インカレ・リバイバル

清水 英仁(ME・早稲田大学第4走者)

最後のインカレ

 前にも書いたが今年は早稲田の優勝だけを目的に一年やってきた。今年は去年と違い一
年を通しコンスタントにトレーニングをこなすことができた。去年までは、まだ次がある
という甘えがどこかにあったのかもしれない。

 1月は200Km以上、2月は150Km以上走った。トレーニングに関してはだいた い納得いくまで行うことが出来た。自分にとって必要以上に走ることはあまり意味のない ことだということは分かっていた。しかし自分にとってトレーニングは体力をつけるとい うよりは精神的に安心させるためのものだったのでトレーニングを多くこなしたというこ とは自信につながった。3日練に入ると結構調子が上がってきた。それでもやっぱり俊介 と安井には全く歯が立たなかったけど。春合宿でも疲れはあるものの周りが良く見えた。 多分強化合宿のおかげだったのだろう。最後の選考レースOC杯を迎え、インチキ臭くO C杯をとり団体戦メンバーの発表がされた。メンバーを聞き自分の頭の中でいろんなもの がぐちゃぐちゃしていた。こんな気持ちのままインカレを迎えてはいけないなというのは 十分承知していたが結局ひきずったままインカレを迎えてしまった。このことは全ての人 に対して失礼であり許されることではなかった。本当にすみませんでした。

 個人戦、とりあえず無理をしないように20位以内を目標にした。実際は序盤は大きな ミスも無く回っていたが第一中間をすぎたあとから足がつり出しレースに集中できなかっ た。単なる言い訳になるかもしれないが。結果は16位。結局個人戦エリートで全く納得 いく結果が残せなかった。しかし何よりも体力に関しては問題ないと思っていたのに序盤 であんな状態になったことが許せなかった。おそらく直前の怪我、体調不良による調整不 足に起因するものだったのだろう。結局自分の体調管理ができなかった。走り終わった後 も疲れは引かない。あんな状況は大学生活で初めて体験した。ボードを見る。10位以内 に4人も早稲田がいる。自分は16位。情けないがまあ実力はあんなもんなのかと自分自 身を納得させる。本当に俺なんかが走ってで大丈夫なのかという気持ちに襲われる。しか しもう走るしかない。とにかく自分を納得させ疲労をとることに専念した。

