポートできる そうです。 ・MailExplorer for Internet エクスポート形式が特殊なため、インターネットの受信メールに限っては 他メーラへ移行できます。形式は「その他」区切り「 OK 」で変換してくだ さい。それでも添付ファイルがEudoraと同じ扱いになっているため Attachを別途保存する必要があります。 ----------------------------------------------------------------------- Nmail4 用には、出力形式として [16] 標準 UNIX FROM を指定すると、1ファイル複数メール形式のファイルができるので、これを conv2nmail4 で取り込めばよいと思います。 ---------------------------------------------------------------------------- 6. 予備知識:Macintosh のメーラから Nmail4 への移行 ---------------------------------------------------------------------------- 私は Mac ユーザではないので Mac のメーラに関する知識はありませんが、特殊 な形式でなければ conv2nmail4 で取り込めるのではないかと思います。 どなたかチャレンジして頂けないでしょうか (^_^;; ---------------------------------------------------------------------------- 7. 使いかた ---------------------------------------------------------------------------- 7.1 共通の操作 (1) Nmail4 が動作していないことを確認して下さい。Nmail4 が動作していると メール情報ファイルが更新されないので、必ず終了させて下さい。 (2) kterm (または xterm, rxvt) から、 $ conv2nmail4 & と入力します。 (3) 取り込むメールに合わせて「分割不要」「分割する」の何れかを選択します。 「分割する」を選択した場合、入力ファイルが「Unix From 行形式」である ことを前提にしています。Unix From行形式とは各メールの先頭に "From " で始まる行が存在する[1ファイル:複数メール]形式のフォーマットです。 それ以外の形式の場合の動作は不明です。たぶん変なことになると思います。 (4) 「改行コードの形式」として Unix/DOS/Mac の何れかを選択します。 (Unix の場合は内部処理として何もしません。DOS の場合は CR&LF を LF に Mac の場合は CR を LF に、それぞれ変換したファイルが作成されます) (5) 「取込元ディレクトリ」または「取込元ファイル」にメールフォルダのパスを 指定します。(例えば Nmail 3.0x の場合 ~/.nmail/inbox など) ディレクトリの設定を「参照...」ボタンをクリックして行う場合はファイル オープンのダイアログボックスで、そのディレクトリ内の何れかのファイルを 指定して下さい。 (6) 「格納先ディレクトリ」には、新規に作成する Nmail4 のメールフォルダの パスを指定します。 "old" 等の文字やメーラの名前等を付加すると分りやすいかもしれません。 (例: ~/.nmail4/old-inbox, ~/.nmail4/ALMail-inbox) 格納先ディレクトリとして、既存のディレクトリは指定しないように注意して 下さい。 (7) 「取込開始」ボタンをクリックします。 (8) しばらくして処理が終了した旨のメッセージが表示されたら、Nmail4 を起動し ます。上記の例では old-inbox (または ALMail-inbox)というメールフォルダ が追加され、以前のメールの内容を表示できるか確認して下さい。 7.2 [Linux] Nmail 3.0x(または Nmail4の旧バージョン)の場合 これは[1ファイル:1メール]形式です。 (1)「分割不要」と「改行コード:Unix」を選択します。 (2)「取込元ディレクトリ」として例えば ~/.nmail/inbox を指定します。 (3)「格納先ディレクトリ」として例えば ~/.nmail4/old-inbox と入力します。 (4)「取込開始」ボタンをクリックすると、格納用ディレクトリを作成し、その中に 古いメールの情報ファイル(oldtree)が作られます。 そして、その内容が ~/.nmail4/.tree0 ファイルに追加されます。 処理が終ればこの情報ファイル(oldtree)は不要です。 但し、何らかのトラブル等に備えて削除せずに参考用として残しておくことを お勧めします。 (注)元のメール(上記の例では ~/.nmail/inbox)のファイルは、そのままの 形で残っています。Nmail4 は、このファイルを参照しますから削除したり 他のディレクトリに移したりしないで下さい。 (5) 必要に応じて inbox 以外のメールフォルダも上記(2)〜(4)の手順で処理して 下さい。その際「格納先ディレクトリ」は異なるものを入力して下さい。 7.3 Unix版 Netscape Messennger, Unix mail コマンド, Emacs(Mew, mh-e等)の場合 これらは「Unix From行形式」です。 (1)「分割する」と「改行コード:Unix」を選択します。 (2)「取込元ファイル」として以下のファイルを指定します。 ■ Netscape Messenngerの場合: ~/nsmail/Inbox, ~/nsmail/Sent など ■ Unix mail コマンドのメールの場合: /var/spool/ユーザ名 ■ Emacs メール(Mew, mh-e 等)の場合: ~/Mail/inbox など ■ その他、Unix From行形式のメーラ (3) 変換したメールの格納用ディレクトリとして例えば ~/.nmail4/old-inbox/ と 入力します。 (4) 「取込開始」ボタンをクリックすると格納用ディレクトリを作成し、その中に 分割されたメールが作られます。 (元のメールboxファイルはそのまま残っています) 次に、それらの情報ファイル(oldtree)が作られ、その内容を ~/.nmail4/.tree0 ファイルに追加します。 (5) 必要に応じて別のメールフォルダも上記(2)〜(4)の手順で処理して下さい。 その際、格納用ディレクトリは異なるものを入力して下さい。 7.4 Windows の AL-Mailの場合 これは[1ファイル:1メール]形式です。 以下は、後述の MailExp というメール分割移行ツールを使用しない方法です。 (1) 「分割しない」と「改行コード:DOS」を選択します。 (2) 「取込元ディレクトリ」に AL-Mail のメールが格納されているディレクトリ を指定します。 例えば1台のパソコンで Windows と Linux を切り替えてブートできるように なっていて、且つ Windows の C: ドライブ全体を /dos としてマウントして いる場合は、/dos/Program Files/Almail32/Mailbox/Account1/Inbox.box のように指定します。 AL-Mail のメールが別のパソコン上にある場合は、~/ALMail-inbox といった ディレクトリを作成し、ここに AL-Mail の *.ALM ファイルをフロッピーか ネットワーク経由でコピーしておき、「取込元ディレクトリ」に ~/ALMail-inbox を指定します。 (3) 格納用ディレクトリとして例えば ~/.nmail4/ALMail-inbox と入力します。 (4)「取込開始」ボタンをクリックすると格納用ディレクトリを作成し、その中に 改行コードを変換したファイルが作られます。 また、それらのメールの情報ファイル (oldtree) も作られます。 そして、その内容が ~/.nmail4/.tree0 ファイルに追加されます。 処理が終ればこの情報ファイル (oldtree) は不要です。 但し、何らかのトラブル等に備えて削除せずに参考用として残しておくことを お勧めします。 (5) 必要に応じて inbox 以外のメールフォルダも上記(2)〜(4)の手順で処理して下 さい。その際、格納用ディレクトリは異なるものを入力して下さい。 7.5 Windows のメーラ Windows のメーラには様々なメールの格納形式がありますが、これを以下の 3種類に分類します。 (a)[1ファイル:1メール]形式 AL-Mail, AL-Mail32, Message Manager, WeMail, tsworks E-Mail, Chameleon Mail, 電信八号, など これらは conv2nmail4 単体で取り込めるかもしれません。 「7.4 Windows の AL-Mailの場合」を参考に試してみて下さい。 うまくいかなかった場合は、以下の(c)の方法を試してみて下さい。 (b)[1ファイル:複数メール]形式で且つ「Unix From行」形式 Netscape Messennger, Eudora Pro, メールの王様, など これらは conv2nmail4 単体で取り込めるかもしれません。 7.3 項を参考に試してみて下さい。 但し「分割する」と「改行コード:DOS」を選択するという点に注意。 うまくいかなかった場合は、以下の(c)の方法を試してみて下さい。 (c)[1ファイル:複数メール]形式で、且つ「Unix From行」形式ではないもの MS Internet Mail, Outlook Express, Becky!, Winbiff, PostPet, Shuriken, など (1) Windows 上で MailExp というメール分割移行ツール(4章参照)を使って Unix From 行形式のファイルを作ります。 (2) この Unix From 行形式のファイルを Linux 上で 7.3 項の処理をしま す。その際「分割する」と「改行コード:DOS」を選択します。 参考: Windows 用メーラのメール保管ディレクトリ(とファイル名)の例 ------------------------------------------------------------------------ AL-Mail    Almail\Mailbox\ AL-Mail32 Almail32\Mailbox\Account1\Inbox.box\ Message Manager    msgman\Mail\inbox\ WeMail        WeMail\Folder\inbox\ tsworks E-Mail    tsworks\Folder\inbox\ Chameleon Mail  Netmanag.95\email\ユーザ名\inbox\ 電信八号   Netscape Messennger Netscape\Users\ユーザ名\Mail\Inbox Eudora Pro   メールの王様  MS Internet Mail  Internet Mail and News\ユーザ名\Mail\ Outlook Express Outlook Express\Default User\Mail\受信トレイ.mbx Becky!   RIMarts\Rebecca\ユーザ名\ Winbiff Orangesoft\Winbiff V2\Mail\ユーザ名\ PostPet PostPet for Windows\受信\ Shuriken  just\jslib32\user\jsvmail\ユーザ名\account\ ---------------------------------------------------------------------------- 8. I18N(国際化)対応について ---------------------------------------------------------------------------- このプログラムは、I18N(Internationalization の略記)即ち国際化対応していま す。