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つまり、原初の戦争が、野獣を狩るような一方的な殺戮として意識されるのに対して、対等な武人どうしの戦いが発達してゆくと、戦いは一面ではスポーツの試合のような、力と技の競い合いの様相を呈してくる。しかし、それは振り子のように、ある時はまた、ひたすら殺伐たる殺戮の方向に振れ、また戻り、揺れ動くのだという。

 佐伯真一『戦場の精神史――武士道という幻影』

NHKブックス、2004年


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