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 私は映画のために一言弁じたく思う。なぜなら、理論というものはけっして灰色ではなく、どの芸術にとっても広々とした展望を持つ自由を意味するものであることを私は知っているから。理論は、芸術の旅人のための地図である。それはあらゆる道とあらゆる可能性を示し、不可抗の必然性と思われたものが、実は多くの道の中の一つの偶然の道でしかいないことを暴露する。コロンブスのように未知の海に向かって船出する人々に勇気を与え、踏み出す一歩一歩を自由選択の行為たらしめるものは、理論である。

(『視覚的人間 ―― 映画のドラマツルギー』ベラ・バラージュ著)


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