第22回(日光)インカレ

酒井真由美(第22回WE・日本女子大学第2走者)

インカレ終わっちゃいました

 

丁度去年の今ごろ、ある人から「4年生という1年間は本当に短いものなんだからち

ゃんと自分を見失わずに過ごすんだよ」と言われ、私はその言葉をいつも気にしてい

た。4年生になって就職活動・卒論、そして学生最後の年、色々なことがあり、あっ

という間に時は過ぎていった。次第にその言葉を身を持って感じる時が迫ってきて

いることを薄々感じながら…。

今回のインカレ、インカレが始まるまでは自分にとって最後のインカレという意識は

薄いものだったが、いざ始まってみると本当に最後なんだなと、個人戦のスタート2

分前になって泣いていた。このインカレに対して自分が完全な準備をしてきたわけ

じゃないことに対する後悔、何でもっとやってこなかったんだろうと言う気持ちもあ

ったが、2月の農大合宿ででみさん(農大OG)に「インカレをどう思っているのか

?」を聞かれた時、自分でしっかりとそれに答えることが出来ず、遅かったが改めて

自分でインカレを意識したのを覚えている。最近自分自身そんなに早いタイムを出

せなくなってきて、走るのが辛くて平均的なタイムしか出せない自分が嫌でオリエ

ンテーリングを数だけこなしている自分がいた。もう昔のようにははれないと自分

自身あきらめていたのかも知れない。体力的に昔のように走るのは無理になってい

たが、何とかまとめて帰ってくることで他の人と同じくらいのタイムを維持するこ

とばかりになっていたと思う。そんな自分にとって体力面の改善は無理にしても技

術面で1ヶ月前という短期間ながらも2月の合宿では何か自分自身得るものがあった

。お絵かきOL、コンタマップを使っての練習で地形を見ることを覚え、これが久

しぶりにオリエンテーリングを楽しいと感じさせてくれた。この後、家に帰って今

までの地図を出来るだけお絵かきしてみたり、地図読みをしてみたりした。この1

月くらいはオリエンテーリングが楽しかった。

 

 インカレの週に入って、もうどこの大学も練習会を開かなくなった頃、もうイン

カレまでオリエンテーリングをすることもないのかと思うと悲しくて、私は一人で

森林公園に行ってパークOLをやって楽しんだ。1年生の頃は公園でオリエンテーリ

ングをやって、それでこの競技をするようになったんだなとか思いながら…。そし

てインカレ開会式前日は、一人日帰りでモデルイベントに参加。最後の調整と言い

ながらもまたオリエンテーリングを楽しんだ。

 インカレ開会式当日。開会式が行われていながらもまだ最後のインカレが始まっ

たという感じがしなかったが、宿についた頃には最後のインカレを意識し始めてい

た。

 

 個人戦当日。スタート地区に行く前にでみさんに右手に「信」「勝」「RESET」と

書いてもらう。その後一人でスタート地区に向かいながら、もう本当に最後のインカ

レで、自分自身これが最後の2レースなんだと思うと今までの4年間の色々な思いが込

み上げてきて涙ぐみながらスタート地区に向かっていた。そして静けさの漂うスタ

ート地区に立った時には、「この瞬間を誰か止めてくれ」と叫びたくなってきた。

「何でもう最後なの?いやだよ」と自分の中の誰かが叫んでいるのを感じ、涙が出て

きた。幸いプレスタートだったので一人になった時には心も落ち着いて“最後のレ

ースを楽しむぞ”という気持ちに切り替えることが出来たが。レースは相変わらず

慎重というか、いつもどうりのスピードだったが、現れて来る前の選手のゼッケン

番号が自分より10番位早いのを見て、久しぶりにオリエンテーリングの楽しさを感

じた。昔はどんどん前の選手を抜いていくのが楽しかったんだなーと思いながら…

。前半はゆっくりではあったが久しぶりに楽しいと思えるオリエンテーリングがで

きた。途中誘導で会場に現れるとは思わず、すごく恥ずかしかったが…。後半は最

後の最後で気を緩めてしまい、現在地が分からず。復帰したが大幅に遅れをとって

しまい去年の順位よりも下の結果で終わってしまった。でも、自分自身では前半久し

ぶりに楽しいオリエンテーリングが出来、いい思い出になったので満足している。

 2日目の団体戦。今年の団体戦は、上手くいって3位、他大でも図情や慶応が速い

のでそのままだと6位もありうるのでは?春合宿の最後の日に他のメンバーから「何

位を目指していますか?」と言われ私はそんな気持ちだった。しかし、らぎは「6

のままでは悲しい。走るからには3位は目指したい。」と言った。最もな答えだと思

った。私はやる前から結果から逃げていたのかもしれない。この時、妥当な結果だ

けを求めていてはそれさえも手に入れることは出来ないということを気づかされた

。目指すは台の上。

 

