テンペル−タットル彗星(55P/1997E1,Tempel-Tuttle)
2/819:50~20:10 最微等級は4.5等。 透明度は良かったが季節風のためにシーイングはあまり良くなかった。 彗星はペガサス座からうお座に移動。全光度は8等でコマ直径は7分、 中央集光のある拡散状。月光の影響もあるかもしれないが1月末の観測よりも 明らかに暗くなっていた。また、コマ直径も小さく、これは地球から急速 に遠ざかりつつあることと月光の影響だろう。尾は確認できなかった。

1/29 21:42~21:52
埼玉県深谷市東方
最微等級は5等、シーイング、透明度は良。 彗星は南に移動し、アンドロメダ座β星の西約3度。光度は7等から7.5等、コマ直径は10分の中央集光のある拡散状。核光度は9等、コマは大きく広がった印象。また、コマは北東に大 きく広がっていた。尾は確認できていない。

1/28 22:18~22:26
埼玉県深谷市東方 最微等級は5等程度、シーイング、透明度は良好。 彗星はアンドロメダ座β星の北東約5度。全光度は7〜7. 5等、中央集光のある拡散状で核光度は9等。コマ直径は10分ほどで、望遠鏡観 測では大きく広がった印象。コマは北東に大きく広がっているようだが、顕著 な尾は確認できない。ジェットの発達ははないようだ。

 1/8から26までの観測は海洋科学技術センターの研究船「かいれい 」によるマリアナ諸島近海からフィリピン東方海上の航海の間の観 測である。器材はFriend Binoculars Super Star12x50双眼鏡。

1/26 20:46~21:05
三浦半島近海
(N35.06.57、E139.45.55)
最微等級は6等程度。 彗星はアンドロメダ座ω星の南約2度。全光度は7 .5等でコマ直径は7分、中央集光のある拡散状。前日よりも明らかに見え方が 衰えた。尾はあまり伸びていないようである。

1/25 20:20~20:32
紀伊半島南方海上
(N30.22.23、E135.26.39)
最微等級は6.5等。彗星はアンドロメダ座に移動し、ω星の北約2度。全光度は7等でコマ直径は15分、中央集光のある拡散状。核光度は9等、コ マは北東に大きく広がっており、そこから細い尾が伸びているようだ。

1/23 20:56~21:09
大東諸島南方海上
(N21.22.67、E130.52.22)
 彗星はさらに南下し、カシオペア座δ星の南約5度。全光度は7 .5等でコマ直径は8分、中央集光のある拡散状。核光度は9.5等で北東に細い尾 が伸びているようだ。

1/22 21:10~21:40
フィリピン東方海上
(N18.30.02、E129.33.84)
彗星はカシオ ペア座δ星の東約3度。散開星団M103の近くだ。彗星の全 光度は7.5等でコマ直径は7分、中央集光のある拡散状。細い尾が北東に伸びて いるようだ。光度はM103よりやや暗いか。

1/2121:34~21:40
フィリピン東方海上
(N18.44.00、E126.26.94)
最微等級は6.5等、シーイング、透明度はと もに良。 彗星は南南西に7度ほど移動、カシオペア座ε星の北約2度。赤緯+70度線を南に越え、この緯度ではあまり高い位置に上らない。光度は7.5等でコマ直径は10分、中央集光のある拡散状。東よりに幅の 狭い尾が伸びているようである。

1/20 22:00~22:13
フィリピン東方海上
(N18.54.03、E129.58.89)
 彗星はカシオペア座に移動、ω星の北東約3度。全光度は7.5等から8等、コマ直径は8分で核光度は7等から9.5等。南 に尾が伸びているようである。

1/18 12:21~21:38
フィリピン東方海上
(N17.59.45、E128.31.74)
 彗星はさらに西に移動し、こぐま座に。この日、彗星は最も北上した様 だ。全光度は8等、コマ直径は8分で中央集光のある拡散状、核光度は9等から10等。この日も彗星の移 動を確認。

1/17 21:26~21:45
フィリピン東方海上
(N17.51.12、E128.30.88)
 彗星は昨日から西に7度近く移動し、天の北極から7度程度。最微等級は6.5等、シーイング、透明度は良 好。全光度は7.5等、コマ直径は10分で中央集光のある拡散状、南にプ ラズマの尾と思われる細い尾が伸びているようだ。これとは別に幅の広い尾がコマか ら広がり、30分ほどの長さがあるようだ。彗星の移動を確認。

1/1620:42~20:52
フィリピン東方海上
(N16.25.47、E129.49.65)
 最微 等級は6.5等。彗星は赤緯+80度を越え、りゅう座ときりん座との境界付近。 全光度は7等から7.5等と1/14に比べて大幅に明るくなっていた。コマ直径 は10分で中央集光のある拡散状、核光度は9等。南に幅の広い尾が伸びている ようである。

1/14 22:37~22:43
沖の鳥島南方海上
(N14.27.59、E134.329.00)
 最微等級は5等。彗星はりゅ う座λ星の北約2度の位置、赤緯+70度を越えた。全光度は8等 、コマ直径は8分で拡散状。

1/12 28:38~28:45
マリアナ諸島南西方海上
(N11.23.67、E142.11.30)
 月齢は13、月光下の観測。シ ーイング、透明度は良好だが、最微等級は4等程度。双眼鏡でもあまり 星が見えない。
 彗星の確認はなんとかできた。おおぐま座δ星の北約5度、赤緯+60度を越えている。全光度は8等から8.5等、コマ直径は3分で拡 散状、それ以上はわからない。観測の限界か。
 今航海最南端での彗星観測。

1/10 28:40~28:50
マリアナ諸島西方海上
(N15.20.55、E140.30.46)
 彗星はおおぐま座δ星の南約3度、前回の観測から7度ほど北上 。全光度は8.5等から9等、前回観測よりも明るくなった気がする。コマ直径 は5分で拡散状、南西にコマが広がっているようだ。

1998/1/8 27:40~27:55
小笠原諸島南東海上
(N21.53.75、E139.21.89)
 彗星はおおぐま座γ星の南東約8度で、系外銀河M106の東約2度の位置。光度は9.5等、コマ直径は4分でM106と同じくらいか。拡散状でコマ、尾 は確認できなかった。
 最微等級は6.5等、シーイング、透明度はともに良。ただ、海上で水蒸気が多いためか像のシャープさがいまいちの様に感じる。彗 星の観測後、南十字座を確認、ω星団も双眼鏡で球状星団であることがわかる。
原口 悟