Windows 95 と Linux - 家庭内 LAN の幕開け

Windows 95 がきっかけで、機器入れ替えの連鎖反応が始まりました。

Windows 3.1 で LAN を使うには「カメレオン」などの市販ソフト (たしか数万円くらいはしたような記憶が)を追加する必要がありました。
しかし Windows 95 になってからは、LAN カードを揃えるだけで自宅でも簡単に 使えるようになったのです。これが我が家のネットワーク環境を大きく変えました。


1995年11月23日午前0時、Windows 95 日本語版 発売

「どうせ、秋葉原で発売を待っていたんだろう」って? いくらぼくでも、そんなことしないって。 発売時刻よりも、大船行き最終電車が発車するほうが先だから、帰れなくなっちゃう。

どうせ休みなので、昼が来てから秋葉原へ。 が、かつてないほど混雑していて改札を出られない。 仕方なく1つ前の神田駅で降りて歩く。

さっそく 230Cs の Windows 3.1 を 95 へアップグレード。 インストーラ自体は Windows 3.1 でも動作するので、PCMCIA SCSI 経由で CD-ROM を つないでいる状態からでもアップグレードできました。


98vm から ThinkPad 220 へ移行

その一方で、それまでの98Vmの環境で気になっていたことがいくつかありました:

そんな中、Windows 95 発売に伴う買い替えその他もろもろの用事で、年末に秋葉原を うろついていたら、TZONE アップグレードギャラリーで ThinkPad 220 が 49,800 円で売られていた。 これは98Vmからのリプレースに使えそうだ! というわけで購入。

最初は、98Vmと同じ環境を載せようと思っていたけど...

世間ではなにやら Linux が流行り出している。 Linux なら DOS と違って、unix で使い慣れた強力なGNUのソフトウェア群が 最初っから入っている。しかも、ThinkPad 220 には PC カードスロットが1つついていた。 ここにLANカードを差せば、他のPCとのデータ転送が簡単。 そのうえ、Linux ならアマチュア無線用の AX.25 や KISS TNC をサポートしている。 これはもう Linux しかない!というわけで、導入を決定。

まずはメモリ増設&HDD交換

ただし、たった2MBの内蔵メモリだけでは、Linux のインストールには 不充分(最低でも4MBいるらしい)。そこで、まずはメモリ増設。 最大の8MBのメモリが欲しかったけど、入手が難しく4MBのものしかなかったので、 合計6MBでスタート。

このあと、すでに Linux を使っている近所の「さんま君」の協力のもとで Linux Slackware を導入してみた。 80MBのHDDでもとりあえずインストールできた...が、ニュースシステムを入れたり、 カーネルソースをコンパイルをするスペースがないことが判明。 HDDをもっと大容量のものに交換することに。

またまた秋葉原へ。ここで中古のHDD(厚さ 12mm。厚いと 220 に内蔵できない)と LAN PC カードを購入。 NIFTY-Serveの自作系のフォーラムのライブラリにHDDの交換方法が書いてあったので、 これを参考にHDD交換。一気に8倍以上に増加です。 LAN カードは、Linux 側は実績のある 3Com の LAN PC card に、 Windows 95 側は、安かった CONTEC の LAN PC card にしました。

Slackware の導入

本当は CD-ROM から導入したかったけど、PCMCIA 経由なので、 カードサービス動くまでは CD-ROM をつなげられない。 とりあえず、A(基本)、D(開発;gccなど)、N(ネットワーク) を優先的に導入。それもフロッピーディスクをとっかえひっかえ。

他にもフリーソフトを個別にコンパイル&インストールする必要がある。 まずは pcmcia-cs の導入で LAN PC card を使えるように設定。 その後は Windows 95 からドラッグ&ドロップできるようにするため、 samba を導入。これで準備完了。

98VmのHDDからデータを吸い上げる

さすがにフロッピー経由では大変なので、シリアル経由で SLIP で接続、 FTP での転送を試みました。

まずは Windows 95 の「ケーブル接続」を使い、シリアルポート経由で 98Vmの KA9Q システムへの接続を試みたものの、うまくいかず。 どうやら「ケーブル接続」のプロトコルは SLIP ではないらしい。

では Linux と98Vmはつながるか?
SLIP 的には接続できたが、FTP 的にうまく接続できず。 Linux と KA9Q では FTP の相性が悪いのか?

さらにこの状態で LAN 側に Windows 95 を接続、3台のマシンが IP 的につながった。 この状態で、Windows 95 で WS_FTP を動かし、Host Type をKA9Qに設定し、 Linux をルータ代わりにして98へ接続。

WS_FTP ならディレクトリまるごとコピーもできる!これは便利! だが、SLIP 接続が 9600bps だと一晩かかりそうなので、FTP を仕掛けたまま就寝。 翌朝には 98->Win95 への転送が終わっていました。

今度はLANで Win95->Linux へ転送。 samba が動きだせばドラッグ&ドロップでOK! 転送時間はわずか10分程度。10 Mbps は偉大だ!

このあとは、Linux を SLIP から AX.25 へ切替えて、ようやく98Vmを 切り離すことができました。

いざ運用!

最初は sendmail とかの設定でトラブってエラーメールを撒き散らし、 prug.or.jp のドメインマスターホストのところまで行ってしまったり、 ニュースの転送でセッションをいっぱい張りすぎて DOS ユーザ側で システムダウンしてしまったりしていましたが、 その後、YMT_net や他の人たちのアドバイスや、 寺子屋−INNインターフェースなどのソフトウェアの提供などにより、 ようやく安定しました(ymt,ampr のみなさんに感謝 _o_)。

一般に出回っている E-mail や NetNews のクライアントソフトを Windows 95 へインストールし、Linux マシンをサーバとして設定するだけで、 以前と同じようにメールやニュースが読み書きできるようになりました。

98vm を手放す

ThinkPad 220 本体よりも、HDDとメモリを合わせた価格の方が高かったような 気がしますが、その代わり、邪魔臭い98Vmや関連機材・書籍などを、 無線で知り合った近所の高校生に全部ゆずることができました。おかげで、 部屋が広くなって快適になりました。

▼この頃の Linux マシン(左:ThinkPad 220)と Windows 95 マシン(右:ThinkPad 230Cs)

ノートPCになっても、木箱に入れて防音対策。 ま、ファンがない分静かになりましたが...。

その後


ThinkPad 220 に関する他のページ

Linux 関連ページ:とりあえず linux.or.jp へ行けば何か情報が得られるでしょう。

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