当日。第1走のスタートを前にして緊張。あの静けさの瞬間はいつになっても緊張

した。えびちゃんに落ち着いてと言って見送った後、upを始める。本当に自分に

とって最後のレースの時がきてしまった。昨日のように泣きたくなってきたが、そ

れはレースが終わってからということでまず自分の役割を果たすことを考えた。な

かなか中間掲示が現れてこなく、前半特に難しく組まれているのかと予想。そうこ

うしているうちにえびちゃんが現れ急に準備してスタート。はて何番でとったのか

?(8位くらいか?)1番では緩やかな地形の細かいアタックなのにも関わらずラフ

にいってしまい違うポストにつく。このとき自分で大きな声で「落ち着け!落ち着

くんだ!落ちつけ!」と言っていた。今動いては取り返しのつかないことになる・・・

。何とか復帰したのもの時計は12分をすぎていた。ライバルの慶応は図情はもう既

に行ってしまったのか?不安になったが、この先も丁寧すぎるほどの地図を読んで

進んでく。なかなか女子の選手が現れず、遅れをとってしまったのかを不安になり

ながら中間掲示手前まで行くと丁度脱出していく橘女子大を見る。このまま飛ばず

に行こうと、最後の大まかな地形から微地形のアタックもやけに慎重に行う。はっ

きりいってこのレースは全然速くはなかった。途中つぼっているし全体的にスピー

ドもなかったし、選ぶルートもそんなに誉められたものじゃなかった。でも、ゴー

ルしてみると慶応にも図情にも抜かれてはいなかったようだ。ただ自分が1位でも順

位を上げることが出来なかったことは悔しかったが、あとはアンカーのらぎの走り

に任せた。きっとらぎならやってくれるだろうと・・・。期待通り3位でらぎが帰って

きた時、すごいなーと思った。

 

 このインカレで私の学生生活は終わった。オリエンテーリングに出会えてよかっ

たと今本当に思う。毎週毎週日曜には山に出かけ、長期休暇には山に住み着いて夏

休みも春休みもないようなそんな4年間だったが、本当に充実していたし、色々なこ

とを感じ学ぶことが出来たと思う。インカレこれは本当に4年間しかない貴重なもの

だったのだということを終わってみて始めて気づいた。もう走ることの出来ないイ

ンカレ。でも私はこのインカレで時にいい思いをし、時に悔しかったが、今となっ

てはどれもいい思い出です。

(インカレでメダルを5つもらったから5回運営しなくてはと言われたが、今回の片

岡運営委員長のように私もいつかインカレの運営に携わることが出来たらなーなん

て思いました。目指すは2代目女運営委員長ですかね。まー、これから社会人にな

るのでいつの話になるかは全く未定ですが、これから先の夢ですね。)

 

 今回男子の早稲田はほんとにおめでとうございました。久しぶりにおいしいお酒

が飲めたのではないでしょうか。本当に1年間この時のためにみんなが頑張ってき

たと思います。お疲れ様。

 らぎ、えびちゃん、おめでとう&1年間お疲れ様。そしてありがとう、大学生活最

後にいい思い出にすることが出来ました(これも二人の助言があったからです)。

 日本女子大のみんな、OCのみんなインカレお疲れ様。一人一人いい思い出を作

れましたか?一人一人1年間の総まとめのレースが出来ましたか?できた人もでき

なかった人もあなたたちにはまだこれから先があるのだから、これからもオリエン

テーリング頑張っていってね。そして新勧ではみんなであのインカレの楽しさ、O

Cの良さ、そしてオリエンテーリングの楽しさを一人でも多くの人に伝えていって

欲しい。そして今回のインカレで目指す目標が出来た人は、1年間諦めず頑張って

いって欲しい。今の1・2年生だって来年は個人戦エリート・団体戦メンバーにな

ることは可能なのだから・・・。

 同期のみんな、4年間お世話になりました。この4年間は自分の人生にとって何

よりも変えがたい宝物になりました。いろいろな思い出が辛かったことも楽しかっ

たこともみーんな詰まっています。一生の宝物です。

 そして最後ですが、今までOCを支えてきてくださった寿会のOB・OGの方々、

監督の亮太さん、河野さん、虎谷さん、夜さん、えうさん、天野さん、石沢さん、祐

子さん…本当に色々な人から多くの影響を受け、たいへんお世話になってきました

。ありがとうございます。

 

オリエンテーリング。1年生の頃、こどもの国でオリエンテーリングをした時に全

身に走った電流は本物だった。この競技に出会えてほんとに良かったと思う。この

クラブで色々な人に出会えて本当によかった。ありがとう。

またいつかオリエンテーリングをどこかでしていたいな。

 

追伸

オリエンテーリング(OL以外でも)でつまずいたり、悩み事があったら、相談にのり

ます(メールアドレス持つ予定)。また行ければ年に何回かOCに顔を出したいと

思うので、その時は遊んでね。

 

2000.3.16

日本女子大学4年 

第2走 酒井 真由美


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