使用する言語に合わせて ■ メッセージカタログ(conv2nmail4-msg.??) ■ ヘルプファイル (conv2nmail4_RAEDME.??) が必要です(?? は言語名コード)が、現状では日本語(*.ja)および英語(*.en)の ロケールに対応したものだけを、パッケージに添付しています。 これ以外の言語、例えば韓国語(言語コードは ko)に対応するには、英語版のファ イルをコピーして編集(翻訳)します。具体的には次のようにします。 (1) $ cp conv2nmail4-msg.en conv2nmail4-msg.ko (2) conv2nmail4-msg.ko の set xxxxx "yyyyy" の yyyyy を韓国語に置き換える (3) cp conv2nmail4_RAEDME.en conv2nmail4_RAEDME.ko (4) conv2nmail4_RAEDME.ko を全て韓国語に翻訳 (5) ロケールの環境変数(LANG, LC_ALL, LANGUAGE)を設定する。 $ export LANG=ko_KR.euc 優先順位は LANG < LC_ALL < LANGUAGE です。 参考:言語名を表すコード(アルファベット小文字2文字)は下記にあります。 http://www.ics.uci.edu/pub/ietf/http/related/iso639.txt ちなみに国または地域を表すコードは下記にあります。 http://userpage.chemie.fu-berlin.de/diverse/doc/ISO_3166.html ---------------------------------------------------------------------------- 9. エラーと対策 ---------------------------------------------------------------------------- (1) 「分割不要」「分割する」の指定を間違えないように注意して下さい。 1つのファイルに複数のメールが入っているものを「分割不要」にするとエラー メッセージが表示されます。 (2) ディレクトリの指定にも注意して下さい。 作業用ディレクトリ、分割先ディレクトリとして既存のディレクトリは指定しな ないように注意して下さい。 ---------------------------------------------------------------------------- 10. 現状の問題点と今後の課題 ---------------------------------------------------------------------------- (1) 送信メールを取り込んで Nmail4 で表示するとメール一覧の「アドレス」の ところが送信先ではなく、送信元のアドレスが表示されます。 (2) Unix From 行形式のファイルを分割する際、各メールの先頭行以外でも "From "という文字列があると、そこで一つのメールの区切りとして認識し 分割してしまう。 ---------------------------------------------------------------------------- 11. 履歴 ---------------------------------------------------------------------------- version 0.1 1999年 8月 2日 簡単な機能のテスト。Nmail3.0x にのみ対応 version 0.2 1999年 8月 5日 同上 version 0.3 1999年 8月 9日 Nmail 3.0x 以外のメーラからの移行にも対応 version 0.4 1999年 8月23日 細かい改良、およびバグフィックス version 0.5 1999年 8月26日 文字コードの変換はしない。β版として限定公開 version 0.6 1999年 9月12日 I18N(国際化)対応 version 0.6.1 1999年 9月14日 メッセージカタログを修正 ---------------------------------------------------------------------------- 12. その他 ---------------------------------------------------------------------------- ■ 版権、保証、配布など このプログラムは、オープンソースソフトウェアです。 配布等に関しては GPL2 (GNU General Public License 2) に準拠します。 GPL2 の内容と重複しますが、念のため少し触れておきます。 このプログラムは保証が無く、これを使ったことによって生じる如何なる 不利益に対しても私は責任を持ちません。 このプログラムの使用、改造、コピー等は、自由に行って構いません。 配布も自由に行って構いませんが、プログラムだけでなく必ずこのドキュメ ント(改変可)も添付して下さい。改造したものを配布する場合オリジナルの 作者は、R.川岸 である旨の表示をして下さい。 ■ 参考文献 メールのヘッダ部分の意味については、Mew の作者のホームページにある Mew ニュースレター http://www.mew.org/Newsletters/ という解説が分り 易くてお勧めです。電子メール関連ソフトを作る人はもちろんユーザでも 電子メールのトラブルについて関心のある方は一読するとよいでしょう。 ■ 連絡先 問題点を発見、または修正された方は、是非ともお知らせ下さい。 また、意見、感想、提案、要望などありましたらお聞かせ下さい。 動作は、Plamo Linux 1.4.4 上の Tcl 7.6jp / Tk 4.2jp で確認していますが、 他の環境で問題なく動くかどうか気になります。 これに関してもレポートして頂ければ幸いです。 R.川岸 電子メール : kawagisi@yk.rim.or.jp ホームページ: http://www.yk.rim.or.jp/~kawagisi/