COCOA STORY

Update Tuesday, 28-Aug-2007 13:12:15 JST
明治製菓株式会社の製品COCOA ClassicのCOCOA STORY から拝借してます。

ココアの祖先、ショコラトル

ココアのルーツをたどると、16世紀アステカのモンテスマ王が登場します。
カカオ豆の粉末にとうもろこしや胡椒を加え、煮たりすりつぶしたりしてバニラの香りをつけたショコラトル(苦い味という意)、それがココアのご先祖さま。
モンテスマ王はこれが大好物で、1日になんと50杯以上それも金のゴブレットで飲んでいたとか。
当時のカカオ豆はとても高級品で貨幣のかわりにも使われ、4粒でかぼちゃ1個、100粒で奴隷が買えたといいますから、その贅沢三昧と行ったら!また王は、後宮を訪れるときは必ずこのショコラトルを飲んでから出かけたとも…。
さて、その効果はいかに!?

ショコラトルからココアへ

アステカ時代のショコラトルという苦い飲み物が、飲みやすいココアに改良されたのは1828年のこと。
今でも名高いオランダ人、ヴァン・ホーテンによってなされました。
ショコラトルはもともとペースト状にしたカカオ豆(カカオペースト)を水で溶かし、香りや蜂蜜を加えたもの。
しかしこれは多くの脂肪を含み、胃にもたれる飲みにくいものでした。
ヴァン・ホーテンはこれを圧縮して2/3に油を絞りだし、脂肪分の少ないココアを作ったのです。
またカカオ豆が含む酸を”ダッチング”という方法で中和、酸味を除きました。
こうして飲みやすくなったココアが西欧の一般社会にも拡がったのです。

”神様の食べ物”カカオ豆

ココアの原料となるカカオ豆の歴史は紀元前までにさかのぼります。
南米のジャングルに育つカカオは最初、実の部分のみが食用だったと言われています。
ところが何日も続いた山火事の後、原住民のインディオは炎でローストされ芳ばしい香を放つカカオの種を発見!この偶然の出来事が、無用の種を貴重なカカオ豆に変えてしまったのです。
以来インディオは神様の贈り物として大切にカカオの樹を育ててきました。
18世紀この地を訪れたスウェーデンの植物学者カール・フォン・リンネはカカオを”テオブローマ”と名付けます。
ギリシャ語で”神様の食べ物”という意味。
それだけ神聖なものだったのですね。

チョコレートはココアの弟!?

ココアが飲み物ならチョコレートは食べる物。
実は、チョコレートはココアの製造過程で偶然できたものだったのです。
ヴァン・ホーテンが現在の飲みやすいココアを作りだしたとき、カカオペーストから絞りだした油(ココアバター)を副産物として生み出しました。
これが食べるチョコレート誕生へのステップ。
ココアバターをもう一度カカオペーストにいれてみると…。
滑らかで砂糖を溶かし込むことができる、ココアとは全く違うものができたのです。
1847年これをもとに、英国のフライ社が初めて板チョコを発売。
名前は"Chocolat Delicieux á Manger"(食べるチョコレート)だったとか!

上流階級の象徴、チョコレートハウス。

アステカからスペインへ伝えられた、ココアの祖先である「飲み物」のチョコレートは、17世紀になるとようやくヨーロッパにも拡がりはじめます。
それまで社交の飲み物といえばビールしかなかったイギリスでは、1656年初めてフランス人がチョコレートハウスを開店しました。
中でも「ホワイツ」と「ココアツリー」は特に有名な店で、後に作家やジャーナリスト、政治家のたまり場に発展しました。
チョコレートは関税がかかるため、コーヒー1ポンド(約454グラム)7シリングだったのに比べ、10〜15シリングもしたとか。
この高級感がかえって上流階級の人気を博したというわけです。

カカオ(CACAO)からココア(COCOA)ができるのですね。

ココアに関するリンクサイト

COCOA RESEARCH WWW HOMEPAGECOCOA RESEARCH WWW HOMEPAGE
Stephen's Sipping Hot Cocoa

用語説明

アステカ[Azteca(スペイン語)]文明
14、15世紀にアステカ族がメキシコ高原に築いた文明。
マヤ文明を継承、特殊な絵文字や暦を使用。
多神教信仰で、人身供犠を行い、壮大な神殿を建設。
1521年スペイン人コルテスに征服された。
アズテック文明。
インディオ[indio(スペイン語)]
中部アメリカ・南部アメリカの先住民族の総称。
カカオ[cacao]
アオギリ科の常緑高木で熱帯アメリカ原産。
花は白色の五弁花。果実はウリ状果で、厚い果肉の中に球状の種子を50〜100個含む。
種子をココア・チョコレートの原料とする。
カカオバター[cacao butter]、ココアバター、カカオ脂
カカオの種子を炒ってすりつぶし、圧搾してとった脂肪。
摂氏35度で溶ける。
菓子のほか、化粧品・石鹸などに使用。
かつては、座剤の基剤として用いられていた。
ゴブレット[goblet]
脚付きのグラス。
象形文字
古代エジプトのヒエログリフをはじめとして、マヤ・アステカ文字、地中海古代文字など、絵から成立したとみられる表意(語)文字の総称。
ヒエログリフ[hieroglyph]
古代エジプト文字の書体の一。
人・鳥・獣などを絵として表した象形文字で、神殿・墓・ピラミッドなどに使用された。
聖刻文字。
古代エジプト文字の総称。
1822年フランスのシャンポリオンによって解読された。
マヤ[Maya]文明
中央アメリカ、グアテマラ高原からユカタン半島にかけて栄えたマヤ族の古代文明。
紀元前後に興り、4〜9世紀に全盛。
トウモロコシの焼き畑農耕を基盤として神権政治を確立。
巨石建造物を造り、天文・暦法・象形文字などを発展させた。

hkora11@yk.rim.or.jp

hkora11 Home