 団体戦当日、微妙に足が重く感じたが前日の体の疲れはほとんど残っていないように感 じた。あれこれしているうちに男子一走のスタートが近づいてきた。一走の応援をしてい るうちになんだか涙がでてきそうになった。緊張からくるものだったのだろうか。すぐに 一走がスタート。西村はいい感じで出ていった。女子、併設のスタートを見送ると続々と 一走の第一中間の通過状況が放送される。西村がなかなかコールされない。一瞬去年の悪 夢が頭をよぎった。でも信じて待つしかなかったので待っていた。結局西村は一位で会場 に現れる。安井がスタートする。4走の時点でもし競るとしたら東大、筑波、東北と思っ ていたので東大の上野はどうやら調子が悪いらしく、筑波の吉村も勝てない相手ではなか ったので東北の小野田と僅差でさえなければいけるなと思っていたので、一走の時点で東 北が出遅れたのを聞いて気分的にかなり楽になった。安井は順調に回って一位で俊介にタ ッチ。安井は高橋、内山を相手に互角以上の闘いをしていた。本当に速くなったな。あと は俊介なので安心して待っていられた。待っている間に前の二人の話を聞いているとどう やらコースは簡単なようだ。そう !J9$$$F" ならバカな俺でもいけるかも”とちょっと安心した。だんだん自分のスタートが近づいて くる。3年生がここまでつないできたんだ、何が何でも一番で帰ってくると心に誓った。 俊介が現れた。タッチの瞬間俊介がガッツポーズをしていた。かなり速いタイムのようだ。 お疲れ、そしてありがとう俊介。坂をのぼっている時もみんなの声援が聞こえた。スター トにつく。一番まではほぼまっすぐだ。コンパスをセットしリングをまわす。川の曲がり 辺りをこえ南の方に伸びる沢を確認する。すると目の前に結構な段差が現れる。一瞬あせ るがよくみると崖で表記されている。そのまま進み溝を越えたことを確認。右手にみえる 高いところにポストがあるなと思い。Bの植生界との位置関係をみながら上にのぼる。ポ ストを発見。1→2、何てこと無いレッグ。南北に伸びる道にのり、目の前にみえてくる 斜面の沢にあるというイメージ。2ポも難なく発見。2→3、ほぼまっすぐいける。コン パスを合わせ、東にのびる尾根にのり、沢になっている部分の溝をチェック。目の前に見 える尾根を左に見ながら3ポの西の沢の辺りから尾根線に上る。ここで下る方向を確かめ そのまま下る。ポストと進を発見。ここが第一ラジコン ぁ!@$C$?!#$3$3$^$G$A$g$C$H jB3$-$,CY$9$.$?$N でちょっと差を縮められたかなと不安になるがただ走るしかないのでさっさと次へのプラ ンをたてる。3→4、結構長いレッグ。しかしかなり道が使える。道の曲がりからコンパ スを振りゆるやかな沢を下る。目の前のBやぶをかわし左手にピークをみなが行く。まっ すぐポストに向かおうかと思ったが、分岐までいきそこから直進。難なくポスト発見。4 →5も別に問題なくとる。5→6でイメージ想像と違うところにポストが有りまさかあれ じゃないよなと思って近づくと730、自分のポストだった。ここまで3走までの貯金が あったのでかなりゆっくりやっていた。むしろ不必要なところで不必要な動作をしている ことが多かった。(分かりきっているところでもわざわざコンパスをセットしてリングを まわしたり)。そのせいか急に上野に追いつかれたか?と気になり始める。6→7、これ は問題なくとる。7→8、8の前の長い尾根が分かるだろうと思い、結構ラフにすすんで しまう。これが失敗だった。どうやら体が低い方に流されしかもこけた時にちょっとリン グがずれたようで尾根の低い方にでてしまう。結局ちかくの道とCやぶをみてリロケート するがかなりの ァ!m%9!#%_%9$r$9$k$?$S$K8e$m$r?6$jJV$C$F$O>eLn$N;Q$,$J$$ のを確認していた。この時点でもう集中できていなかったのかもしれない。8→9、あせ りから余計な上りを大きく増やすが難なく9ポ発見。9→10、何てことないレッグ。し かし尾根を巻く道にのるという意識はあったのに道があるのを確認しておきながらもオー バーラン。10→11、11→12と問題なくいくが12は第二ラジコン、いったい自分 は何位なのだろか全く分からない。12→13、走る前に西村にCの植生界が使えるとい われたのでCの植生界を目指すがとうとうここにきて足がやな感じをし始めた。Cの植生 界につくとそこからアタック。これも問題なくとるが明らかに前半よりペースが落ちてい ることが分かった。とにかくあと少し。13→14、強引に高い位置でのコンタリングを 試みるが、やはり下に降りようかと迷っているうちに距離感がわからなくなり、ポストの ある沢をスルーして奥の沢につく。上を見上げた瞬間、ツボった時特有のいやな感じがし たがとりあえず上る。案の定ポストはないがヤブサから隣の沢にいることを確認。念のた め上の道にまででて確認した。やはりとなりの沢の中にある。14からの脱出の上りでと うとう足がつ ぁ!j$@$7$?!#$3$s$J5wN%$GB-$,$D$C$?$3$H$J$s$F#4G/4V$H$*$7 て一回もなかったのに、なんでよりによってこんな大事な時にと自らを恨んだ。すこしで も足に負担をかけないようにと14→15は2の近くを通り鞍部からアタックすることに 決めた。全力で走れない。でも、もう早くみんなのところに戻りたいという気持ちでいっ ぱいだった。鞍部につきリングをまわし直進。踏み出した瞬間足がつってめちゃくちゃ痛 かったが屈伸したり足をぶんなぐったりしながらまっすぐ進む。こんな状況だったためで あろうか、地図をちゃんと読んでなくポストのある高さは川とほぼ同じ高さと勝手に思い 込みポストがなく完全に頭が真っ白になる。ひたすらうろつくきかなりたってから落ち着 いて地図を見直す。全然下にいる。急いで上に上りポストを発見。さすがにかなりやって しまっていたので上野はもう先にいってしまったかもしれないという考えが頭をよぎる。 しかし、もうとにかくゴールするしかないと思い急いで16をとる。15でつぼっている 間にどうやら足は回復したようなのでなんとか走れる。とにかくはやくゴールしたいとい う一心で走った。会場が視界に入った。歓声が聞こえる。しかし全く自分が何位なのかわ からない。会場の目の前にくる !$H@>B !"0B0f!"=S2p$,N)$C$F$$$k!#  3人を見た瞬間初めて状況を理解した。いつもトレーニングの時に描いていた想像が現実 のものとなった。本当によかった。円陣を組んで皆を前にすると涙がこぼれてきた。全て が報われたような気がした(自分のことだけじゃなく)。最後のインカレにしてこんない い思いができて本当に幸せだった。こんな最高のインカレをつくってくれたOCのみんな、 本当にありがとう。

 日本女子も3位入賞おめでとう。都立は今年悔しい思いをきっとしたと思います。その 気持ちを忘れずぜひとも来年は完走してください。  個人的には結局自分に自身がもてなかったこと、精神的な弱さがレースにも出てしまっ たようである。4年生なんだからもっとしっかりすべきだった。まあ自分の性格上むりだ ったんだろうけど。キャプテンと言われていたけど結局何一つやらなかった。あれこれ後 悔してももう最後のインカレは終わってしまった。もう狂ったようにトレーニングするこ ともないだろう。学生生活最大の目標が無くなった。インカレが終わって何日かはなにも する気がおきない。むしろ何をやってよいかわからない。それほど自分はこれにかけてい たのだろう。

 インカレ中嫌な顔一つ見せず雑務をこなしてくれた1年、2年のみんな、オフィシャル の皆さん、応援にきてくださったOBの方々、運営者の皆さん、猿田をはじめとした応援 をしてくれたOCのみんな、本当にありがとうございました。特にこんな俺を見捨てずにこ こまで育てくれた、天野監督、石澤監督、山内監督を初めとするOBの方々どうもありが とうございました。

 最後に一年生、こんな俺をかまってくれてありがとう。もう一年くらい現役生活をとも にしたかったな。二年生、自分が幹事長の時の新入生なので一番思い入れの強い学年だっ た、自分と最もダブってみえる学年なのでぜひとも頑張ってください。三年生、本当に何 から何まで頼りになる学年だった。来年もOCを引っ張っていってください。四年生、君 達と会えて本当に楽しかったです。特に自分にオリエンテーリングの競技としての楽しさ を教えてくれ一年から俺の目標であった兼田、四年間いつでも俺の愚痴、悩みを聞いてく れた大川原、本当にありがとう。

 みなさん本当にどうもありがとうございました。OCに出会えて本当によかった。


『インカレ・リバイバル』目次へ