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睡眠、覚醒、疾病、健康は、意識または意志の様態ではなく、それらは《実存的歩み》を想定してしまっている。失声症は単に語ることの拒否を、不食症は単に生きることの拒否を、それぞれ表しているにすぎぬものではない。それらがそれぞれ表しているこうした他者の拒否、こうした未来の拒否は、《内面的諸現象》の移行的本性からもぎ離されて、一般化され完成されて、ついに事実的状況となったものなのである。

(M・メルロ=ポンティ『知覚の現象学』)

 


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