インカレ・リバイバル

第14回 第13回(岐阜)インカレ(1)                  

宅間 隆二(HE・早稲田大学第1走者)

2位になってしまったのは残念であった。やっぱり優勝以外は1回取れば十分で2位を2回取ってもあんまり嬉しいとは思えない。それに去年と違って優勝の可能性も十分な戦力であっただけに残念である。しかし残念だとは言いつつも優勝した京大の連中にエールを送っているときに「こいつらに負けたのなら、まあいいや」とも思った。こんなことを思ったのは初めてである。あの4人の嬉しそうな顔を見てたら、なんとなく尊敬に近いような感情を覚えたのだ。なぜだかは知らないが。

表彰式が終わって帰ろうとしたときに、下川が言ってくれた。「感動しましたよ」と。                                    そうか、それは良かった。                         私の走りだけに感動したというわけではないんだろうけど、その一部分を作り上げられたのは確かだろう。下川だけじゃないだろう。泣いてる人もたくさんいたし、インカレを見て感動してくれたのなら、優勝はできなかったとはいえ、私は本当に嬉しいし走ったかいもあっというものだと思う。人を感動させるなんて、そうできることじゃないだろう。

多分、今回のインカレで感動してくれた人は、次のインカレではその感動の主役となるべく頑張ってくれるのではないだろうか。私自身も似たようなものだ。主役となるべくインカレを最終目標として頑張ってきたつもりだ。

もしかして、早稲田が強いのってインカレを通じて先輩から後輩へと受け継がれる感動がその秘密なのじゃないだろうか。そんなことも、ちょっと考えてみた。

(わせだUNIV.OCレポート1991年度vol.3)


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